訪問日:2024年3月21日(木)
「せりしゃぶ」・「せり鍋」とは
「せりしゃぶ」・「せり鍋」は、「せり」の根や葉を熱々の出汁にくぐらせて食べる鍋料理。
「せり」は日本原産のセリ科の多年草で、「春の七草」や「七草粥」として親しまれています。
生産量は宮城県が日本一で、名取市観光物産協会の公式サイトによると、県内生産の約8割が名取市で生産されているとのこと。
名取市のせり栽培の歴史は古く、元和年間(1620年頃)から野生のせりの栽培をしていたとする文献があり、安永年間(1770年頃)にはせり栽培の普及が始まったといわれています。
新鮮なせりは生でも美味しく食べられ、ほぼ周年で生産されていますが、9月~3月出荷の「根せり」と4月~6月出荷の「葉せり」に分類されるそうです。
「せりしゃぶ」・「せり鍋」発祥のお店『いな穂』
「せりしゃぶ」・「せり鍋」発祥のお店といわれているのが、宮城県仙台市青葉区中央、仙台駅前の名掛丁センター街にある『いな穂』というお店。
名取市のせり農家「三浦農園」が”地元の旬の食材を地元で美味しく味わってほしい”という思いのもと、賛同する飲食店や消費者らと協力し、2003~2004年頃に生まれた名物で、その際の相談先が『いな穂』だったそうです。
今回は初めて「せりしゃぶ」・「せり鍋」を食べるので、元祖である『いな穂』へ行ってみることに。
オープンは2003年という情報が出てきました。
こちらのお店では「せり鍋」ではなく「せりしゃぶ」という名前で提供されており、提供期間は10月中旬~5月上旬になるとのこと。
店内は席数も少ない小さなお店。
「せりしゃぶ」は特に人気ということもあり、シーズン中は予約必須という情報を目にしたので、今回は訪問日の2週間ちょい前くらいに電話で予約しておきました。
アクセス
場所は仙台駅から徒歩3分くらいの距離。
駐車場は近隣コインパーキングになります。
アーケード商店街の中から細い路地を進んだ先にあり、黄色いのれんが目印ですが、正直お店の近くに来ても最初全然見つけられず、かなりわかりにくかったです。笑
混雑状況
この日は平日の木曜日、お店には予約時間の19時半に到着。
店内の席は4人掛け座敷×2とカウンター6席のみ。
もちろん満席、この後予約なしで来たお客さんは全員断られていたので、やはり予約は必須ですね。
メニュー・商品ラインナップ
今回は同行者と2人での訪問なので、『せりしゃぶ』2人前と『ウーロン茶』を注文!
感想
【せりしゃぶ】1人前1650円(税込)
【ウーロン茶】550円(税込)
鴨の出汁が効いた醤油ベースのつゆに、具材は三浦農園の「せり」のみでとてもシンプル。
生でも食べられるくらい新鮮で、葉の方は2~3秒、根の部分は20〜30秒、食感や風味を損なわないように軽めにしゃぶしゃぶするのがオススメとのこと。
葉はシャクシャクと食感が良く、独特の風味にほんのりと苦みがある後味。
せりそのものの味わいを活かしつつ、つゆの旨味も相まった素晴らしいバランスの良さ。
根の方はザクザクと歯応えのある食感で、意外とクセは感じず、こちらも美味しく食べられます。
個人的には香りが強く感じた葉の方が好みという結果でした。
せりしゃぶには〆も付いていて、雑炊、うどん、餅、ラーメンの中から選べます。
今回は2人前なので〆も2人前付きますが、1人前ずつ別々に注文し、シェアすることも可能だそうです。
今回はラーメンと雑炊を選択。
先にラーメン、麺は人気ラーメン店「だし廊」の自家製麺を仕入れているというこだわり。
〆の頃にはつゆがだいぶ煮詰まっていて、量も少なく、味が濃くなっていましたが、提供時にはつゆを足してくれました。
モチッとコシの良さが際立つ、鍋の〆には使ったことがないくらい、ハイクオリティで贅沢な麺。
つゆがたっぷりしみ込んだ麩も美味しかったです。
雑炊はせりを使っていることもあって少し「七草粥」っぽい感じになるかなと思いましたが、コクのある濃口のつゆにまろやかな卵のハーモニーが素晴らしい、独自の美味しさの雑炊でした。
〆はあったものの、ほぼせりだけの鍋でも十分お腹が満ちて満足!
他のお店の「せり鍋」も食べてみたいですし、せりを使ったパスタ、お寿司、ラーメン、そばなど、宮城県では様々なせりグルメが提供されているので、また食べ歩きを楽しみたいと思います。
ご馳走様でした!
公式サイト等
https://www.instagram.com/inahoseri
食べログ
いな穂
022-266-5123
宮城県仙台市青葉区中央1-8-32 名掛丁センター街
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