訪問日:2023年11月27日(月)
鹿児島県の福山町にて、伝統的な製法で造られる「黒酢」
鹿児島県霧島市の福山町を中心に、屋外に並べた壺を使って仕込み発酵するという統的な製法によって造られる「黒酢」。
「黒酢」は米を原材料に、壺の中で長期間発酵・熟成させた酢のことで、まろやかな香りとコクがあり、一般のお酢より色が黒っぽく、壺の中で熟成させるほど色が濃くなるという壺造りのお酢の特徴から「黒酢」と名付けられたとのこと。
命名したのは江戸時代からの伝統的な製法を守り続ける老舗の黒酢メーカー「坂元醸造株式会社」。
それまでは「福山酢」や「壺酢」、「天然米酢」など様々な呼び名があったそうですが、黒酢の機能性を研究する研究会の中で、福山町で造られるお酢に名前をつけようという話になり、坂元醸造の5代目坂元昭夫氏が1975年(昭和50年)に命名したとのこと。
福山町の「黒酢」の歴史は江戸時代後期(1800年頃)に始まったといわれています。
一年を通じて温暖で寒暖の差が小さいという発酵に適した「気候風土」、黒酢造りに必要な「地下水」、「米」、「壺(薩摩焼)」が揃っていることから、福山町は黒酢造りに最適の地だったそうです。
その優れた品質が評判を呼び、瞬く間に多くの醸造所が建てられ、最盛期には24軒もの醸造所が福山の地に軒を並べたそうです。
大正から昭和初期にかけては、石油から合成してできる氷酢酸をうすめた安価な「合成酢」が製造されるようになり、追い討ちをかけるように起こった戦争による米不足で、次々に醸造所が廃業や転業をし、福山町の黒酢造りは衰退。
しかし昭和40年代に世の中では有害食品が問題となり、自然食希求のブームが巻き起こり、壺酢が再び注目されることに。
黒酢には一般のお酢よりもアミノ酸やペプチドが多く含まれていることがわかり、医学・薬学・農学的見地から様々な研究結果が報告され、健康食品としての認知度が高まり、「黒酢」という名前は一気に全国に広まったそうです。
坂元のくろず 壺畑 情報館
今回訪れたのが、上述の「黒酢」の命名者である「坂元醸造株式会社」のアンテナショップ『坂元のくろず 壺畑 情報館』。
「坂元醸造株式会社」の創業は公式サイトに「1800年頃(江戸時代後期)」と書いてあり、福山町で黒酢造りが始まった当初から伝統的な製法を守り続ける老舗メーカー。
『坂元のくろず 壺畑 情報館』では、黒酢の歴史や製法をパネルや映像で紹介している「情報館」に、黒酢を使った体にやさしい料理を提供している「レストラン」、お買い物や試飲ができる「売店」、そして眼前に広がる壺畑、錦江湾、桜島の雄大な光景が楽しめる、素晴らしい施設。
特に今回楽しみにしていたのが、一面に壺畑が広がるこの絶景。
せっかくなので黒酢の歴史も学び、レストランで食事も楽しんでいくことにしました。
混雑状況
この日は平日の月曜日、レストランには15時過ぎに訪問。
昼食には遅すぎる時間ということもあって、この時先客はおらず私のみでした。
メニュー・商品ラインナップ
メニュー写真は見にくいので、公式サイトに掲載されているものを確認する方が良いです、すみません。笑
今回は『「壺畑」ランチ』を注文。
メイン料理を「くろず酢豚」、「海老のチリソース」、「鶏肉の辛味炒め」から選べたので、『くろず酢豚』を選択!
感想
【「壺畑」ランチ(くろず酢豚)】1650円(税込)
食前酢、前菜3種盛り合せ、メイン、サラダ、白飯、本日のスープが付いたセット。
食前酢はお酢とパイナップルの風味が半々という感じで、酸味は強すぎずまろやかな口当たり。
前菜は蒸し鶏の胡麻ソース、手作り豆腐、自家製焼豚。
豆腐はもっちりプルンとした弾力があり、舌触りはなめらか、ミルキーで香り高い味わい。
蒸し鶏も焼豚も美味しかったですが、この豆腐が特に好みでした。
サラダにも黒酢のドレッシングが使用されていてサッパリ味。
酢豚は鹿児島県産茶美豚をまろやかな酸味の黒酢たれで仕上げた自慢の一品だそうです。
お肉は弾力のある食感で旨味が強く、脂っこさや塩気は控えめで、酸味はしっかりと効きつつもコクのあるまろやかな味付け。
野菜は火が通りつつもシャキシャキと食感が良く、あっさりとしたとても美味しい酢豚でした。
スープはフワフワの玉子が入ったとろみのあるスープで、かなり優しめの味付け。
美味しくてヘルシーな黒酢料理を堪能できるだけでなく、黒酢の歴史にも触れ、絶景まで楽しめて大満足。
「黒酢ソフトクリーム」や「黒酢ドリンク」等のテイクアウトメニューもあるそうなので、次回はそちらも購入したいと思います。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://www.kurozu.co.jp/pages/tsubobatake
食べログ
壺畑
050-5600-1495
鹿児島県霧島市福山町福山3075
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