訪問日:2023年5月20日(土)
「天むす」とは
海老の天ぷらを具にしたおにぎりで、全国的にも知られる名物「天むす」。
一般的には名古屋の名物として認知されている印象ですが、発祥は昭和30年頃に創業した三重県津市の「千寿」というお店だそうです。
千寿は現在天むす専門店として営業していますが、当時は津市大門伏見通りで天ぷら定食の店を営んでいたそうです。
昭和34年に、初代の水谷ヨネさんが忙しくて昼食を作る暇がない中、せめて夫には栄養のあるものをと、車エビの天ぷらを切っておむすびの中に入れたのが天むすの始まりだそうです。
現在の店名である「めいふつ天むすの千寿」の「めいふつ」という言葉は、天むす専門店として業態変更をした際、必ず天むすを「名物」に育てるという決意を込めて、「めいふつ」と名付けたそうです。
天むすが名古屋に広まったのは、1981年に愛知県名古屋市中区の大須に暖簾分け店が誕生したのがきっかけとのこと。
暖簾分け店は元々1980年まで「藤森時計店」として営業していましたが、不景気の影響で廃業。
昔津で食べた千寿の天むすを思い出し、これを商売にするため作り方を教えて欲しいと願い出たそうです。
最初は断られていたそうですが、1ヶ月通い続けた結果、世間には広めないことを条件に、レシピの伝授と暖簾分けの承諾を得たそうです。
当時は知名度が全くなく、約束を守るために宣伝もしなかったため、なかなか売れなかったとか。
しかし1982年に中部日本放送の情報番組「土曜9時ハンただ今参上!」で紹介されたのをきっかけに、名古屋地区で話題となって爆発的に売れるように。
また、当時名古屋も活動拠点としていた笑福亭鶴瓶さんが来店して天むすを気に入り、手土産として出演者やスタッフ等テレビ局関係者の間に配ったことから、名古屋めしとして全国的にも広まっていったようです。
地雷也
今回天むすを買いに訪れたお店が、愛知県名古屋市東区徳川に本社を構える『地雷也』。
公式サイトによると、昭和62年名古屋サカエチカ街にオープンしたことに始まり、昭和63年に「株式会社地雷也」を設立、同年に東京銀座4丁目に「地雷也 銀座店」出店し、百貨店内での天むすの販売を開始。
現在の本社所在地に本社・セントラルキッチンを移転したのは平成19年だそうです。
店舗は2023年5月に公式サイトを確認した時点で、名古屋に5店舗、東京に7店舗、大阪2店舗、他にも静岡、愛媛、兵庫にも1店舗ずつ展開していて、サービスエリアや駅の売店、空港など様々な場所で商品の取り扱いがあるようです。
元祖である「千寿」と同様に有名な天むす専門店の代表格で、以前から買ってみたかったお店。
今回は朝食に天むすを食べようと思い、朝9時から営業している徳川の本店を訪問。
アクセス
場所は地下鉄「車道」駅1番出口より徒歩15分、市営バス停留所「山口町」より徒歩3分の距離。
駐車場は店舗横にありました。
混雑状況
この日は土曜日、お店には9時半頃に訪問。
この時先客はおらず私のみでした。
メニュー・商品ラインナップ
店内には待ち席があるのみで、店内飲食はやっていないテイクアウト専門店。
目当ての天むすは白米版と黒米版があり、期間限定の青しそ高菜というものもありました。
天むすだけでなく、天むすが入ったお弁当類も色々あります。
今回は白米版天むす5個入を購入。
感想
【天むす 5個入】756円(税込)
1個当たりは一口大と小ぶりですが、5個でおよそご飯1膳分の量になるそうです。
元祖である「千寿」の天むすはえび天がおにぎりの中に入っていて外から見えないタイプで、味付けも塩味ですが、こちらは上部にえび天が飛び出し、醤油ベースの味付け。
どちらかといえば天むすでイメージするのは、この「地雷也」タイプの方が一般的な印象。
また天むすの付け合わせには、ふきの茎を醤油で伽羅色に煮詰めた「きゃらぶき」が付くのが定番ですが、これは「千寿」の初代水谷ヨネさんの旦那さんが、沢庵が苦手できゃらぶきが好きだったというのが理由だそうです。
えび天は濃い茶色ですが、見た目の印象とは裏腹に程よいコクがあるあっさりとした味わい。
買った後すぐに食べたのでほんのり温かく、ふっくらとしたご飯に優しい海苔の風味、えび天はしっとりとややプリッと食感。
きゃらぶきは味付け濃いめでご飯が進む良いおかずです。
個人的に天むすは朝ごはんとして食べたくなるので、名古屋に来たら朝は喫茶店のモーニングか天むすのどちらかが定番になりつつあります。
そしてこの日はモーニングから天むすをハシゴし、幸せでした。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
地雷也本店
052-934-1064
愛知県名古屋市東区徳川1-739
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