訪問日:2019年3月23日(土)
島原郷土料理『六兵衛』
長崎県の島原半島や対馬を中心に伝わる郷土料理『六兵衛』。
なんとサツマイモを主原料にしたという、独特な麺料理です。
島原市の背後にある眉山が崩落し、有明海には津波が巻き起こり、沿岸一体に大被害を与えたのが1792年に起こった「島原大変」。
その後島原半島は食糧危機に見舞われ、サツマイモを主食とするようになったそうです。
暖かい気候の島原では早くから甘藷づくりが盛んだったため、それで凶作を乗り越えることができたとか。
その時、深江村農家の六兵衛という人がサツマイモを粉末にして山芋を入れ、熱湯でこねて、うどん状にしたものを作ったのが「六兵衛」の始まりと言われているそうです。
当時は耐乏食でしたが、素朴な味わいの郷土料理として現代風にアレンジされ、今も食べられています。
これは島原における誕生の背景のようですが、島原半島と対馬は江戸時代以前は肥前国と対馬国に分かれており、また地理的にも大きく離れた2つの地域に、なぜ同じ名前で類似した郷土料理が存在しているのかは今でもよくわからないそうです。笑
対馬はつなぎを使用しなかったり、材料や製法にも少し違いがあるみたいです。
島原における「六兵衛」提供店は、島原市の公式サイトに一覧が掲載されています。
六兵衛(店名)

今回訪れたお店が、長崎県島原市萩原にある『六兵衛』。
料理名がそのまま店名になっている、わかりやすいお店ですね。笑
こちらのお店は昼は六兵衛をメインに、夜はもつ鍋なども提供している居酒屋として営業しているそうです。
店舗は数年前のブログとかを見ていると歴史ある旧家という感じの店舗でしたが、なんだか新しくなっていてすごく綺麗です。
アクセス
お店は島原駅より徒歩12分ほどの距離で、島原城からも近め。
駐車場は店舗横にありました。
混雑状況
この日は土曜日、お店へは11時半頃の訪問。
この時店内には4人客が1組いただけで空いていました。
メニュー・商品ラインアップ





六兵衛のメニューを見ると、山かけや月見など、うどんやそばのようなラインナップが並んでいます。
食べ歩きに嬉しいミニサイズがあり、この後他のお店も巡る予定があったので、今回は無理せずお試し感覚でミニサイズを注文!
感想

【ミニろくべぇ】400円(税込)
黒っぽい麺にすまし汁、具材にはネギ、かまぼこ、ちくわと、見た目は太めのそばや黒い細うどんという感じです。
この黒っぽい色味はサツマイモに含まれる色素によるものだそうです。
麺はモチっとしていますが少し柔らかめ、後からほのかな甘味が広がり、やっぱりサツマイモなのかという印象を受けます。
麺は長さもかなり短めで切れやすい質感、つゆはよくあるうどん出汁という感じ。
これも六兵衛の特徴の1つで、原材料や製法の関係上、長い麺を作るのは難しいそうです。
ちなみに麺は、穴の空いた鉄板のついた板(六兵衛おろし)で、練り上げた生地を押し出す方法で作るのだとか。
薬味には柚子胡椒があり、加えると甘さが薄まりサッパリとした感じになりました。
素朴で優しい味わい、珍しい面白さもあって、食べに来て良かったと思いました。
ご馳走さまでした!
公式サイト等
食べログ
六兵衛
0957-62-2421
長崎県島原市萩原1-5916
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