訪問日:2022年9月1日(木)
鶴乃子 石村萬盛堂


福岡市博多区の須崎町に本店を構える、マシュマロの生地で黄身餡をくるんだお菓子「鶴乃子」が看板商品のお店『石村萬盛堂』。
創業は明治38年(1905年)。
オッペケペー節で一世を風靡し、新派劇の創始者といわれる川上音二郎さんが所有していた、中対馬小路の実家の一角を借りてお店を始めたそうです。
創業当時に日本三大銘菓の一つといわれる、古くから博多に伝わる銘菓「鶏卵素麺」を製造していたそうですが、その製造過程で卵白が大量に残ることから発想したのが、卵の殻に淡雪と餡をつめたお菓子で、これが最初の「鶴乃子」だったそうです。
明治40年代には舶来のマシュマロ技術を鶴乃子の製法にいち早く導入し、1910年に販売を開始したとのこと。
「鶴乃子」はアイスの「雪見だいふく」を開発する上でのヒントになったそうで、2021年11月には石村萬盛堂と雪見だいふくのコラボ商品も販売されたそうです。
またこちらのお店は諸説あるという、「ホワイトデー」の元祖といわれる候補の一つ。
1977年に当時の石村萬盛堂の社長が、新しいお菓子作りのヒントを探して少女雑誌を見ていたところ、「バレンタインデーのお返しにせめてマシュマロでも渡してほしい」という旨の文章を目にしたそうです。
そこで「君からもらったチョコレートを僕の優しさ(マシュマロ)で包んでお返しするよ」というコンセプトで、返礼用マシュマロ菓子として黄身餡の代わりにチョコレートを包んだマシュマロを売り出す「マシュマロデー」を1978年3月14日に設定。
日付の候補はバレンタインの日付を逆さにした4月12日、1週間後の2月21日、1ヶ月後の3月14日の3つあったそうで、百貨店の岩田屋のアドバイスから一番暇になる時期ということで3月14日に決定したそうです。
それから7~8年ほど続いた後、百貨店からの申し出によって「マシュマロの白」を想起させる「ホワイトデー」に変更され、お菓子業界に限らず様々な業界が参入して日本で定着するようになったとか。
まさか「雪見だいふく」や「ホワイトデー」のルーツになっていたとは、初めて知って驚きました。
店舗は福岡県を中心とした九州各地に「石村萬盛堂」、洋菓子の「Bon Cinq(ボンサンク)」、「お菓子の広場 いしむら」など、様々なお店を展開しているようです。
私がこちらのお店について知ったのは、愛媛県松山市にある「つるの子」というお菓子で有名な和菓子店「西岡菓子舗」に行った際、福岡や岡山にも似たようなお菓子があると紹介されていたことがキッカケ。

「鶴乃子」を購入するだけなら博多駅やオンラインショップでも可能ですが、今回は本店限定という「つるのこのこ」を食べてみたかったので、本店に行ってみることにしました。
こちらは2021年7月30日に本店がリニューアルした際の新商品で、店内工房で作る出来立てのマシュマロを使った賞味期限30分間の創作スイーツのようです。
アクセス
本店の場所は地下鉄「中洲川端駅」より徒歩4分くらいの距離。
駐車場は近隣コインパーキングになるとのこと。
混雑状況
この日は平日の木曜日、お店には17時40分頃に訪問。
この時店内に先客はおらず私のみでした。
メニュー・商品ラインアップ

後でお土産用に「鶴乃子」を買う予定ですが、まずは「つるのこのこ」を購入。
出来立てを作るために少し時間が掛かるようで、注文後10分くらいで提供。
店内にあったイートインスペースでいただきました。
感想

【つるのこのこ】750円(税込)
上の球体はフワッとモッチリが合わさったような弾力あるしっかり食感。
下は柔らかく口どけの良いフワシュワ食感、優しい甘さでとてもまろやかな味わい。
中にはカスタードとバニラアイスが入っているようで、濃厚ながらひんやりサッパリ、底もフワシュワ食感。
美味しいのはもちろんのこと、新感覚に驚いた独創的なスイーツでした。
食後は店内でお土産を購入。
売場の写真はありませんが、商品は公式サイトなどにも掲載されています。
季節限定の「日向夏鶴乃子」や、皇室・宮家へ献上している少し大ぶりで手ねりの餡を使用した「献上鶴乃子」などもあり、「鶴乃子」だけでも色々ありました。
今回初訪問なのでまずは普通の「鶴乃子」を購入。
1人で食べるので、お手頃サイズの2個入りにしました。




【銘菓 鶴乃子 2個入】350円(税込)
ふんわりモチッとした弾力のある食感のマシュマロ、中はしっかり甘めで卵の味わい濃厚な黄身餡。
コロンと可愛い見た目も可愛くて好み、お土産にも喜ばれそうなお菓子ですね。
また違うバージョンの鶴乃子も買ってみたいと思います。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
石村萬盛堂 本店
092-291-1592
福岡県福岡市博多区須崎2-1
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