訪問日:2021年4月29日(木)
喜多方ラーメンとは
北海道の札幌ラーメン、福岡県の博多ラーメンと並び、日本三大ラーメンの一つに数えられている福島県喜多方市のご当地ラーメン「喜多方ラーメン」。
喜多方市は人口4万人台でありながら、ラーメン提供店は市内に100軒以上あるといわれていて、栃木県の佐野市と対人口比の店舗数日本一を競っているというラーメンの町。
喜多方ラーメンの特徴は、豚骨、鶏ガラ、煮干し等を使ったあっさり澄んだスープに醤油味がベースですが、お店によって塩味や味噌味など様々。
特に個性的なのが「平打ち熟成多加水麺」と呼ばれる麺で、一般的な麺より水分を多く含んだ約3~4mm幅の平打ち太麺、独特の縮れた形状、食感はモチモチと柔らかめなのが特徴。
そして喜多方ラーメンの美味しさの決め手になっているのが、市内に送られる地下水・水道水に多く含まれる「平成の名水百選」に選出された熱塩の「栂峰(つがみね)渓流水」で、ラーメンの麺やスープに使われるだけでなく、醤油や味噌を作るのにも欠かせない資源になっているとのこと。
また喜多方ラーメンのお店は朝から営業しているお店が多いのも大きな特徴。
理由として考えられている説として、以下のようなものがあるそうです。
〇市内の3交替制の工場の人たちが夜勤明けに立ち寄るため
〇朝早く農作業に出た農家の人が一仕事終えて食べに来た
〇冬、出稼ぎから夜行列車で帰ってきた子どもを暖めるために家に帰る前にラーメン屋に立ち寄ったから
〇市役所の職員やなじみの客が早朝野球をした後、仕事に行く前に食べるため、店主に頼んで開けてもらっていた
喜多方ラーメンの歴史は古く、大正末期から昭和初期に遡るといわれています。
中国浙江省生まれの藩欽星氏が両親と死別したため、日本で働こうと大正14年(1925年)に19歳で長崎に渡って東京・横浜で土木作業員をし、昭和2年(1927年)に加納鉱山の叔父を頼って喜多方へ移ったそうです。
しかし叔父も仕事の世話をできなかったことから、中華麺を打って屋台で売り歩き生計をたてることに。
この時中華麺を思い出して見よう見まねで作ったのが、「平たくて、太くて、縮れた」特徴を持った手打ち麺であり、これが喜多方ラーメンのルーツになったとのこと。
その後藩欽星氏は麺打ちの技術やスープの取り方などを広く喜多方市民に伝え、市内で「支那そば」や「中華そば」をメニューに出すお店が沢山増えていったそうです。
喜多方では古くから醤油、味噌、清酒の醸造業が盛んだったことから、喜多方市内には醸造蔵が多く存在し、「蔵のまち喜多方」として喜多方観光の原点になっています。
喜多方ラーメンが全国的に知られるようになったのも、蔵を撮る写真家が県内各地で行った写真展により、「蔵のまち」としての知名度があがったことが最初のキッカケだそうです。
このあたりの背景はかなり長くなるので割愛しますが、詳細は昭和62年(1987年)に喜多方市の観光PRの一環として発足した「蔵のまち喜多方 老麺会」の公式サイトに掲載されています。
喜多方ラーメンの歴史や特徴の多くはこちらで勉強させていただきました。
源来軒
今回訪れたのが、上述の藩欽星氏が始めた、喜多方ラーメン発祥の店とされる『源来軒』。
前回喜多方を訪れた際は臨時休業?だったか閉まっていたので、今回念願の初訪問です。
アクセス
場所は喜多方駅から徒歩6分くらいの距離。
駐車場は店舗横にありました。
混雑状況
この日は祝日の木曜日、お店には開店5分前の9時55分くらいに到着。
この時既にお店は開いていて、先客は2人と空いていました。
メニュー・商品ラインナップ
今回は基本のラーメンを注文!
感想
【ラーメン】700円(税込)
スープには豚骨や鶏ガラ、煮干し、香味野菜など10種類以上の素材を使い、時間をかけてじっくりと煮こんで作るそうです。
脂はかなり控えめ、ほんのり甘味と酸味を感じるとても優しい味わい。
麺は柔らかくモッチリした食感の平打ち太縮れ麺、スープと食べると少し味が薄めに感じました。
チャーシューはモモ肉とバラ肉が使われているそうで、パサパサで歯応えのあるかため食感、少し独特な臭いがありました。
ようやく元祖の喜多方ラーメンを食べることができて、良い思い出になりました。
ご馳走様でした。
公式サイト等
食べログ
源来軒
0241-22-0091
福島県喜多方市一本木上7745
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