訪問日:2025年8月6日(水)
三輪素麺とは
奈良県桜井市を代表する名物「三輪素麺(みわそうめん)」。
そうめんが有名な地域は播州(兵庫)、小豆島(香川)、島原(長崎)、半田(徳島)など日本各地にありますが、発祥の地は奈良県桜井市が有力な説といわれています。
三輪にある日本最古の神社「大神(おおみわ)神社」には、今からおよそ1200年余り前、大神神社の第12代宮司の次男穀主朝臣が三輪の里に小麦の種を撒き、実った小麦で初めてそうめんを作り、飢饉に苦しむ人々を救ったという伝説があるとのこと。
今でも大神神社祭神は素麺の守護神とされており、その年の三輪素麺の卸値を占う祭典「卜定祭(ぼくじょうさい)」が大神神社で営まれています。
そうめんは奈良時代に唐から伝来した唐菓子の一つ「索餅(さくべい)」が原形といわれており、これは小麦粉をこねて細長くし、縄のようによじったもの。
鎌倉時代になると中国から碾臼が入ったことから製粉技術が向上し、油を使って麺を伸ばす製法が取り入れられ、現在のような細くて長い形状になり、室町時代の頃にはほぼ製法が完成して「素麺(そうめん)」という呼び名に変わっていったとのこと。
江戸時代になると大神神社の門前町だった三輪はお伊勢参りの宿場として栄えるようになり、「三輪素麺」は訪れた人々を魅了し、当時の各地の名産品を紹介した書物「日本山海名物図会」において「三輪素麺は日本一」と絶賛されているそうです。
桜井市では長年伝統的な製法が受け継がれてきた地域ブランドである「三輪素麺」の普及などを目的とした「桜井市三輪素麺の普及の促進に関する条例」を制定。
平成28年3月29日には「三輪素麺」のブランド力向上のため、その地域ならではの自然的、人文的、社会的な要因の中で育まれてきた品質、社会的評価等の特性を有する産品の名称を、地域の知的財産として保護する国の制度「地理的表示保護制度(GI)」にも登録されています。
桜井市にはそうめん料理の人気店が数多くあり、夏は「冷やしそうめん」、冬は「にゅうめん」として年間を通してそうめんを食べる食文化が根付いているとのこと。
「にゅうめん」はそうめんを温かい出汁で食べる料理で「煮麺」が訛った呼び名と考えられており、こちらも奈良県発祥といわれています。
またパスタ風や焼きそば風などそうめんを使ったアレンジレシピも考案され、様々な料理で食べられています。
そうめん処いさむ


今回訪れたのは、奈良県桜井市の国道169号線沿いにある、竹で流す本格流しそうめんを体験できるお店『そうめん処いさむ』。
こちらは約100年前の大正後期に創業した老舗製麺所「勇製麺(いさむせいめん)」が直営するお店で、2025年5月3日にオープンしたばかりだそうです。
桜井市には三輪素麺の製麺所が直営する食事処がたくさんありますが、流しそうめんのお店は他になく、有名なのは循環式の「そうめん流し」が楽しめるお店「三輪そうめん流し 乾製麺所」。

『そうめん処いさむ』は衛生面を考えて、グループごとに40分間貸し切りで竹のレーンをセルフサービスで利用でき、流しそうめんを楽しみながら伝統の三輪素麺を味わえる、とても魅力的なお店。
お店のInstagramのプロフィール欄にある「エアリザーブ」にて簡単にネット予約可能なので、今回は予約をしてからの訪問です。
アクセス
場所は巻向駅から徒歩9分くらいの距離。
駐車場は店舗前にありました。
混雑状況
この日は水曜日、お店には予約時間の11時少し前に到着。
レーンは4本ありますが、もちろん全て予約で埋まっている感じ。
今回は1カ月前くらいに予約をし、その時はまだかなり空きがありましたが、訪問日当日に予約状況を見ると、8月の末の方の平日以外は全ての予約が埋まっていて大人気です。
メニュー・商品ラインアップ




基本は流しそうめんがメインですが、美味しそうな創作そうめんのテイクアウトメニューもあり、写真は撮っていませんが店内では乾麺も販売しています。
流しそうめんは小学生以上は1人1500円(税込)で40分間食べ放題、つゆや薬味もおかわりする場合は追加料金で可能です。
感想



今回は基本の流しそうめんに、味変に面白そうと思った「豆乳めんつゆ(ラー油付)」250円(税込)を1杯追加。
今回は同行者と2人での訪問で、交代しながら流しそうめんを楽しみました。

流しそうめんのルールはこんな感じです。
麺は喉越しよくシコッとした食感で、つゆもキリッと出汁が利いた風味豊かな味わい。
とても美味しいですが、食べ放題のためすぐにおかわりが提供できるよう茹で置きではあったので、若干くたっとしていた印象。
豆乳つゆはまろやか濃厚で、ラー油を入れると少し担々つゆっぽくなってとても好み、これは追加購入して正解でした。
最初40分は短いかも?と思っていましたが、2人だとのんびり楽しんでもかなり時間に余裕があり、麺のおかわりもして満腹になるまで楽しめました。
ただ、流石に麺つゆが薄くなってしまったので、結局100円で通常のめんつゆのおかわりを購入。
めんつゆおかわりし放題のプランもありますが、こちらは200円なので、3回以上おかわりしたい場合はこちらの方がお得。
私のように頻繁に変えない場合は、特に追加しなくても十分楽しめると思います。
流しそうめん大好きで、いつもはレーンから取る方しかやったことがなかったのですが、今回気付いたのは、意外にも上から流す方が楽しいこと。
適当に流すと麺がばらけて取りにくかったり、相手の食べるペースと流れていく時間を考えて絶妙のタイミングを模索したり、色々考えることが多くて面白かったです。
取れずに流れてしまったそうめんも、ザルでキャッチしているので最後まで安心して食べられます。
そうめんの町、桜井での素晴らしい夏の思い出になりました。
ご馳走様でした!
公式サイト等
https://www.instagram.com/somendokoro_isamu
食べログ
そうめん処いさむ
090-3146-5136
奈良県桜井市巻野内525
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