訪問日:2023年5月5日(金)
「なめろう」・「さんが焼き」とは
千葉県房総半島沿岸部に古くから伝わる郷土料理「なめろう」。
アジなどの鮮魚に味噌・ねぎ・しょうがのみじん切りなどを混ぜ、粘りが出るまでたたく料理。
漁師が獲れたての鮮魚を不安定な船上で調理するために考えられたそうで、醤油ではなく味噌を入れたのは、波の荒い船上で醤油ではこぼれてしまうため味噌を使ったそうです。
名前の由来は「粘り気・滑り気から」、「皿をなめるほど旨い」、粘りが強く皿にこびりついてしまうことから「なめないと食べられない」など、諸説あるようです。
また、このなめろうを鉄板の上で焼いたり、網の上でホタテやアワビの貝殻に詰めて焼いて作られる料理が「さんが焼き」。
「さんが焼き」の由来も諸説あるようで、以下の3説が有名なようです。
①漁師は山へ仕事に行く時になめろうをアワビの殻などに入れて持っていき、山小屋で蒸したり焼いたりして食べた。千葉の古い方言で「○○の家」のことを「○○が」と呼ぶため、山の家で食べた料理ということで、なめろうを焼いたものを「さんが焼き」と呼ぶようになった。
②山と河=海の食材を両方使う「山河焼き」という意味から。
③ショウガ、ネギ、大葉という3つの辛味野菜を使う「三辛焼き」という意味から。
なめろう・さんが焼きは現在、千葉県に限らず広い地域で食べられていて、居酒屋や海鮮料理屋などでは定番になっています。
2009年10月29日には「なめろう」と「さんが焼き」を房総半島のソウルフードとして全国へ広めるために「南房総なめろう研究会」が設立。
賛同したお店が地元の人や観光客向けにそれぞれ工夫を凝らしたメニューを提供しているとのこと。
伏姫さんが焼き
今回訪れたお店が、千葉県南房総市にあるお店『伏姫(ふせひめ)さんが焼き』。
こちらはお店の公式サイトによると”日本初のさんが焼き専門店”だそうで、2019年4月11日にオープン。
明治時代に豆腐製造業として創業し、現在は地元の食材を使った惣菜を作っている「有限会社青倉商店」が直営するお店とのこと。
アクセス
場所はJR内房線岩井駅から徒歩5分の距離。
駐車場は店舗前にありました。
混雑状況
この日は祝日の金曜日、お店には開店2分前の16時58分に到着。
この時2人が開店待ち、開店までお客さんは増えずすんなり入店。
メニュー・商品ラインナップ
メニュー写真は見にくいですが、公式サイトに一覧が掲載されています。
この日予約客の関係でそちらが優先になるので、オーダー取りに行くまで待っていてくださいとのこと。
この後数組くらい入って来た印象、オーダーまでは20分弱くらい待ち時間がありました。
そして今回は烏龍茶と鯵のさんが焼き、ご飯セットの3品を注文。
空席も多く、そんなに混雑は無かった印象ですが、40分くらい経っても提供はされず、途中店員さんが、あれ?まだ何も来てないですか?と確認に来て、その後にさんが焼きが来ました。
そこから更に10分くらい経ってもご飯セットが来なかったので、席にある呼び出しボタンを押して確認したところ、すぐにご飯セットが来ました。
予約無しだとこんなに待ち時間があるなら、訪問時は必ず予約してから行く方がいいかもしれません。
感想
【焼きさんが 鯵 小120g】1078円(税込)
【ご飯セット(白飯・つみれ汁・青唐さんが味噌)】528円(税込)
【烏龍茶】308円(税込)
焼きさんがは席の鉄板で自分で焼いて作ります。
鯵をはじめ人参、大和芋、長葱、鶏卵、房州長ひじきなど全て地元産食材を使用しているそうで、しっかり混ぜてから焼きます。
ちょっとお好み焼き屋さんに来た気分ですね。
しんなりシャクシャクした甘味のある野菜に、大葉の爽やかな風味、まろやかな卵と大和芋、鯵の旨味、それぞれがバランスよく主張したあっさりと優しい味わい。
本来はご飯セットと一緒に食べたかったのですが、届く前に焼いてしまったので、単体で楽しみました。
そのままで美味しいですが、もしおかずとして食べるなら、もう少し塩気が欲しいかも?とは感じました。
ご飯セットにはつみれ汁と青唐さんが味噌付き。
つみれ汁はつみれが結構大きくて食べ応えがあります。
青唐さんが味噌は魚のそぼろに味噌と青唐辛子が効いた感じ、ピリ辛で味付けが濃く、これだけで十分おかずになりました。
「さんがラーメン」や「さんが焼き飯」などアレンジメニューも豊富、またランチメニューもお手頃価格で魅力的。
次回は予約をしてから再訪したいと思います。
ご馳走様でした。
公式サイト等
公式サイト
https://www.aokura-sanga.com/publics/index/20/
食べログ
伏姫さんが焼
0470-57-2777
千葉県南房総市市部111
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