訪問日:2024年4月7日(日)
吉野本葛とは
葛餅などの和菓子、葛湯、胡麻豆腐などの食品、料理の材料などに使われ、奈良県の名物となっている「吉野本葛」。
「吉野本葛」は奈良県の吉野地方で製造された葛粉。
葛粉は秋の七草の一つであるマメ科のつる性多年草の葛の根のでんぷんを水で晒し、精製して作られますが、「吉野本葛」は「吉野晒し」や「寒晒し」といわれる、厳冬期に冷水に何回もさらす江戸時代から続く伝統的な製法で製造されています。
また一般に葛粉といわれるものはサツマイモやジャガイモ、トウモロコシなどのでんぷん粉が混ぜられていますが、葛根から採取した葛でんぷんを100%使用しているものは「本葛」と呼ばれるそうです。
「葛」という名前の由来は、現在でも奈良県吉野地方に「国栖(くず)」という地名があり、「古事記」にかつて国栖の人が葛の根を売り歩いたという記述があって、「葛」と呼ばれるようになったという伝承があるとのこと。
その歴史は古く、元々葛の根は食べ物ではなく薬として利用されていたそうで、奈良時代の木簡に「葛根」と記したものがあり、他の様々な薬草を記した木簡と共に出土しているとのこと。
葛の根には首筋のこりをとる鎮痛作用があり、現在でも漢方薬の「葛根湯」など薬としても利用されています。
お菓子や料理に葛粉が使われるようになった時期は定かではないものの、鎌倉時代~室町時代といわれているそうです。
吉野ではやがて葛粉や葛粉を使った餅などが作られるようになり、吉野詣での人々が「吉野葛」を称賛し、吉野名物になったとのこと。
飛鳥彩瑠璃の丘 天極堂テラス
今回訪れたお店が、奈良県桜井市にある『飛鳥彩瑠璃の丘 天極堂テラス』。
こちらは奈良県吉野地方の旧葛村(現・御所市)に本社を構える「株式会社井上天極堂」が運営するお店。
公式サイトによると、「株式会社井上天極堂」は1854年12月に吉野葛の集荷仲買から始まり、後に吉野晒にて吉野本葛の製造を開始し1870年1月に創業。
1996年11月には吉野本葛のアンテナショップとして奈良県奈良市押上町に「天極堂 奈良本店」をオープン。
店舗は現在本店の他、2024年12月に公式サイトを確認した時点で奈良県内に「JR奈良駅店」、「近鉄奈良駅店」、「近鉄百貨店奈良店」、「橿原店」、「飛鳥彩瑠璃の丘 天極堂テラス」、「本社工場直売店」と合計7店舗あるようです。
今回訪れた『飛鳥彩瑠璃の丘 天極堂テラス』は、吉野本葛を後世へと伝え続けたいという思いのもと、葛を通して日本の食文化にスポットライトを照らす発信拠点として2015年9月にオープンしたそうです。
1階は吉野本葛関連商品を展開するショッピングフロアになっており、2階は葛もち・葛きりなどの和菓子の他、葛うどんや葛カレーなど、葛を使った料理も楽しめるカフェスペースになっています。
アクセス
混雑状況
この日は日曜日、お店には11時40分頃に訪問。
この時1階も2階もお客さんが多かったですが、まだ空席はあり待ち時間無く済みました。
メニュー・商品ラインナップ
せっかくなら葛料理と葛菓子の両方食べたかったので、葛もちと葛うどんのセットを注文!
感想
【冷やし葛うどんセット】1815円(税込)
吉野本葛を練り込み手延べ製法で作り上げたうどん、こちらは冷やしたざるうどんスタイル。
胡麻豆腐と葛もちも付いていますが、葛もちは食後に提供。
細めで平打ちの形状、ツルツルなめらかで喉越し抜群、モチッと適度なコシもありとても美味しいです。
甘辛で濃口のつゆは節類のような豊かな魚介風味があり、薬味で色々味変も楽しめました。
葛もちは出来立てを作ってくれるのでほんのり温かいのが特徴。
箸で持ち上げるだけで切れる柔らかさ、なめらかでとろける口当たり。
コクのある黒蜜はクドさのない甘さで、香ばしいきな粉と間違いない相性の良さ。
葛湯など1階では魅力的な商品もたくさん売っていたので、またお土産を買いに行ってみたいと思います。
各店舗限定のメニューもあるようで、特に奈良本店で予約制という葛の創作コース料理「Kudzuづくしコース」がとても気になります。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
飛鳥彩瑠璃の丘 天極堂テラス
050-5589-9257
奈良県桜井市山田692
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