訪問日:2023年6月24日(土)
けし餅とは
大阪府堺市を代表する銘菓の一つ『けし餅』。
けしの実はあんぱんのトッピングでもお馴染みで、『けし餅』は小豆のこしあんを餅皮で包んだものにけしの実をまぶしたお菓子。
堺が南蛮貿易の港町として栄え、海外からの珍しい産物が色々輸入されたそうですが、けしの実もその中の一つで室町時代にインドからもたらされ、大阪、堺、和歌山周辺で盛んに栽培されるようになったそうです。
安土桃山時代に千利休によって広められた茶の湯の習慣は堺の地で多くの和菓子を生み出し、その一つがけしの実の香味を生かして考案された『けし餅』だったとのこと。
『本家小嶋』と『小島屋』
他にも売っているお店はありますが、『けし餅』が看板商品のお店で特に有名なのが『本家小嶋』と『小島屋』。
それぞれの公式サイトを確認すると、『本家小嶋』は室町時代の天文元年(1532年)、『小島屋』は江戸時代の延宝年間(1673~1681年)に創業。
どちらもけし餅が看板商品であり、漢字は異なるものの「こじま」という共通の屋号から、何か暖簾分けのような関係がありそうな印象を受けます。
どちらの公式サイトにも関係については一切触れておらず、詳細はよくわかりません。
ネットで調べるとよく出てくる情報が、『本家小嶋』は元々「菓子屋吉右衛門」として創業し、後に「小島家」という屋号で営業、しかし諸事情でお店が営業できなくなったことから現在の『小島屋』に屋号を売却、その後『本家小嶋』が再び「小島屋」として再開したところ、現在の『小島屋』と揉めて裁判にまで発展し、現在の『本家小嶋』という形になったという話。
もちろん公式情報ではないので真偽は不明ですが、何かしら確執がありそうな印象を受けますね。
何年か前に『本家小嶋』には行ったことがあるので、今回は初めて『小島屋』を訪問。
『本家小嶋』とは異なり、『小島屋』は本店の他にも常設店舗として 高島屋(大阪店、堺店、泉北店)、 阪急百貨店(阪急うめだ本店)、 近鉄百貨店(あべのハルカス近鉄本店)、週1回販売店舗として三越伊勢丹(日本橋三越本店)、そごう横浜店、神戸阪急、京阪百貨店(守口店)、催事等販売店として高島屋新宿店、 福岡三越、また大阪空港、新大阪駅、大阪駅など販売店が数多くあるそうです。
今回訪れた本店は堺市堺区の宿院町東にあり、元々は堺市少林寺町で創業したそうですが、現在地には昭和28年に移転したとのこと。
アクセス
場所は阪堺電車「宿院電停」から徒歩1分、南海本線「堺駅」から徒歩13分くらいの距離。
駐車場は店舗の2軒隣にありました。
混雑状況
この日は土曜日、お店には12時20分頃に到着。
お店の営業時間は8時半からですが、12時からは店舗2階の茶房が利用できるので、今回は店内でいただくことにしました。
この時先客は1人のみで空いていました。
メニュー・商品ラインナップ
今回食べたかったのは『けし餅』はもちろんのこと、『けし餅ロール』も目当て。
『けし餅ロール』は持ち帰りでも冷凍状態のものを1本単位で販売していますが、1カットサイズのものは茶房でのみいただけるようです。
感想
【けし餅ロール1カット】260円(税込)
【けし餅セット】200円(税込)
けし餅セットはけし餅とお茶付きのセット。
お餅は薄めでもっちり柔らかな食感、こし餡はなめらかでコクがありつつ上品な甘さであっさりめ。
何よりけしの実のプチプチ食感で香ばしい味わいがクセになる美味しさ。
ロールケーキはスポンジの表面にけし餅が入っていますが、けし餅ほどはプチプチ感と香ばしさは主張せず。
生クリームは甘さ控えめながらコッテリとしたコクがあり、柔らかなお餅とこし餡はクリームとの相性も抜群。
どちらも美味しかったですが、特にけし餅の美味しさに感動。
前回『本家小嶋』を食べたのがかなり前なので記憶が曖昧ですし、本当にどちらも美味しくて甲乙つけがたいですが、個人的には『本家小嶋』の方がより食感が好みだったかも?という結果でした!
ご馳走様でした!
公式サイト等
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食べログ
小島屋
072-232-0313
大阪府堺市堺区宿院町東1-1-23
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