訪問日:2024年1月27日(土)
吉野本葛とは
葛餅などの和菓子、葛湯、胡麻豆腐などの食品、料理の材料などに使われ、奈良県の名物となっている「吉野本葛」。
「吉野本葛」は奈良県の吉野地方で製造された葛粉。
葛粉は秋の七草の一つであるマメ科のつる性多年草の葛の根のでんぷんを水で晒し、精製して作られますが、「吉野本葛」は「吉野晒し」や「寒晒し」といわれる、厳冬期に冷水に何回もさらす江戸時代から続く伝統的な製法で製造されています。
また一般に葛粉といわれるものはサツマイモやジャガイモ、トウモロコシなどのでんぷん粉が混ぜられていますが、葛根から採取した葛でんぷんを100%使用しているものは「本葛」と呼ばれるそうです。
「葛」という名前の由来は、現在でも奈良県吉野地方に「国栖(くず)」という地名があり、「古事記」にかつて国栖の人が葛の根を売り歩いたという記述があって、「葛」と呼ばれるようになったという伝承があるとのこと。
その歴史は古く、元々葛の根は食べ物ではなく薬として利用されていたそうで、奈良時代の木簡に「葛根」と記したものがあり、他の様々な薬草を記した木簡と共に出土しているとのこと。
葛の根には首筋のこりをとる鎮痛作用があり、現在でも漢方薬の「葛根湯」など薬としても利用されています。
お菓子や料理に葛粉が使われるようになった時期は定かではないものの、鎌倉時代~室町時代といわれているそうです。
吉野ではやがて葛粉や葛粉を使った餅などが作られるようになり、吉野詣での人々が「吉野葛」を称賛し、吉野名物になったとのこと。
吉野葛 佐久良
今回訪れたお店は、奈良県奈良市のならまちにあるお店『吉野葛 佐久良(さくら)』。
店主の方は明治8年(1875年)創業の呉服店「染織工芸 二塚」の6代目で、平成14年(2002年)の秋にお店の隣に『吉野葛 佐久良』をオープンしたとのこと。
雰囲気の良い町屋の店舗で、稀少な吉野本葛を100%使用した作り立ての葛きりや葛餅が楽しめる人気店。
以前から気になっていたお店で、今回が初訪問です。
アクセス
場所は近鉄奈良駅やJR京終駅から徒歩12分くらいの距離。
駐車場は近隣コインパーキングになります。
混雑状況
この日は土曜日、お店には13時半頃に訪問。
この時店内はお客さんが多かったですが、まだ空席があり待ち時間無く入れました。
メニュー・商品ラインナップ
今回は同行者と2人での訪問なので、人気NO.1メニューの「葛きり」と人気NO.2メニューの「葛もち」を注文!
抹茶付きのセットもありましたが、季節のお茶または玉露煎茶、ほうじ茶などが付いているので、単品にしました。
感想
最初にお茶と葛粉の干菓子が提供されましたが、カリッとホロッと上品な甘さで美味しかったです。
【葛きり】900円(税込)
平打ち麺状のものが氷水に入っていて、別皿の黒蜜につけていただきます。
作りたての透明感と本葛ならではのもちっとした食感が特徴とのこと。
もっちりグニュンとした少し伸びのある食感、黒蜜はしっかり甘めですがクドさのない絶妙な濃厚仕様、ややとろみもあるのでよく絡みます。
黒蜜は最後に氷を入れて黒蜜氷としても楽しめました。
【葛もち】980円(税込)
注文を受けてから練り上げて作るそうで、ほんのりと温かい状態での提供。
上から黒蜜をかけて、お好みで国産大豆を使用したきな粉につけていただきます。
プルンとした弾力ともっちりした伸びが合わさった食感、黒蜜をかけても葛もち本来の風味がほんのりと広がり、香ばしいきな粉との相性も抜群。
どちらもとても美味しかったですが、個人的には「葛きり」の方が好みという結果でした。
落ち着いた雰囲気の店内に、希少な吉野本葛を使った上質なお菓子、お茶も付いて1000円未満というお手頃価格も魅力的。
ならまちはオシャレで美味しい素晴らしいお店が多いですが、またお気に入りのお店が一つ増えました!
ちなみにこの日は奈良の伝統行事である「若草山焼き」が開催された日で、ならまちや奈良公園はかなり賑わっていました。
冬には珍しい花火も打ちあがるので、また来年も行きたいと思います。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://www.nizuka.com/naramachi.htm
食べログ
吉野葛 佐久良
0742-26-3888
奈良県奈良市高御門2
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