訪問日:2024年9月2日(月)
秋田長屋酒場

秋田県秋田市中通にある、大きなナマハゲの面がインパクト大の郷土料理店『秋田長屋酒場』。
こちらは様々なジャンルの飲食チェーン店を展開している、秋田県秋田市に本社を置く「株式会社ドリームリンク」が運営しているそうです。
当初のオープン年は調べてみてもよくわからなかったのですが、2017年1月28日に店舗が火事で全焼したそうで、現在の店舗は2018年4月13日にオープンしたとのこと。
2024年には食べログの居酒屋百名店に選出されています。
郷土料理と地酒、地場食材にこだわった豊富なメニューラインアップが魅力的で、今回初訪問。
アクセス
場所は秋田駅西口から徒歩5分くらいの距離。
駐車場は近隣コインパーキングを利用。
混雑状況
この日は平日の月曜日、お店には21時半頃に訪問。
この時団体客の案内のために入店まで少し待ち時間がありましたが、10分弱で入れました。
店内はお客さんも多く結構混んでいましたが、予約無しでも入店出来て良かったです。
ちなみにこの日はもう時間が遅かったので見れませんでしたが、毎晩20時頃にはナマハゲ様が店内を闊歩するそうです。笑
週1回は秋田民謡も開催しているとのこと。
メニュー・商品ラインアップ






感想

ドリンクは「ウーロン茶」539円(税込)を注文。



お通しは1100円(税込)とかなり高めですが、ミニすき焼き的なものと、冷奴、あと箸置きも秋田銘菓の「もろこし」になっていて、とても豪華でした。


【しょっつる鍋 小鍋】2739円(税込)
しょっつる鍋とは
「しょっつる」は秋田に伝わる伝統的な魚醤で、石川の「いしる」や香川の「いかなご醤油」と並ぶ「日本三大魚醤」の一つといわれています。
魚醤は魚を塩と共に漬け込み発酵させた液体調味料。
「しょっつる」は主に秋田県の県魚にも指定されている「ハタハタ(鰰)」を使って作られ、江戸時代初期からの歴史があるといわれています。
「ハタハタ」は民謡「秋田音頭」にも唄われ、「ハタハタがないと正月が迎えられない」といわれるほど秋田県民の生活に密着してきた魚。
通常は水深500メートルの深海に住む魚ですが、雷が鳴って海が荒れる11月後半から12月にかけてのわずかな期間のみ、産卵のために大群で近海に現れることから、別名「カミナリウオ」とも呼ばれています。
「ハタハタ寿司」などの郷土料理をはじめ、伝統的な魚醤「しょっつる」にも使用し、干物、塩漬け、糠漬け、麹漬けなどの加工食品も古くから保存食として親しまれてきたとのこと。
元々漁獲量は1万トンを超えていたそうですが、乱獲や日本海の水温の変化、産卵のための藻場が不足していたなど様々な要因で、1970年代から漁獲量が激減。
平成4年9月から平成7年9月までの3年間には全面的に禁漁を実施し、解禁後も漁獲量に上限を設定、禁漁区の拡大や操業期間の短縮など、厳しい管理のもとで漁業を行い、平成11年には、青森・秋田・山形・新潟県の関係漁協の間で「北部日本海海域ハタハタ資源管理協定」を締結。
秋田県内では更に厳しい漁業調整規則による制限を設けて資源管理を徹底し、ハタハタが産卵・孵化しやすい環境を整えたり、種苗生産と放流も実施するなど、様々な取り組みが続けられているとのこと。
伝統的なしょっつるではハタハタが使用されますが、現在では漁獲量が多く安価な点や鮮度を重視し、アジ、イワシ、サバを使ったしょっつるなども作られており、それぞれ味に個性があるようです。
しょっつるベースの出汁に具材にもハタハタを入れた鍋料理「しょっつる鍋」は、秋田の冬の郷土料理の代表格。
上品な味わいのハタハタの身とプチプチとした魚卵「ブリコ」に、具材は豆腐、ネギ、白菜などが入りますが、発祥地の男鹿ではシンプルにハタハタだけの汁を食べるそうです。

具材は魚卵入りの大きなハタハタに、きのこ、豆腐、しらたき、ネギ、ナス、白菜、せり?など。
出汁は少し塩気が強めでしょっぱいですが、その分凝縮されたような魚介の旨みも効いており、具材にもよく味が染みていて美味しいです。
ハタハタは身も旨味が濃くホロッとしっかり食感、卵はブチブチと噛み応えがあり、こちらも美味しかったです。

【とんぶり】594円(税込)
とんぶりとは

「とんぶり」はアカザ科ホウキギ属の一年草「ホウキギ」の実を加熱加工したもので、収穫時期は10月から11月。
大きさは直径1〜2mm程度、深緑色の粒状で、味は無味無臭ですがプチプチとした食感を楽しむ食材として使われることが多く、「畑のキャビア」とも呼ばれています。
「ホウキギ」は古くから掃除用の「ほうき」として栽培されていた植物で、別名「コキア」でも知られており、秋には綺麗に紅葉し、観賞用としても親しまれています。
国内で商品として「とんぶり」を継続して生産・出荷している産地は秋田県大館市のみといわれており、平成29年5月26日には「地理的表示保護制度(GI)」に登録。
「地理的表示保護制度(GI)」は、その地域ならではの自然的、人文的、社会的な要因の中で育まれてきた品質、社会的評価等の特性を有する産品の名称を、地域の知的財産として保護する制度です。
名前の由来は、ハタハタの卵のぶりこに似た中国の唐伝来のもので「唐ぶりこ」が鈍り「とんぶり」になったという説が有力といわれています。
原産地は中国、南アジア、ヨーロッパなどで、日本に渡来したのは平安時代といわれており、江戸時代の文献「農業全書」や「歌謡」にはホウキギの栽培についての記録が残っているそうです。
タンパク質や脂質、炭水化物、食物繊維、β-カロテン、ビタミン類、ミネラルなど栄養豊富で、昔から利尿、強壮に効果があるといわれているとのこと。
食べ方は納豆に混ぜたり、短冊切りや細切りにした長芋にかけるのが定番で、クセがないことからサラダやパスタなどに和えたりトッピングするなど、様々な料理に応用されるそうです。
こちらはとろろとうずらの卵にトッピング。
ほんのり青っぽい風味は感じますが、苦味やクセのない淡白な味わいで、プチプチ食感がクセになります。

【あみこ茸煮】704円(税込)
あみこ茸とは
和名「アミタケ」というヌメリイグチ科ヌメリイグチ属のきのこで、アミコ、イクチ、シバタケ、スドオジという別名があるとのこと。
マツ林の地上に発生し、きのこ狩りの対象として全国的に人気が高いポピュラーな食用きのこ。
名前は傘の裏側が網模様の管孔になっていることが由来。
通常時は黄褐色ですが火を通すと強いヌメリが出て赤紫色になり、味はサッパリした風味と歯切れの良い独特の食感が特徴。
汁物、和え物、酢の物、煮物などで食べられているそうです。
プリシャクっとした弾力と歯切れの良さを兼ねた食感でクセのない味わい。
甘辛まろやかでコクのある味付けに、サッパリとした大根おろしが相性抜群でした。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://marutomisuisan.jpn.com/nagaya-akita
食べログ
秋田長屋酒場
050-5457-7745
秋田県秋田市中通4-16-17
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