訪問日:2025年6月19日(木)
冷やしラーメンとは
山形県発祥といわれているご当地ラーメンの一つ「冷やしラーメン」。
「冷やしラーメン」は冷やし中華とは異なり、通常のラーメンと同様に、たっぷりのスープに麺が浸った冷製のラーメン。
近年では全国のラーメン屋の夏季限定メニューとして定番になっていますが、昔から食べられていた地域は全国にいくつかあり、山形はその代表格。

どこのお店が最初かについては諸説ありますが、山形においては山形市本町にある「栄屋本店」が元祖といわれています。
山形は東北地方なので涼しいイメージがありますが、山形市は盆地特有の蒸し暑さで夏は特に気温が上昇し、かつての最高気温記録40.8度を計測。
「栄屋本店」は昭和7年(1932年)にそば屋として創業し、昭和24年(1949年)に中華そばをメニューに加えたところ、「冷たいそばがあるのに冷たい中華そばは作れないか?」という要望があったとのこと。
牛肉を醤油で煮た後に一晩冷やし、固まった油を取り除いた後、鰹と昆布の出汁を入れて、ブレンドした植物油でコクを出すことで固まらないスープを完成させ、昭和27年(1952年)に「冷しらーめん」としてメニュー化したそうです。
山形では老舗でも冷やしラーメンを当たり前に提供しているお店が多く、古くから親しまれてきたことがわかります。
山形の他にも各地で冷やしラーメンは異なる背景で誕生しており、古くから知られている地域で代表的なものは以下の通り。
【福島県】
坂下町の「食堂いしやま」にて、昭和27年(1952年)2月に「スルスルと食べれて身体の熱を下げる食べ物を。」と風邪をひいたお客さんからの注文があり、先代の福地ミナさんが考案。
【静岡県】
藤枝市の「マルナカ」にて戦前から提供されていたといわれており、夏の暑い日に常連の女性客に「中華そばは熱くて食べられない」と言われ、水で洗った麺を冷めたスープに入れて出すと喜んでもらえたことから、後に改良を加えてメニューに追加。
【新潟県】
長岡市栃尾地域にある昭和10年(1935年)創業の「鈴多食堂」が1950年代から「冷丼(ひやどん)」という名前で提供を始めたといわれており、お皿に入れて食べる冷やし中華と区別するため、丼という言葉を使ったのが名前の由来。
栄屋本店

今回訪れたお店は、上述の冷やしラーメン発祥の店『栄屋本店』。
初代店主は山形県天童市の生まれで、13歳で山形の老舗そば屋で12年の修業をし、現在地である山形市本町にて昭和7年(1932年)に「蕎麦屋栄屋本店」として創業。
本店の他、北山形駅前には分店もあるようです。
『栄屋本店』は2017年に一度行ったことがあり、今回久しぶりの再訪です。
アクセス
場所は山形駅から徒歩20分ちょいの距離。


駐車場は隣の「三浦人形店」の裏に4台分あり、近くにはコインパーキングもあります。
混雑状況
この日は平日の木曜日、お店には17時20分頃に訪問。
この時満席で外待ちは2人、満席時は店頭にある名簿に記名制で、待ち時間は5分くらいですぐに入れました。
メニュー・商品ラインアップ




冷やしラーメンはバリエーション豊富ですが、今回は懐かしくなり、前回と同じ基本の「冷しらーめん」を注文!
感想

【冷しらーめん】1000円(税込)
和風出汁にほんのり甘さが利いた、あっさりながらコクのある味わいのスープ。
氷も入っていますがキンキンに冷えた温度ではなく、食べやすい冷たさでサッパリ美味しいです。
麺はコシが強い食感の太麺で、一般的なラーメンよりもボリュームがある印象。
少しパサッとした食感でかためですが、チャーシューが牛肉なのも個性的。
今でこそ色々な種類の冷やしラーメンが誕生しましたが、やはり原点ともいえる冷やしラーメンの味は何度食べても格別ですね。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
栄屋本店
023-623-0766
山形県山形市本町2-3-21
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