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高知で楽しめるこの時期限定の”幻の味”『メジカの新子』!【久礼大正町市場】(高知県中土佐町)

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訪問日:2020年8月21日(金)

目次

メジカの新子とは

高知県の須崎市や中土佐町で、8〜9月下旬頃限定で食べられるという『メジカの新子』。

メジカの新子とは、生後1年未満の『ソウダガツオ』の稚魚のこと。

メジカは『ソウダガツオ』の地方名で、吻部が短くて目が口先に近づいていることが由来だとか。

『ソウダガツオ』は正式名称ではなく、マルソウダ、ヒラソウダという2種類の魚の混称だそうです。

この近辺ではマルソウダを「クロス」、ヒラソウダのことは「シロス」や「スマ」と呼ぶようです。

色々呼び名があって混乱しますね。笑

メジカの新子と言っても、クロスの新子もシロスの新子もありますが、ここではどうやら主に『クロス(マルソウダ)の新子』の方がメインのようです。

ソウダガツオはどちらも血液中にヒスチジン(ヒスタミン中毒の原因物質)が多いため、鮮魚としてより、主に宗田節などの加工品として流通しています。

ヒラソウダの新鮮なものは鮮魚として利用されるそうですが、マルソウダは血合い部分が多いために特に鮮度の低下が早く、新鮮でも生食は避けられているとか。

そのマルソウダも、この地域では新子のうちは刺身として好んで食べられており、全国的にもかなり珍しい食文化だそうです。

しかし鮮度の落ちる早さはサバの2〜3倍らしく、朝釣ったものは昼までに食べた方が良いといわれています。

この地域で広く食べられるようになったのも、鮮度管理の技術が高まった20年ほど前からだとか。

そのため県外には流通せず、近くの高知市内ですら提供しているお店は一部のみという印象。

限られた場所、そして短い期間のみお目にかかれることから、”幻の味”とも称される希少なグルメ。

私は4年前に初めて食べましたが、一度食べると忘れられない驚きの美味しさ。

毎年メジカの時期が来ると、あの感動を思い出します。

久礼大正町市場

今年はどうしても食べたくなったので、メジカの新子を求め、中土佐町の『久礼大正町市場』を訪問。

こちらの市場ではこの時期色んなお店でメジカの新子の販売を行っており、まるでお祭りのように賑わいます。

近年はどんどん有名になっていて、価格は高騰し、週末には行列が出来て早くに売り切れたりと大人気だそうです。

ただどれだけ早くに行っても、買えるかどうかはその日の漁次第。

水揚げがなければもちろん出会えません。

水揚げがあった場合でも、販売開始時間はその日の漁の状況次第で、早くて9時頃、遅いと12時頃になる日もあるとか。

今年は7月から水揚げされていて、その頃から問い合わせも多かったそうです。

久礼大正町市場の公式ツイッターではメジカについての情報発信も行っています。

ちょいちょい確認していましたが、8月上旬頃は水揚げが少ない日も多くて不安でした。

しかし中旬くらいには結構数も増えてきたようです。

混雑状況

今回はお盆明けの平日に行ってみることにしました。

市場には朝9時頃に到着しましたが、この時かなり空いていました。

この時間から既にメジカの新子の販売を開始しており、無事購入することができそうで一安心!

この時間ではまだこちらのお店しか売っていませんでしたが、この後他のお店でも続々と販売を開始していました。

メジカの新子は目の前で捌いたものをパックに詰めて販売してくれる他、市場内にある食堂など店内で食べることも出来ます。

しかし今年は新型コロナウイルスの影響で、繁忙期にあたる今の時期、食堂の営業を自粛しているため、空いてるスペースや車などで食べるというスタイル。

この時は少しだけ待ちが出来ていて、名簿に名前を書いて待っていました。

混雑時は整理券の配布も行なっているようです。

価格は漁獲量でも変わるようですが、この日は1匹で600円(税込)。

せっかくなので2匹分を購入し、目の前で捌いていただきました。

ヒラソウダとマルソウダ

捌く前のメジカの写真も撮らせていただきました。

ヒラソウダとマルソウダの見分け方はいくつかあるようです。

胸甲部という硬い鱗のある部分が、ヒラソウダでは第一背鰭と第二背鰭の間で急激に細くなっているのに対し、マルソウダではそれほど細くならないという点や、エラ蓋上部にある黒色部がヒラソウダでは背部の黒色域と離れているのに対し、マルソウダでは繋がっていることから、こちらは多分マルソウダの新子だと思います。

手際良く捌かれていくメジカの新子。

中土佐町ではメジカの新子を捌く際、皮も血合いも取るのが主流のようですが、お隣の須崎では皮や血合いを少し残すことが多いそうです。

感想

外は灼熱の暑さで汗が止まらなかったので、今回は車の中でいただくことにしました。

すぐに食べられるように、「ぶしゅかん」の皮を削ったものをたっぷりまぶし、醤油をかけていただきました。

この「ぶしゅかん」というのは、正式名称『餅柚(もちゆ)』という酢みかんの一種で、高知県ではよく食べられるご当地柑橘。

同じような名前の「仏手柑(ぶっしゅかん)」という、まさに仏の手のような独特の形状の柑橘もありますが、これとは別物だそうです。

メジカの新子にはこのぶしゅかんの皮と、果汁を絞り入れた醤油の組み合わせが定番とのこと。

シャキシャキとしたリュウキュウ(ハスイモの茎の部分)を添えることもあるとか。

身はモッチリとした弾力にねっとりした舌触りがあって、独特すぎる食感。

そしてあっさりしてそうな赤身でありながら、味わいは結構濃厚。

新鮮なこともあって臭みも無く、一口味わうともうクセになって止まらなくなります。

ぶしゅかんも相性抜群。

見た目はすだちのようですが、サイズはやや大きめで、香りはすだちより控えめ。

程よい爽やかさとキレの良い酸味があり、後味がさっぱりとします。

相変わらずの美味しさ。

このためにわざわざ高知まで来て良かったと思えます。

そしてメジカの新子だけでなく、かつおの刺身710円(税込)も購入。

身は厚切りの大振り、結構量も多いのでこの値段は安いなと感じました。

鮮度抜群の綺麗なピンク色の身。

しっとり柔らかく、さっぱりとした旨味がある上品な味わい。

これもまた美味しい!

添えられたぶしゅかんを絞るのも試しましたが、こちらは普通のわさび醤油で食べる方が好みでした。

メジカの新子の時期以外にも、美味しい魚をお手頃価格で楽しめる魅力的な市場なので、個人的に高知旅行の際は必ず訪れるスポット。

高知市にある定番のひろめ市場も好きですが、こちらはまた違った魅力があります!

他にも串焼きや久礼天、ところてんなど色んなお店を巡ったので、それについては各お店毎にブログを書きたいと思います。

ご馳走様でした!

公式サイト等

公式サイト

久礼大正町市場 | 高知で鰹を食べ...
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この記事を書いた人

日本全国で食べ歩き旅行を楽しんでいます。
特にご当地グルメや郷土料理、名産を活かした料理の提供店を中心に巡っています。
こちらのブログではお店についてや味の感想だけでなく、ご当地グルメや郷土料理の特徴・歴史についての情報も詳しく解説しております。

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