訪問日:2025年9月2日(火)
いもたきとは
愛媛県大洲市発祥といわれている郷土料理「いもたき」。
「いもたき」は里芋、鶏肉、こんにゃく、油揚げ、しいたけなどの具材を醤油ベースで煮込んだ鍋料理。
料理としてだけでなく、毎年8月下旬~10月になると、河原で多くの人がいもたきの鍋を囲み、月見を兼ねて風情を楽しむのが「いもたき」の伝統であり、愛媛の秋の風物詩となっています。
その歴史は加藤家が藩主として治めていた350年以上前にまで遡るといわれています。
愛媛県史には「藩政時代から受け継がれてきたこの地方独特の秋の風物詩であり、300年の伝統の味である。この地方には、春秋2回お籠り(おこもり)という地域住民の寄り合い行事があり、秋には肱川の河原に収穫の夏いも(=さといも)を持ち寄って、素朴な親睦融和の一刻を過ごした」と記述があるそうで、地元の人々の素朴な風習が「いもたき」のルーツとされています。
発祥地とされる大洲市では昭和41年(1966年)に市の観光事業となり、全盛期には年間7万人以上を動員したそうです。
平成25年度に交通新聞社が発行した旅行雑誌「旅の手帖」において、愛媛県大洲市、山形県中山町、島根県津和野町の3つの芋煮が「日本三大芋煮」として紹介され、以来3市町が連携し、それぞれの芋煮を全国にPRする事業を行っているとのこと。
大洲市だけでなく松山市、西条市、伊予市、新居浜市、今治市など、秋になると県内各地で「いもたき会」が開催されており、期間・場所・料金など詳細は各市の公式サイトや観光情報サイトなどに掲載されています。
しかし各いもたき会は大体複数人での予約制なので、私のように1人旅で気軽に食べる場合は、期間中に飲食店で提供される「いもたき定食」などがおすすめです。
との町たる井


今回訪れたお店は、愛媛県大洲市中村にある『との町たる井』。
こちらは愛媛県大洲市若宮にある、大正時代に創業した「料苑たる井」の姉妹店で、50年ほど前にオープンしたそうです。
「料苑たる井」は大洲市でいもたき会を開催している5店舗の内の一つですが、受付は5人からとのこと。
秋のいもたきシーズンになると、『との町たる井』の方で1人でも気軽に楽しめる「いもたき定食」を提供しているので、今回行ってみることにしました。
アクセス
場所は伊予大洲駅から徒歩13分くらいの距離。

駐車場は店舗の周りにありました。
混雑状況
この日は平日の火曜日、お店には11時40分頃に訪問。
この時先客は2組のみで空いていました。
メニュー・商品ラインアップ





メニューには様々な和食が並びますが、中でも大正時代より引き継がれた伝承のタレでじっくり焼かれたうなぎにこだわっているとのこと。

目当ての「いもたき定食」は「秋季限定」と書いてあり、具体的な時期についてはよくわかりませんでしたが、多分いもたきの開催時期と同じで、この時店頭のポスターには8月29日~10月中旬と書いてありました。
感想



【いもたき定食】1650円(税込)
具材は里芋6個に鶏肉、椎茸、油揚げ、こんにゃくが1個ずつ。
里芋はほっくりとねっとりが合わさった、程良い粘りがある食感。
塩気控えめで甘さが利いており、素材の良さが活かされた優しい味付け。
里芋の中まで味がよく染みており美味しかったです。
あとはおひたしと漬物で、ご飯はおかわりも可能。
この後2軒巡る予定だったので、今回はご飯1杯のみにしておきました。
河原のいもたき会も一度行ってみたいですね。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://www.oozu-taruiryokan.com
食べログ
との町たる井
0893-24-3000
愛媛県大洲市中村553
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