訪問日:2019年5月3日(金)
軽羹(かるかん)の元祖 明石屋

創業安政元年(1854年)、鹿児島銘菓「軽羹(かるかん)」で有名な老舗和菓子店。
軽羹とは、自然薯などの山芋を生地に使った羊羹の形をした和菓子。
空気をたっぷり含んで蒸され、ふんわりと柔らかい食感が特徴。
軽羹という名前は「軽い羹(羊羹)」という意味から来たと説があるそうですが、中国系から由来しているらしく、はっきりとはわからないようです。
鹿児島で生まれたお菓子と言われており、元禄12年(1699年)に島津家二十代綱貴の50歳祝いの席に用いられたのが最も古い記録で、約300年前のことだそうです。
それ以後の記録も婚礼・年始・賀儀など祝いの席や重要な日に登場しており、軽羹はとても格式高いお菓子だったとか。
明石屋の歴史は、薩摩藩主島津斉彬公が江戸で製菓業を営んでいた明石屋初代となる八島六兵衛翁を鹿児島に招いたことが始まり。
六兵衛翁は薩摩の山芋の良質さに着目し、研究を重ねて類稀な美味しさの軽羹を創製。
六兵衛翁の作るお菓子は「明石屋菓子」と呼ばれ評判となり、島津家の御用菓子司として珍重されたそうです。
「明石屋」の屋号は、八島六兵衛翁が明石出身だったことに由来するとか。
明石屋は現在、鹿児島市内の本店の他、県内に多数店舗を展開。
今回は本店に行ってみることに。
アクセス
本店は朝日通駅からすぐ近くで、百貨店山形屋の北筋にあります。
混雑状況
この日はゴールデンウィークの祝日金曜日、お店には16時頃の訪問。
店内はお客さんがチラホラいるくらいで混雑はなし。
1階はお菓子売場、2階は喫茶コーナーになっていました。
メニュー・商品ラインアップ



売り場の写真は一部のみ、商品ラインアップは公式サイトで確認できます。
今回は軽羹を買いに来ましたが、基本は一本の棹菓子のため、ちょうど良いばら売りというのがありません。
比較的小型のものを5枚に切り分けたものはありましたが、これもセットでの販売のため、最安値でも1188円となかなか高価です。
今回は5枚入りを購入し、あとは大好きな軽羹饅頭と、高麗餅というお菓子を購入。
感想



【かるかん 5枚】1188円(税込)
原材料は砂糖、米粉、山芋ととてもシンプル。
しっとりフワッとした柔らかさに、モチッとした弾力を兼ねた食感、そして山芋特有の粘りのような舌触りがとても独特。
優しい甘さにほんのり広がる山芋の風味、シンプルで素朴なお菓子なのに、とても奥深い味わいでとても美味しかったです。


【かるかん饅頭】162円(税込)
むしろお土産などではこっちの方が定番と思われる、人気のかるかん饅頭。
割と最近のお菓子と思っていたのですが、意外にも誕生は軽羹の約150年後、弘化3年(1846年)に登場した記録が残っているそうです。
山芋の風味広がるモチッとした軽羹生地の中に、甘さ強めで香り高い滑らかなこし餡。
軽羹生地の美味しさはもちろん、あんことの相性も抜群で最高です。


【高麗餅】270円(税込)
読み方は「これもち」だそうです。
こちらも鹿児島に古くから伝わる銘菓の一つで、小豆と餅粉などを原料にした蒸菓子。
見た目はフワッとしたチョコカステラのようですが、モチッとした歯触りにボロッと崩れる、かたくて密度の高い独特の食感に驚きます。
小豆の風味も芳醇で、なんだかクセになる面白美味しいお菓子でした。
明石屋の軽羹、本当に美味しかったのでまた鹿児島に行った時は買って帰りたいところ。
また、明石家は「Patissrie el mundo」という洋菓子店も展開しているそうなので、こちらも気になります。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
明石屋 本店
099-226-0431
鹿児島県鹿児島市金生町4-16
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