訪問日:2023年5月1日(月)
水戸藩らーめんとは
「水戸黄門」として知られる、水戸藩第2代藩主「徳川光圀」が食べたラーメンを再現したという、水戸の町おこしで生まれた『水戸藩らーめん』。
新横浜ラーメン博物館によると、現在日本で最古のラーメンの記録とされているのは、室町時代の1488年に食べられたという中華麺「経帯麺」で、この麺にはかん水が使われており、レシピは現代のラーメンの麺とほぼ同じだったそうです。
しかし 2017年7月に発表されるまで、日本で最初のラーメンは元禄十年(1697年)6月16日の「日乗上人日記」の記録をもとにした、明国の儒学者「朱舜水」が光圀の接待でふるまった汁そばというのが定説だったそうです。
黄門様が初めてラーメンを食べたという話題を一過性にしてはもったいない、水戸の町おこしになるのでは?といった思いから、水戸市の製麺業者「有限会社川﨑製麺所」が中心となり、水戸市内の飲食店と日本で最初のラーメンを再現するために「水戸藩らーめん会」が発足。
初代会長は水戸市内の中華料理店「金龍菜館」の店主遠藤馨輝氏で、監修は水戸市柵町の「大塚屋」で長年黄門料理の研究をされていた大塚子之吉氏に依頼したとのこと。
文献をもとに出来る限り再現したレシピは、蓮根を練り込んだ麺、火腿でダシをとったスープ、ラッキョウ・ニンニク・ニラ・ネギ・ショウガの五辛薬味を添えたもの。
「水戸藩らーめん」として1993年3月に商品化に成功し、翌年2月にはお土産用の「水戸藩らーめん」の販売を開始。
「有限会社川﨑製麺所」の公式サイトによると、2023年7月に確認した時点で、水戸市内のお店5店舗(金龍菜館、中華料理鈴龍、中華料理石田屋、大興飯店、宝珍楼)と、東京都三鷹市の「杏苑」、京都府京都市の東映映画村「喜らく」が「水戸藩らーめん会加盟店」として掲載されていました。
しかしこれらの加盟店を調べてみると、実際にはほとんどの店舗が閉店していて、今も営業しているのは「中華料理石田屋」と「喜らく」くらいしか確認できませんでした。
お土産商品については現在も「有限会社川﨑製麺所」から販売されていて、公式サイトではネット販売もしていました。
中華料理 石田屋
私は2017年に「大興飯店」というお店で食べたことがあり、美味しかったので水戸に来たらまた別のお店にも行ってみたいと思っていました。
ちなみにその「大興飯店」も現在は閉店しているようです。
なので今回は『中華料理 石田屋』というお店を訪問。
こちらは昭和22年(1947年)に創業したお店で、現在は3代目になるとのこと。
先代の2代目は水戸藩らーめんの開発にも携わり、水戸藩らーめん会の副会長も務めたそうです。
アクセス
場所は水戸駅から徒歩20分弱の距離。
駐車場は店舗の西側50mくらいの場所に3台分ありました。
混雑状況
この日は平日の月曜日、お店には13時20分頃に到着。
この時先客は2人のみで空いてました。
この時もうご飯物は全部売り切れで、私が注文した時点でスープも売り切れ、直後に閉店したのでギリギリのタイミングでした。
メニュー・商品ラインナップ
目当ての水戸藩らーめんは単品の他、セットメニューや夏季は冷やしバージョンもあるようです。
今回は単品を注文。
感想
【水戸藩らーめん】1000円(税込)
こちらのお店のスープは鶏ガラを使ったあっさりしょうゆスープで、トッピングには鶏チャーシュー、椎茸、チンゲンサイなど。
麺は黒っぽい色味が独特の蓮根を練り込んだ麺、そして別皿には五辛薬味(ラッキョウ・ニンニク・ニラ・ネギ・ショウガ)。
薬味は一気に入れて混ぜるそうで、香りが飛ぶから胡椒は入れない方がいいとのこと。
スープは程よいコクがあるまったりした味わい、麺はプリッともっちりした食感で太めの縮れた形状。
チャーシューはしっかりめの味付け、椎茸はよく味が染みてほんのり甘辛。
最初は薬味無しで食べていましたが、薬味を入れると一気に味が激変。
ニラとニンニクの風味に、じんわり生姜の効いた後味に。
今では貴重になった水戸藩らーめん、こちらのお店ではいつまでも続けて欲しいですね。
ご馳走様でした!
公式サイト等
食べログ
石田屋水戸藩らーめん
029-226-8966
茨城県水戸市柳町1-6-23
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