訪問日:2023年3月20日(月)
かどや
愛媛県宇和島市に本店を構える、「鯛めし」や「さつまめし」、「じゃこ天」など、様々な宇和島郷土料理を取り揃えた人気店『かどや』。
宇和島の駅前通りにて、1955年5月にわずか5坪だったという「かどや食堂」を開店したのが始まりとのこと。
現在では愛媛県内(特に宇和島市・松山市)を中心に、東京にも店舗を展開、今後は海外出店も予定しているとのこと。
メインの和風郷土料理店『かどや』に限らず、とんかつ専門店、うどん専門店、カフェレストラン、バンケット&ビュッフェ専門店など、「かどやグループ」として様々な業態の店舗を展開。
一覧は公式サイトに掲載されています。
以前一度「かどや駅前本店」に行ったことがあり、色んな郷土料理の食べ比べが楽しめる御膳を注文したところ、どれも美味しくて、愛媛の郷土料理を大好きになるキッカケになりました。
今回は道後温泉街にある『かどや道後椿坂店』を訪問。
こちらは2016年に「かどや道後店」としてオープンし、2021年3月に『かどや道後椿坂店』に改名したとのこと。
アクセス
場所は道後温泉駅から徒歩3分くらいの距離、椿の湯のすぐ前にあります。
駐車場は無いので、近隣コインパーキングになります。
混雑状況
この日は平日の月曜日、お店には開店10分前の10時50分に到着。
この時既に10人が並んでいて、その後開店時間までに一気に人が増えて20~30人くらい?
開店後に私は1巡目で入れましたが、すぐに外待ちが出来始め、退店時の11時40分くらいには10組以上待ちになっていました。
メニュー・商品ラインナップ
公式サイトによると、こちらのお店のオススメメニューは宇和島鯛めしをメインに、南予郷土料理を少しづつ楽しめる「宇和島づくし鯛めし膳」だそうです。
こちらのお店では個人的に「さつまめし」がお気に入りなので、今回は『宇和島づくしさつまめし』を注文!
感想
【宇和島づくしさつまめし】1800円(税込)
こちらは「さつまめし」をメインに、「ふくめん」、「じゃこ天」、「ふかの湯ざらし」も付いています。
さつまめしとは
さつまめしは南予地方を中心とした郷土料理の一つで、アジやタイなどの魚(地域によって様々)を焼き、身をほぐして麦味噌と共にすり鉢で混ぜてだし汁でのばし、短冊切りにしたこんにゃくやネギなどの薬味を入れてご飯にかけて食べる料理。
名前の由来は薩摩国(鹿児島)から伝わった説、出汁がよく馴染むように茶碗によそったご飯を十字に切った見た目が薩摩藩の島津家の家紋のようだからという説、夫が妻を助けて作る意味の「佐妻」など諸説あり、真偽はハッキリしていないとのこと。
昔は麦飯がよく食べられていて、パサパサした麦飯を美味しく食べられるように工夫して誕生した料理といわれているようです。
ふくめんとは
宇和島藩の行事食として伝わったといわれていて、白身魚を茹でて骨を取り除き、砂糖や酒で調味したそぼろを糸こんにゃくにまぶして皿に盛り、仕上げにねぎとみかんの皮を飾った料理。
そぼろは食紅を加えてピンクに色付けされるのも特徴で、ピンクのそぼろは春、緑のネギは夏、みかんのオレンジは秋、白のそぼろは冬として四季を表すそうで、祭りや正月など人の集まる宴会料理、結婚披露宴や長寿祝いなどのハレの料理として食べられているそうです。
名前の由来については、宇和島ではこんにゃくを「山ふく」と呼び、それを麺の様に細く切ることから「ふく麺」、こんにゃくが見えなくなるほどそぼろ覆うことから「覆面」、材料を細かく切ることを「ふくめ」ということからなど、諸説あるようです。
じゃこ天とは
宇和島市や八幡浜市など、愛媛県南予地方の海岸部を中心に作られている郷土料理で、宇和海でとれた新鮮な小魚(ハランボや小アジなど)を骨付き・皮付きのまますり身にし、平たく成型してそのまま油で揚げたもの。
一般的な天ぷらのように衣をつけて揚げたものではなく、魚肉練り製品であり揚げカマボコの一種という感じ。
元々宇和島では魚のすり身の揚げ物を「天ぷら」と呼んでいたそうで、じゃこ天のように皮や骨ごと入ったものを「皮天ぷら」と呼んでいたそうです。
「じゃこ天」と呼ばれるようになったのは、その美味しさが注目されるようになった頃で、小魚(雑魚)で作ることから「雑魚天(ざこてん)」、それが変化して「じゃこ天」となったという説、原料のハランボ(ホタルジャコ)に由来して「じゃこ天」と呼ばれるようになったという説もあるとのこと。
歴史は古く、宇和島藩史によると元和元年(1615年)に宇和島藩初代藩主の伊達秀宗が、故郷の仙台から蒲鉾職人を連れてきて作らせたことが始まりといわれているそうです。
ふかの湯ざらしとは
代表的な南予郷土料理の一つで、「ふか」はサメのこと。
南予ではイサバフカ、マブカ、ホシブカという種類の1メートル前後のものがよく捕れるそうで、昔漁師が釣れた売り物にならないふかを、酢みそで酒の肴にしたのがはじまりだそうです。
ふかを熱湯にサッと通した後、柔らかいタワシでサメハダを取って冷水にさらして三枚に卸し、結びこんにゃく、豆腐、季節の野菜を添え、すり鉢に味噌、からし、酢、砂糖を加えて作る「みがらし味噌」をつけて食べるのが一般的とのこと。
南予地方で見られるお祭りの料理「鉢盛料理」には欠かせないそうです。
後で知りましたが、さつまめしは食べ方が書いてあり、先に薬味をさつま汁の中に入れてからご飯にかけると書いてありましたが、私は先にご飯にかけてから薬味を乗せてしまいました。笑
ドロッとした質感で、麦味噌の独特な香りが効いたまろやかで甘辛の味付け、魚介の濃い旨味がしっかり効いていて、ご飯進みまくりの美味しさ。
やっぱりここのさつまめし、大好きです。
ふくめんは素朴で上品な魚の味わいに、甘さ強めの味付けが個性的。
じゃこ天は少しかための食感ですが、その分魚の密度も高い感じで旨味が濃く美味しいです。
ふかの湯ざらしは身はあっさり淡白ですが、甘くてピリッとした辛さの味噌がクセになる美味しさ。
同行者は「宇和島鯛めし」を注文したので、少しシェアしていただきました。
甘辛で出汁の旨味が濃いタレにまろやかな卵が相性抜群、鯛の身はモッチリ食感で上品な味わい、汁気多めでご飯にたっぷりと絡むのが最高でした。
やはり『かどや』の料理はどれも美味しくてお気に入りです。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://www.kadoya-taimeshi.com/
食べログ
かどや 道後椿坂店
089-931-5400
愛媛県松山市道後湯之町20-24
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