訪問日:2025年8月29日(金)
屋台餃子とは

戦後の闇市がルーツ、高知市のシンボルとして長年愛されてきた「屋台」。

夜になるとグリーンロードを中心に屋台が立ち並び、県内外からたくさんのお客さんが集まり親しまれてきましたが、2024年3月までに高知市からの退去命令で姿を消したとのこと。
本来屋台の営業には道路占用許可などが必要ですが、これまで許可なしでの営業で黙認状態が続いてきたそうです。
現在でも福岡市など条例を制定し、屋台文化が残っている地域はあります。
しかし高知市の屋台では1店舗当たりの規模が大きいため事情が異なることや、移転先などが見つからなかったことから、現在では継続が難しい状況のようです。
廃業した屋台もありますが、一部の屋台は店舗に移って営業を続けており、屋台復活に向けての動きもあるとのこと。
そんな高知の屋台ですが、そのロケーションや賑わいだけでなく、屋台発祥のご当地グルメが存在するのも魅力の一つ。

その代表格が「屋台餃子」。
「屋台餃子」はサイズが小ぶりで、一般の餃子よりも薄皮で包み、たっぷりの油で揚げ焼きのように仕上げるため、パリパリとした食感が特徴。
昭和45年(1970年)に屋台で創業した「安兵衛」というお店が元祖といわれています。
こちらのお店の餃子がお酒のアテにも〆にも食べやすく、美味しいと評判になったことから、高知の屋台では「酒を飲んだ後は屋台の餃子で〆る」という文化が生まれたとのこと。
屋台だけでなく店舗型の飲食店でも「屋台餃子」という名称で提供されており、高知名物として県内外に知られる存在になっています。
屋台安兵衛

今回訪れたのは上述の「屋台餃子」の元祖『安兵衛』。
創業は昭和45年(1970年)3月3日。
高知市の繁華街から少し離れた江ノ口川沿いで5.6席ほどの小さな屋台での営業を始め、当初は屋台の名前もなく、メニューもラーメンと餃子だけだったそうです。
その後餃子が評判となり、小さな屋台も年々席数が増えていったとのこと。
グリーンロードなどの屋台は無くなってしまったものの、こちらのお店では現在でも高知市廿代町で『屋台安兵衛』として、屋台スタイルでの営業を続けています。
現在地には平成25年9月に移転。
こちらの屋台は道路上ではなく駐車場の敷地内で営業しているので、特に問題がないようです。
2025年9月に公式サイトを確認した時点で、店舗は屋台の他に高知県に「いまどき安兵衛」、「ひろめで安兵衛」、「三代目安兵衛 高知南国店」、東京にも「めぐろの安兵衛」、「えびすの安兵衛」を展開しています。
個人的に高知に来た際は屋台やひろめ市場の店舗などで、毎回食べに行くお気に入りのお店。
今回は『屋台安兵衛』の方へ行ってきました。
ちなみに『屋台安兵衛』は2019・2021・2024年に食べログの餃子百名店に選出されています。
アクセス
場所は高知駅から徒歩9分くらいの距離。
駐車場は近隣コインパーキングを利用。
混雑状況
この日は平日の金曜日、お店には20時40分頃に訪問。
この時席は8〜9割くらい埋まっていましたが、待ち時間無く入れました。
メニュー・商品ラインアップ



メニューラインアップは店舗によって水餃子やおでん、一品メニューなど様々ですが、こちらの店舗では屋台餃子、ラーメン、おでんなど。
今回は『屋台餃子』のみ2人前を注文!
感想



【屋台餃子2人前】1200円(税込)
餡は豚肉、キャベツ、ニラ、ニンニク、生姜などが使われていて、特にニラと生姜は高知県が収穫量日本一を誇るため、高知県産にこだわっているとのこと。
野菜の水分が多く薄皮のため作り置きができないので、注文が入ってから包み、専用のフライパンに並べた後に蒸し焼きにし、その後大量の油を入れて揚げ焼きのように仕上げているとのこと。
こんがりと黄金色に仕上がった揚げ餃子のようなビジュアルで、上の焼き目は香ばしくパリパリサクサク、下はややモチっとした食感。
餡はしっかり肉の旨味もありつつ、シャキシャキした野菜がたっぷり入っていて、結構あっさりと食べられるタイプ。
やっぱり美味しい安兵衛の屋台餃子。
全国には様々なご当地餃子がありますが、個人的に高知の屋台餃子は特にお気に入りです。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
屋台安兵衛
088-873-2773
高知県高知市廿代町4-19

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