訪問日:2023年11月24日(金)
延岡の秋の風物詩「鮎やな」
かつて内藤藩の城下町として栄えたまちである宮崎県延岡市。
東側は海に面し、東西に流れる五ヶ瀬川など合計4つの川の三角州平野に位置していることから、海と川の両方の漁場を持つことが特徴。
中でも川魚では特に「鮎」が有名。
五ヶ瀬川に毎年10月から12月上旬にかけて設置される、江戸時代から300年以上続く伝統的漁法「鮎やな」は、延岡の秋の風物詩として知られています。
「鮎やな」は産卵のために川を下る鮎の習性を利用し、川をせき止めてその一部に流れ口を作り、「落て簀(おてす)」と呼ばれる竹のスノコに誘い込む伝統的な漁法。
全国的に見られる漁法ではあるものの、川幅が100mを超える箇所があり、市街地の近くに架設される鮎やなは非常に珍しく、国内最大級の壮大なスケールを誇るとのこと。
水質が最も良好な川として、2013年から10年連続選ばれている五ヶ瀬川で育つ延岡の天然鮎は絶品で、河原で鮎を焼く五ヶ瀬川の名物「鮎焼き」は、環境省が残したい日本の風景を選定する「かおり風景百選」に選出されているそうです。
毎年鮎やな架設期間中には鮎やな食事処もオープンし、獲れたての鮎を使った塩焼きや味噌焼き、せごし、鮎飯など、様々な鮎料理が満喫出来ます。
鮎やなの見学も楽しみつつ、美味しい鮎料理を食べたいと思い、秋の延岡に行ってきました。
鮎やな ささき
今回訪れたお店は、宮崎県延岡市にある食の拠点施設「かわまち交流館」にて、期間限定営業する『鮎やな ささき』。
こちらは延岡では有名な老舗の料亭である「本家ささき」が運営する鮎やな食事処で、2024年は9月28日~12月1日の期間で営業。
「本家ささき」は2020年4月からは宮崎のご当地グルメ「辛麺」で有名な「株式会社桝元」のグループ店として営業しているそうです。
アクセス
場所は延岡駅から徒歩44分、車で10分の距離。
宮崎交通バスセンターから約10分・平の前バス停から徒歩3分。
駐車場は堤防下の河川敷にあります。
混雑状況
この日は平日の金曜日、今回は2週間くらい前に予約をしてからの訪問。
この時店内はかなり混んでいたので、予約をしておいて良かったです。
メニュー・商品ラインナップ
残念ながら不漁のため天然鮎の提供は無し、養殖のみになるようです。
コースメニューも色々ありますが、今回は気になった料理を単品で注文。
感想
【塩焼(養殖)】900円(税込)
【味噌焼(養殖)】900円(税込)
塩焼はメスでパンパンに卵が詰まっており、味噌焼の方はオスで白子が入っていました。
外はパリパリ香ばしく中はホロッと、塩味は強すぎず上品な味付け。
卵はあっさりホックリした食感で、あっさりと淡白な味わい。
白子はモッチリと弾力のある食感でほんのり脂が乗り、味噌は甘くて濃厚な味付け。
焼き目の香ばしさに味噌の芳醇な味わいが相まってとても美味しかったです。
【うるか食べ比べ】1200円(税込)
「うるか」について知らなかったので調べてみたところ、農林水産省の公式サイトでは大分の郷土料理として紹介されていました。
「うるか」は塩辛のことで、新鮮な鮎の身・内臓を使った「身うるか」、真子・白子を使った「子うるか」、内臓の身を使った「にがうるか」の3種類があるとのこと。
黄色いのは卵のようで、ねっとりと味の濃い数の子のような印象を受ける味。
白いのはプルンともっちりした食感、クセがなくコクのある味わいで柑橘の風味が爽やか。
灰色のものはドロッとした質感で、クセの凄い独特の香りに、全身が震えるくらいの苦味の強さで驚きました。笑
【鮎飯】400円(税込)
鮎の身というより皮が少し入っているくらい、ほんのり甘めで優しい味わいの炊き込みご飯という感じでした。
大葉の風味が爽やかで美味しかったです。
天然の鮎が食べられなかったのは残念ですが、鮎やなは見れましたし、美味しい鮎料理も堪能出来たので満足!
ご馳走様でした!
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