訪問日:2025年6月19日(木)
洋なし(西洋なし)の生産量日本一の山形県

全国の生産量の7割近くを占める(令和4年収穫量で68%)、山形県を代表する果物の一つ「洋なし(西洋なし)」。
よく「ラ・フランス」という名前で知られていますが、「ラ・フランス」は洋なしの代表的な品種の中の一つであり、実際は他にも様々な品種の洋なしが存在しています。
洋なしの古い起源は中国という説がありますが、西へ移動して分化したものが洋なしになったといわれており、原産地は西アジアや南東ヨーロッパにかけての地域といわれています。
古くは古代ギリシアから栽培されていたそうで、ローマ人によってヨーロッパ各地に普及し、16世紀には500種近い栽培種が作られたそうです。
日本では18世紀のイギリスで発見された「バートレット」という品種が明治初期に導入されたものの、気候が適していなかったため山形県などごく一部の地方にのみ定着し、現在では洋なしは東北地方や信越地方などの寒冷地域で栽培されています。
山形は山に囲まれた盆地であり、昼夜の寒暖差が大きいこと、病害の被害を受けやすい梅雨の時期の降水量が少ないこと、台風の影響を受けにくいこと、肥沃な土壌に恵まれていることなど、洋なしに適した条件が揃っていたとのこと。
山形県では東置賜郡屋代村(現在の高畠町)で1875年に栽培を始めたのが最初といわれており、当初は実ったはずの果実を食べても、石のように硬くてまずかったそうです。
洋なしは収穫後に追熟することで美味しさが増すことで知られていますが、「食べられないので捨てておいたら、時間が経って黄ばんで香りがしてきた。拾って食べるとおいしく、収穫後に熟させることに初めて気づいた」という当時の記録があるとのこと。
その後「バートレット」は缶詰加工用として盛んに作られたそうですが、現在の主な品種である「ラ・フランス」が注目されるようになったのはだいぶ後の話。
「ラ・フランス」は1864年にフランスのクロード・ブランシュ氏が発見した品種で、その美味しさから国を代表するにふさわしい果物として名付けられたそうですが、気候が合わなかったため現在はフランスをはじめヨーロッパではほとんど作られていないようです。
日本に「ラ・フランス」は1903年に入り、山形県では大正初期(1912年頃)に広まっていったといわれていますが、色や形が不揃いである見た目の悪さや栽培の手間から、当時は「バートレット」の受粉樹として畑に細々と植えられていただけだったとか。
しかし1970年頃からは日本各地の道路が徐々に整備されて輸送が発達したため、フルーツの需要は缶詰から生へと変わっていき、一部の人にだけ出回っていたラ・フランスがグルメブームの到来で一気に注目を集めることに。
1980年代から山形県ではラ・フランスの生産振興を図り、官民一体となって栽培技術の開発に取り組み、1988年に出荷の基準日設定の基礎となる収穫期の予測や産地追熟の技術を確立。
現在では「ラ・フランス」の他にも「メロウリッチ」、「オーロラ」、「バラード」、「シルバーベル」など様々な品種が誕生し、品種によって収穫時期や追熟後の食べ頃は異なるものの、9月~12月頃(特に10~11月)が洋なしのシーズンになるようです。

Tento La France Factory(テント ラ・フランスファクトリー)


今回訪れたお店は、山形県天童市の国道13号線沿いにある「道の駅天童温泉」の森林情報館「もり~な天童」内にある『Tento La France Factory(テント ラ・フランスファクトリー)』。

天童市は「ラ・フランス」の日本一の生産地として知られており、こちらは天童の「ラ・フランス」を使用した商品を販売するラ・フランス専門店。
2020年6月13日に「もり~な天童」がリニューアルオープンしたことに伴ってこちらのお店も新しくオープンし、JAてんどうの子会社「株式会社ジェイエイてんどうフーズ」が運営を行っているとのこと。
ラ・フランスを使用したパイやフルーツタルトに、隣の「産直サン・ピュア店」で販売していた大人気の手作りジェラート「Tento」もこちらのお店で販売されるようになったそうです。
今回はさくらんぼのシーズンに山形を訪れたので、洋なしのシーズン外なのですが、人気NO.1というラ・フランスのジェラートは販売しているようだったので、行ってみることにしました。
アクセス
場所は天童駅から徒歩28分くらいの距離。
駐車場は道の駅なのでかなり広めです。
混雑状況
この日は平日の木曜日、お店には15時10分頃に訪問。
この時館内のイートインスペースは5~6割くらい埋まっていた印象で、購入に待ち列は無く、すんなり購入出来て席にも座れました。
メニュー・商品ラインアップ





注文は券売機で食券を購入し、希望のフレーバーをジェラートコーナーで伝えます。
今回はダブルを購入し、人気NO.1の「ラフランス」と人気NO.3の「だだちゃ豆」を選択。
ちなみに人気NO.2は「つや姫」でした。
感想

【ダブル(ラフランス・だだちゃ豆)】500円(税込)
「ラフランス」は芳醇でフルーティな「ラ・フランス」ならではの味わいに、まろやかで上品な甘さのミルクが絶妙に調和した感じで、とても美味しいです。
「だだちゃ豆」についてはこちらの記事に詳しくまとめました。

「だだちゃ豆」は鶴岡産のブランド枝豆で、粒々が混ざったアクセントのある食感、香ばしく濃厚ですが甘さは控えめで、こちらも素材の美味しさが活かされており美味しかったです。
また「ラ・フランス」シーズンの秋にも再訪したいお店、人気NO.2ジェラート「つや姫」も気になります。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://tendo-sunpure.com/pages/tento
食べログ
テント ラ・フランスファクトリー
023-666-3670
山形県天童市鍬ノ町2-3-41 道の駅天童温泉 森林情報館 もりーな天童
コメント