訪問日:2023年1月27日(金)
紅芋とは

「紅芋」は沖縄の特産品である紅紫色の芋で、様々な料理やスイーツにも使用される、沖縄にはなくてはならない大切な食物の一つ。

1605年に野國總管(のぐにそうかん)が、中国の福建省から甘藷(かんしょ)の苗を持ち帰り、沖縄に伝えたのが始まりで、その後儀間真常(ぎましんじょう)によって栽培が沖縄各地に普及し、台風や干ばつの救荒作物として多くの命を救ったといわれています。
甘藷は九州薩摩地方から日本全土に伝わったことで「さつまいも」という名前で呼ばれるようになりましたが、沖縄では品種改良などを経て「紅芋」になったそうです。
「紅芋」は紅紫色の芋であることから、アントシアニン色素を含んだ紫色のさつまいも「紫芋」と同じと思いきや、厳密には少し違いがあるといわれています。
「さつまいも」は分類するとナス目ヒルガオ科サツマイモ属の一種で、黄色(紅はるかやシルクスイート)やオレンジ(安納芋)、白色(シロユタカ)など様々な色がある中、紫色の品種(パープルスイートやアヤムラサキなど)が「紫芋」と呼ばれます。
「紅芋」はヤマノイモ目ヤマノイモ科ヤマノイモ属の「ダイジョ」といわれるヤムイモの一種で、仲間として近い同属別種として挙げられるのはヤマイモやナガイモ。
「ダイジョ」には中身が白色のものもある中、紅紫色の品種が「紅芋」と呼ばれるそうです。
しかし実際にはかなり混同されて呼称されているそうで、沖縄で栽培された紫色の品種は「紅芋」、沖縄以外で栽培されたものは「紫芋」と呼ばれているようです。

「紅芋」にも様々な種類がありますが、代表的な品種は「美ら恋紅」や「沖夢紫」、「備瀬」など。
御菓子御殿


今回訪れたのが、現在では沖縄土産の定番になっている、「紅芋」を使って作られるお菓子『紅いもタルト』の発祥の店という『御菓子御殿』。
こちらのお店は1979年に読谷村伊良皆にて「ポルシェ洋菓子店」として創業し、ドーナツ、チョコレートケーキ、パイなどの製造販売を始めたとのこと。
『紅芋タルト』が誕生したのは1986年、当時村おこしを目的とした「一村一品運動」が広がり、読谷村でも村おこし事業として当時お菓子としては使用していなかったという紅芋を使ったお菓子作りを開始。
タルト、シュークリーム、かるかん、ようかんなどが作られたそうで、『紅いもタルト』はタルト生地が紅芋の形、波打つペーストは風に揺れる芋の葉をモチーフにデザインされたそうです。
1995年から1999年までの4年間に那覇空港発の飛行機の機内食で評判となり、「紅いも菓子ポルシェ」として広く知られるようになったそうで、2001年には菓子製造工場兼店舗である『御菓子御殿』の1号店『御菓子御殿 恩納店』を開店。
ちなみに紅いもタルトの発祥の店「ポルシェ洋菓子店」は新装リニューアルされ、「菓子工房 樹々」として現在も御菓子御殿の原点として残っているとのこと。
店舗一覧は公式サイトに掲載されていて、2023年7月確認時点で御菓子御殿が読谷本店、恩納店、国際通り松尾店、名護店、国際通りくもじ店、国際通り牧志店、那覇空港店、石垣店と合計8店舗、他にも菓子工房樹々大木店、おかしのジョリーキキ(サンエー大湾シティ内)というお店がありました。
商品の販売だけでなく、大型店舗(読谷本店・恩納店・国際通り松尾店)ではお菓子の製造ラインが併設されていて見学が楽しめたり、カフェやレストランが併設。
恩納店では紅いもタルトの手作り体験、名護店では「DINO恐竜PARK やんばる亜熱帯の森」や沖縄の歴史上の貴重な資料を見る事ができる「沖縄歴史民俗資料館」が併設されているなど、店舗ごとに様々な魅力があります。
今回訪れたのが、2005年に本社移転と共にオープンした『御菓子御殿 読谷本店』。
こちらの店舗には「カフェ 花笠」と「沖縄料理 花笠」が併設されています。
御菓子御殿の紅いもタルトは自分で買ったりお土産で貰ったり、何度も食べたことがあるお気に入りのお菓子。

なので今回は食べたことがないケーキ系を目当てに、カフェに行ってみることにしました。
アクセス
場所は残波岬からすぐ近く、読谷村のさとうきび畑を通り抜けた先にありました。
駐車場も車50台分(身障害者用2台)、バス5台分とかなり広め。
混雑状況
この日は平日の金曜日、お店には開店直後の9時過ぎに訪問。
この時先客は数組で空いていましたが、私の退店した9時40分頃にはバスツアーらしき団体客も来て結構混んでいました。
メニュー・商品ラインナップ




今回は常温で販売されている通常の「紅いもタルト」とは異なる『紅いも生タルト』と、『紅いもモンブラン』、『紅いもチーズタルト』、そしてドリンクにホットコーヒーを注文。
感想

【紅いも生タルト】198円
【紅いも生タルト】418円
【紅いもチーズタルト】264円
【セットドリンク(ホットコーヒー)】275円
※価格はいずれも税込表記

まずは紅いも生タルトからいただきました。
中はカスタードクリームと2層になっているそうで、しっとり感のある紅いもペーストにまろやかなカスタードでコクが増し、通常の進化版という美味しさ。

次は紅いもモンブラン。
あっさりまろやかな紅いもクリームに、中は上品な甘さでふんわりとしたチョコのロールケーキが入り、ベリージャムが良いアクセントになっていました。
最後は紅いもチーズタルト。
マーブル模様が可愛くて、酸味の効いたクリーミーなチーズの味わいをメインに、紅いもの味わいがほんのり広がる感じでした。
今回買ったものの中で個人的な好みの順は、上から紅いも生タルト、紅いもモンブラン、紅いもチーズタルトという結果でした。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://www.okashigoten.co.jp/
食べログ
御菓子御殿 読谷本店
098-958-7333
沖縄県中頭郡読谷村字宇座657-1
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