訪問日:2023年11月24日(金)
宮崎名物「釜揚げうどん」
チキン南蛮や完熟マンゴー、地鶏の炭火焼など、全国に知られる名物と比較するとややマイナーかもしれませんが、意外にも宮崎県では「釜揚げうどん」が名物。
その理由や歴史については、霧島酒造株式会社のウェブサイトに詳しくまとめてありました。
宮崎ではうどん文化が定着しており、食事としてはもちろん、飲んだ後の締めの一杯としてもよく食べられている。
https://www.kirishima.co.jp/aji/2011/winter/26
江戸時代から四国との交流があり、明治以降は四国からの移住者が多かったことでうどんが根付いたようだ。
讃岐うどんとは異なる独自の変化を遂げ、特に『釜揚げうどん』は宮崎を代表する郷土の味となった。
専門店をはじめ、釜揚げうどんを食べられるうどん店は、宮崎市近郊で100軒以上にもなるのだそうだ。
釜でゆでた麺をツユにつけて食べる。
麺もツユも、ツユに浮かぶ揚げ玉も各店が工夫を凝らしたもの。
出汁のきいたツユがからむやわらかめの麺は、とてもやさしい味わいだ。
そして、麺を食べ終わった後、丼に残ったツユをそば湯ならぬ“うどん湯”に入れて割り、吸物のようにして飲むことを勧める店が多いのも宮崎ならでは。
昆布、カツオ節、イリコ、干しシイタケなどをぜいたくに使った出汁の風味を最後まで楽しめる。
宮崎県を象徴するような“あたたかさ・ぬくもり”を持つ『釜揚げうどん』。
だれやめ(だれ=疲れ、やめ=止め。一日の疲れを癒すために焼酎を飲むことで、南九州で昔から使われる言葉)の締めに食べれば、よりおだやかな気持ちになれそうだ。
江戸時代、現在の宮崎県は幾つかの藩に治められた土地と天領に分かれていた。
諸藩としては延岡藩、高鍋藩、佐土原藩、飫肥藩、薩摩藩、そして椎葉と米良地区の山村は人吉藩が治めていた。
天領は宮崎、本庄、国富、穂北(西都)、富高(日向)など。
宮崎市界隈は厳しい圧政を受けなかったため、自由な雰囲気の中、様々な地域との往来があり、その中で四国とも交流があったようだ。
明治時代、四国から農業技術者が迎えられ、宮崎の農業の基礎を築いたという記録が残っている。
その関係もあり、明治時代以降の四国からの移住者も多かったようだ。
宮崎の『釜揚げうどん』は、讃岐うどんとは異なる味わいを持つが、以上のような歴史から、そのルーツは四国にあると考えられている。
宮崎県の「釜揚げうどん」は、讃岐うどんとは異なる独自の発展を遂げているのも面白いところ。
特徴は食感が柔らかめで細めの形状、つゆは甘辛で出汁をふんだんに使い、揚げ玉をトッピング、麺を食べ終わった後にはつゆに「うどん湯」を入れて割るなど。
個人店もチェーン店も「釜揚げうどん」が看板メニューのお店が多く、深夜に営業しているお店も多いため、「釜揚げうどん」は飲みの〆の定番としても親しまれています。
天領うどん
今回訪れたお店が、宮崎県日向市新生町にある「釜揚げうどん」が看板メニューのお店『天領うどん』。
昭和41年3月に日向警察署前に7坪の小さな釜揚げうどんの店を開店したことが始まり。
2024年7月に公式サイトを確認した時点で、日向市に4店舗、門川町に1店舗、延岡市に3店舗と、宮崎県内北部を中心に店舗展開しているようです。
また「手づくりケーキの店BIG PAPA」というお店もあるようです。
今回訪れた『新生町店』は昭和57年8月にオープンした店舗で、平成9年3月に新築開店されたそうです。
アクセス
場所は日向市駅から徒歩20分弱の距離。
駐車場は店舗前にありました。
混雑状況
この日は平日の金曜日、お店には16時過ぎに訪問。
この時先客は1人のみで空いていました。
メニュー・商品ラインナップ
先にレジで注文と会計を済ませてから席に移動するスタイル。
今回はもちろん目当ての釜揚げうどんである『天領うどん』を注文!
感想
【天領うどん】380円(税込)
麺は国産小麦とASW(オーストラリア産)小麦粉を自社ブレンドし、 ミネラルたっぷりの自然海塩を使用して毎日自社工場で製造。
つゆには出汁に枕崎の鰹節、北海道の真昆布、宮崎産干ししいたけ、 醤油は大手メーカーの天領うどんオリジナル醤油「天領薄口」を使用。
ネギは都農の大地に広がる専用農場で有機農法・減農薬で生産。
揚げ玉は独自の製法でふわっと丸く作り、遠心力によって油抜きしているようです。
麺は細めで平打ちの形状、やんわりもっちりした適度にコシがある食感。
つゆは甘さ控えめで、出汁と醤油の味わいがキリッと効いた濃口。
揚げ玉は最初からサクサクせずにプルッとホワホワで柔らかく、確かに油が控えめであっさりしており、絡めて食べるとコクが増して美味しかったです。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
天領うどん 新生町店
0982-53-6068
宮崎県日向市新生町2-66-1
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