訪問日:2024年10月31日(木)
ブクブク茶とは
琉球王朝時代に生まれたといわれる、沖縄の伝統的な振り茶「ブクブク茶」。
ブクブクー皿と呼ばれる木鉢に、煎り米を煮出した湯とさんぴん茶、番茶または清明茶を入れ、約20cmの大きな茶筅で泡立て、その泡を少量の赤飯の入った碗にソフトクリームのように盛り、最後に上から炒った落花生をかけるのが特徴。
名前はその特徴的な泡が由来のようで、豊かな泡立ちは沖縄の水がアルカリ分を多く含む硬水であることも関係しているようです。
「福福茶」ともいわれるそうで、飲む時に鼻の頭に泡がつくのをみんなで笑い合いながら飲んでいたことが由来とのこと。
起源については定かではないようですが、一説では天正15年(1587年)に行われた豊臣秀吉の北野大茶会で茶の代用とされた「こがし」(炒った米粉)が、日本の茶道文化とともに琉球に伝わり、王朝でブクブク茶の原型が作られたそうです。
冊封使の接待などに使われ、民間にも普及して飲まれていたという話もあったり、琉球王朝時代のものは今のように泡が豊かではなかったという話もあったり、諸説あるようです。
第二次世界大戦後は道具類が消失したこともあって一度途絶えたそうですが、残されていた道具や資料をもとに有志が研究を重ねて復元されたそうで、1992年には「沖縄伝統ブクブクー茶保存会」が発足したとのこと。
ぶくぶく茶屋 嘉例山房
今回訪れたお店が、沖縄県那覇市の首里池端町にあるお店『ぶくぶく茶屋 嘉例山房』。
店名は「かりーさんふぁん」と読むそうです。
定番の「さんぴん茶」の他、「月桃(サンニン)茶」や「右近(ウコン)茶」、「にがうり(ゴーヤー)茶」など、様々なお茶を「ブクブク茶」で楽しめるお店。
お店のFacebookによると、2016年の投稿で「今年で創業18年」と書いてあったので、1998年にオープンしたんですかね?
こちらのお店では「ブクブク茶」を自分で泡立てる体験も楽しめるそうなので、とても気になり今回初訪問。
混雑状況
この日は平日の木曜日、お店には14時過ぎに訪問。
この時先客は1人のみで空いていました。
メニュー・商品ラインナップ
今回は同行者と2人での訪問。
同行者は定番の「玄米さんぴん茶」を注文したので、私は少し変わり種の「月桃(サンニン)茶」を注文!
感想
【ぶくぶく茶 月桃(サンニン)茶】1500円(税込)
最初に飲む用のお茶とは別に、大きな木鉢と茶筅が入った泡立て用のお茶が提供され、先に泡立てておいてくださいとのこと。
泡立て方のコツを説明しながら、お手本も見せてもらえます。
表面をバシャバシャと泡立てるのをしばらく続け、ある程度泡立ったらそのまま時間を置くことで、泡がかたくてしっかりとしたものに変わっていきます。
提供されたブクブク茶は最初から泡がたっぷりトッピングされ、お茶の他にフルーツ盛りとお菓子も付いています。
泡には上から黒糖ピーナッツをかけていただきます。
泡は玄米茶のような香ばしい味わいで、月桃茶は薬のような独特な風味が広がるものの、爽やかでスッキリとした後味。
「月桃」は熱帯・亜熱帯に自生しているショウガ科ハナミョウガ属の多年生常緑草本で、沖縄では独特の香りを虫除けとして活用したり、種には健胃や整腸効果もあるとされ、古くから薬草として人々に親しまれてきたとのこと。
防腐効果もあるため、気温が高く食材が傷みやすい沖縄では餅やまんじゅう、ジューシー(炊き込みご飯)などを月桃の葉で包む習慣があるそうです。
泡が無くなってきたら追加で乗せて、最後まで泡たっぷりで楽しめます。
お菓子は琉球王国時代から伝わるという代表的な琉球菓子の一つである「コンペン(クンペン)」。
こちらは中国菓子の光餅に由来すると考えられている、小麦粉生地に胡麻と落花生を使った餡を入れた扁平円盤状のお菓子。
サックリとした生地に、ゴマ・ピーナッツの香ばしくコクのある味わいが広がる、お茶にもよく合う大好きなお菓子。
フルーツはピンクグレープフルーツ、パパイア、アセロラ、ドラゴンフルーツ、パイン、ぶどう、ピンクグレープフルーツ、白いのはなんでしょう、グアバ?
ゼリーは爽やかな柑橘系で、シークヮーサーとかですかね?
同行者はお菓子がサーターアンダギーでした。
お茶も少しいただきましたが、どちらも美味しかったものの、個人的には「玄米さんぴん茶」の方が好みという結果でした。
お茶もお菓子も美味しかったですし、何より自分で泡立てるのは貴重な体験でした。
ご馳走様でした!
公式サイト等
食べログ
嘉例山房
098-885-5017
沖縄県那覇市首里池端町9
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