訪問日:2025年9月10日(水)
和歌山ラーメンとは
和歌山ラーメンは、豚骨醤油のスープにストレートの細麺、具には刻んだ青ネギ、メンマ、チャーシュー、ナルトではなくカマボコ(カマボコ型にナルト模様が入った千代巻なども)が入ることが特徴。
また、卓上にはゆで卵や早寿司(しめ鯖の押寿司)があり、会計時にいくつ食べたかを自己申告するという、独特なシステムもあります。
和歌山ラーメンでは早寿司を食べる文化があることから、麺量は比較的少なめに設定されているといわれています。
スープは大きく分けて、さらりとしたスープが特徴の「醤油ベースの豚骨醤油味」と、ぐらぐらと煮出した白湯スープが特徴の「豚骨ベースの豚骨醤油味」の2つの系統があります。
新横浜ラーメン博物館が提唱した呼び名では、前者は「車庫前系」、後者は「井出系」と呼ばれます。
「井出系」という呼び名は、和歌山ラーメンが全国に知られるきっかけとなり、ご当地ラーメンブームを巻き起こした昭和28年創業の名店「井出商店」がルーツ。
そして「車庫前系」は、和歌山ラーメンの原点にあたる屋台文化がルーツとなっています。
戦後になると、和歌山駅から県庁を通り、海南に抜ける市電の拠点になる駅に、中華そばの屋台が出るようになったそうです。
特に市電の車庫があった車庫前駅周辺は一番の繁華街で賑わい、屋台の数も一際多かったとか。
市電が姿を消すと、屋台の多くは店舗を構えるようになっていき、この屋台の流れを組むラーメンが「車庫前系」と呼ばれています。
中華そば専門店 井出商店

今回訪れたのは、上述の「井出系和歌山ラーメン」の総本山、和歌山県和歌山市田中町にある『中華そば専門店 井出商店』。
昭和28年(1953年)に屋台で創業。
創業当時は醤油味の澄んだスープだったそうですが、2代目がスープの濃度を上げる試行錯誤を重ねた結果、豚骨のゼラチンがスープと脂をトロリと乳化させ、醤油味がうまくマスキングする調理手法を考案し、「井出系」と呼ばれる現在の豚骨醤油スープが完成したとのこと。
1998年1月1日に放送された「TVチャンピオン 日本一うまいラーメン決定戦」で優勝し、その後「新横浜ラーメン博物館」に出店。
「開店から卒業まで238日間、連日行列が途絶えなかった。」、「最大待ち時間210分(3時間半)」、「1日平均約900杯提供」など様々な記録を打ち立て、全国に「和歌山ラーメン」を広めた立役者であり、ご当地ラーメンブームを象徴する名店として知られています。
2023年と2024年には食べログラーメン百名店にも選出。
以前も行ったことがあるお店ですが、今回久しぶりに再訪です。
アクセス
場所はJR和歌山駅から徒歩7分くらいの距離。

駐車場は地図の通りで、お店の少し北を曲がった先にあります。
混雑状況
この日は平日の水曜日、お店には19時半頃に訪問。
この時外待ちは無かったですが、店内は客入り9割くらいでギリギリ待ち時間なしで入れました。
私が退店した19時50分頃は7人の外待ちが出来ていたので、タイミングが良かったです。
メニュー・商品ラインアップ


メニューは基本の中華そばに、トッピングや麺量を変えたラインアップ。
早すしや玉子もありますが、こちらのお店では卓上に置いてあるのをセルフで取るのではなく、注文したら持ってきてくれるスタイルのようでした。
今回はチャーシュー増しの『特製中華そば』を注文!
感想

【特製中華そば】 900円(税込)
スープは豚骨をメインに1割ほど鶏ガラをブレンドしているとのこと。
クセは感じないほどに豚骨特有の風味が広がり、醤油と豚骨の旨みがバランス良く利いたコク深いスープ。

麺は細めで最初はややかための食感、すぐに馴染んでシコッとした食感に。
チャーシューはムチッとした食感で適度に脂身が混じり、醤油味は結構しっかりめに利いています。
懐かしさと共に、これぞ和歌山ラーメンと改めて感じる味わいでした。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
中華そば専門店 井出商店
073-424-1689
和歌山県和歌山市田中町4-84

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