訪問日:2025年6月20日(金)
板そばとは
山形県は豊かな水、寒暖差の大きい気候などそばの生育に適した風土を持つことから、有数のそばの産地として知られており、古くから「かいもち(そばがき)」や「そば米(そばの実)」などが食べられてきたとのこと。
麺状の「そば切り」が売られ始めてからは山形にもその技術が伝わり、各地で独自の発展を遂げて多種多様な食べ方が誕生。
「板そば」、「冷たい肉そば」、「ゲソ天そば」、「月山山菜そば」など、個性的なそばの名物が多いことも山形県の特徴です。
基本的に県内のどこでも美味しいそばが食べられますが、特にそば店が集中している地域は「そば街道」と呼ばれており、その数は実に10以上もあるといわれています。
山形のそばの中でも特に代表的なのは、村山地域などの内陸部で食されてきた「板そば」。
長い板や木箱の上に1人前から数人前を盛り付けることが特徴で、特に決まりはなくお店によって様々ですが、そばは太くて黒っぽい「田舎そば」が多いそうです。
「板そば」は田植えや稲刈りなどの農作業を大勢で協力して行った後、親戚や近隣の家にそばを振る舞う風習「そば振る舞い」が由来といわれています。
長い板や木箱に盛った方が大勢で一緒に食べられることや、蒸篭(せいろ)よりもそばに適度な水分が保たれることが理由と考えられているとのこと。
手打蕎麦おんどり

今回この「板そば」を食べに訪れたお店は、山形県村山市山の内にある『手打蕎麦おんどり』。
オープンは1996年で、「最上川三難所そば街道」の加盟店でもあります。
こちらのお店のそばは、自家栽培の玄蕎麦を石臼で挽き、葉山の湧水で打つ手打ちそば。
そばの実を丸ごと挽いた挽きぐるみを使い、黒くて風味豊かな「太打ち田舎そば」、外皮を取り除いた丸抜きを挽いた、白くて喉越しの良い「細打ちそば」、そのどちらも楽しめる「合もり板そば」がとても魅力的。
以前から行ってみたかったお店で、今回初訪問です。
アクセス
お店の場所はかなり山奥で、近くに駅は無く、今回は車での訪問。
駐車場は店舗横にありました。
混雑状況
この日は平日の金曜日、お店には12時10分頃に訪問。
この時店内は先客2組で空いていました。
メニュー・商品ラインアップ

今回は目当ての『合もり板そば』を注文!
感想


【合もり板そば】950円(税込)
「太打ち田舎そば」はかためで噛み応えがあり、そばの風味も甘味も強く、つゆと絡めてもそば本来の味わいがしっかり主張する感じ。
「細打ちそば」はモチッと感と適度な歯応えがあり、上品なそばの風味が香り、つゆとの馴染みが良くバランスが好み。
つゆはキリッと醤油が利いた濃口で、芳醇な出汁の風味も相まってとても美味しいです。
そば湯は白濁してとろみもあり、香り高いそばの風味とまろやかな甘みが楽しめました。
優しい味付けでプリコリ食感のキクラゲや、さっぱりシャキシャキの漬物、昆布の風味豊かな大根の煮物、副菜も美味しかったです。
1000円未満のお手頃価格なのも満足度が高く、お気に入りのお店になりました。
ご馳走様でした!
公式サイト等
食べログ
おんどりそば
0237-57-2552
山形県村山市大字山の内255-1
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