訪問日:2023年4月30日(日)
『ぬれせんべい』とは
千葉県銚子市で誕生し、現在銚子の名産品となっている『ぬれせんべい』。
千葉県銚子市は米と共に醤油の名産地であり、古くから煎餅を作るところが多かったそうです。
『ぬれせんべい』は煎餅の生地を焼いた直後の熱いうちに醤油に浸けて作られる、一般的なせんべいとは異なるモチッとした柔らかな食感が大きな特徴。
発祥のお店は大正4年(1915年)に創業した『柏屋』。
ぬれせんべいは柏屋の2代目が考案し、1960年頃から規格外品の「おまけ」として頒布し始め、1963年に商品化したとのこと。
「ぬれせん」は柏屋の登録商標になっているそうですが、他のお店でも「ぬれせんべい」や「ぬれ煎餅」などの名称で販売されています。
銚子電鉄 ぬれ煎餅駅
今回お土産にぬれせんべいを買いに訪れたお店が、銚子市の小浜町にある『銚子電鉄 ぬれ煎餅駅』。
店名から誤解しますが、電車が止まる駅という訳ではなく、鉄道会社である「銚子電気鉄道株式会社(通称:銚子電鉄)」が直営する、あられ・煎餅の直売店。
銚子電鉄は大正2年(1913年)に地元有志によって設立された銚子遊覧鉄道が母体で、第一次大戦中に廃線となった後、大正12年(1923年)に復活した地方鉄道。
通勤、通学、観光客はもちろん、ヤマサ醤油の輸送業務を行う貨物路線としても活躍したそうですが、高度成長期以降のモータリゼーションの波に押されて厳しい経営状況が続いていたそうです。
そこで平成7年(1995年)9月より、犬吠駅に売店を開業し、ぬれせんべいの製造販売を開始。
平成10年(1998年)には親会社の倒産により連鎖倒産の危機を迎えたそうですが、副業で始めたぬれせんべいが多くのメディアに取り上げられたことで、副業売上げが本業を上回る形で危機を乗り切ったとのこと。
しかし平成18年(2006年)には当時の社長に横領が発覚し、再び倒産の危機に直面。
不祥事ゆえに補助金等の公的支援を受けられないという状況に陥り、新たな資金調達が殆ど不可能だったことから、何とかしてインターネットでのぬれ煎餅の売り上げを増やそうと、「ぬれ煎餅を買ってください!!電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」という異例のお願い文を出したことで全国から注文が殺到し、最終的に倒産の危機を回避。
その後も東日本大震災で観光客が激減し、鉄道収入も大幅に減少して未だ業績は回復しないそうですが、ぬれ煎餅事業は好調に推移していて、より多くの需要に対応すべく、新工場を立ち上げると共に「せんべい博物館」ともいえる『銚子電鉄 ぬれ煎餅駅』を平成26年(2014年)6月に開業するに至ったそうです。
アクセス
お店の近くには駅は無く、銚子駅からは車で10分ちょいの距離。
駐車場は店舗前にありました。
混雑状況
この日は日曜日、お店には16時前に訪問。
この時店内には先客10人以上はいた印象。
メニュー・商品ラインナップ
ぬれ煎餅の手焼き体験というのもあるようでしたが、今回はお土産のみ購入。
店内にはぬれ煎餅だけでなく様々な商品が販売されていました。
今回は『銚電のぬれ煎餅 濃い口味・5枚入』500円(税込)と、『まずい棒 ぬれせんべい味(10本入)』378円(税込)、『まずい棒 コーンポタージュ味(10本入)』を購入。
感想
『銚電のぬれ煎餅 濃い口味』は銚子電鉄の鉄道収入減少を補うために鉄道員が考案し、最初に販売したぬれ煎餅で、銚子特産醤油の旨みを活かした濃い口味になっているとのこと。
コクのある甘じょっぱい味付けと、グニッとモチッとした独特な食感がクセになる美味しさ。
『まずい棒』は経営状況がまずいことにちなんで作られたスナック菓子で、味がまずいわけではないとのこと。
2018年8月3日(破産の日)より販売を開始したそうで、「ぬれ煎餅」に次ぐヒット商品となり、累計400万本を突破したそうです。
「うまい棒」に似たタイプのお菓子で、ぬれせんべい味は醤油味という感じ、コーンポタージュ味はうまい棒でもお馴染みですが、こちらの方が甘さ控えめの印象。
友人のお土産などに買っても面白そうですね。
まずい棒も美味しかったですが、特にぬれ煎餅が美味しかったので、次回は他の味も色々購入してみたいと思います。
ご馳走様でした!
公式サイト等
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銚子電鉄 ぬれ煎餅駅
0479-26-3852
千葉県銚子市小浜町1753-1
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