訪問日:2025年6月18日(水)
玉こんにゃくとは
山形県民のソウルフードとして親しまれている「玉こんにゃく」、通称「玉こん」。
「玉こんにゃく」はその名の通り3cmほどの球状をしたこんにゃくで、観光地や催事などで醤油で味付けしたものを串に刺した状態で販売されているのがお馴染みの光景。
全国的に普及している板こんにゃくや糸こんにゃくとは異なり、「玉こんにゃく」は山形県をはじめとした一部地域に限られる食文化といわれています。
「こんにゃく」は日本の伝統加工食品の一つで、その歴史は古く、原料となる「こんにゃく芋」の伝来は飛鳥時代に医薬として仏教と共に伝来した説や、縄文時代に伝来した説もあるなど諸説あるようですが、鎌倉時代までには食品として確立し、精進料理に用いられるようになったといわれています。

山形県におけるこんにゃくの歴史は、平安時代の貞観2年(860年)に山形市の「宝珠山立石寺」、通称「山寺」を開山した慈覚大師(円仁和尚)が中国から持ち帰り、寺の精進料理に使ったのが始まりで、それが周辺にも普及し、県内一帯にこんにゃくが広まったと伝わっているとのこと。
「山寺」の本殿に行くには1015段の階段を登る必要があることから、現在周辺の飲食店や出店ではその前に食べる「力こんにゃく」として玉こんにゃくを販売しており、山寺の名物になっています。
「玉こんにゃく」の元祖といわれているのは、明治20年(1887年)に創業した「ヤマコン食品」。
創業者・長谷川松四郎氏が明治20年頃、当時は甘いお菓子など庶民にはなかなか手に入らず、身近にある食材ですぐに食べられるものはないかと、みたらし団子をヒントに醤油で煮たこんにゃくを串に刺したものを考案し、山形市初市で売り出して人気を集めるようになったとのこと。
様々なお店で「玉こんにゃく」を販売している他、全国的にも珍しいこんにゃく料理専門店も存在し、山形県はこんにゃく消費量で日本一を誇ります。
丹野こんにゃく番所

今回訪れたお店は、山形県上山市皆沢字諏訪前にある『丹野こんにゃく番所』。
こちらは山形県上山市楢下に本社を置く、1959年創業の「株式会社 丹野こんにゃく」が運営する本店兼工場で、1986年にオープンしたとのこと。

こんにゃくを使った懐石料理を提供するお食事処や、様々な玉こんにゃくやこんにゃくをアレンジした串を販売する売店、こんにゃくスイーツが楽しめるカフェ「日々蒟蒻」などが併設されており、2023年には食べログの日本料理百名店に選出されています。

今回はお食事処の営業時間11:00~15:00(土日のみ15:30まで)に間に合わなかったので、売店で「玉こん」だけ買っていくことにしました。
アクセス
お店の近くには駅は無く、今回は車での訪問。
駐車場は店舗向かいに広いものが設けられていました。
混雑状況
この日は平日の水曜日、お店には15時20分頃に訪問。
この時売店内は7人くらいお客さんがいましたが、特に待ち時間無く購入出来ました。
メニュー・商品ラインアップ


気になるメニューは盛りだくさんですが、今回は定番の「玉こんにゃく」と夏季限定という「冷し玉こんにゃく」を購入。
店内はイートインスペースも充実しており、店内で食べていくことにしました。
感想

【玉こんにゃく】120円(税込)
【冷し玉こんにゃく】150円(税込)
普通の「玉こんにゃく」は熱々で、醤油ベースに魚介が濃いめに利いた和風の味わい、ブルンともっちり弾力強めの食感。
「冷し玉こんにゃく」はツルツルプリプリした瑞々しい食感、甘辛くさっぱりしたからし酢味噌が利いていて、暑い夏にピッタリの味わい。
訪問日は6月でしたが、既にこの日はとても暑くてしんどかったので、特に「冷し玉こんにゃく」が美味しかったです!

イートインスペースで一人食べていると、お水と混ぜご飯の試食もいただき、サービスも素晴らしいお店でした。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
丹野こんにゃく番所
023-674-2351
山形県上山市皆沢字諏訪前608-1
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