訪問日:2025年6月20日(金)
冷たい肉そばとは

山形県西村山郡河北町(かほくちょう)を代表する名物「冷たい肉そば」。
「つったい肉そば」とも呼ばれています。
一般的な肉うどんや肉そばのように、甘辛い牛肉や豚肉をトッピングするものとは異なり、「冷たい肉そば」はコシの強い田舎そばに、コリコリとした歯応えのある親鶏の肉とネギをトッピングし、鶏出汁の冷たいスープが特徴。
その歴史については戦前まで遡るといわれており、諸説あるため定かではないようですが、有名なのは馬肉の煮込みがルーツという説。
昔はそば屋さんが居酒屋を兼ねており、馬肉の煮込みをつまみにお酒を飲み、どんぶりに入れた盛りそばで締めるのが定番だったそうです。
ある時お客さんが残った馬肉の煮込みをそばにかけてみたところ、とても美味しかったため、馴染みのお客さんの裏メニューのような形で広まっていったとのこと。
その後戦争で馬が手に入りにくくなったことから鶏に代わり、締めとして食べる時により伸びにくくてコシがある冷やして食べるスタイルが定着したといわれています。
暑い夏はもちろんのこと、地元では冬でも好んで食べられるといわれており、河北町出身の方は帰省すると開口一番「冷たい肉そば食べっだい」と話すという、地元で愛されるソウルフード。
河北町商工会の公式サイトでは「谷地(やち)の肉そば会」の加盟店を紹介する「谷地の肉そば会パンフレット」を掲載しており、2025年7月に確認した時点で13店舗ありました。
また元々河北町発祥の名物ではありますが、現在では山形の代表的な名物の一つとしても有名で、県内の様々なお店や、県外にある山形料理店でも提供されている印象。
といや

今回訪れたお店は、「谷地(やち)の肉そば会」加盟店の一つ、河北町谷地月山堂にある「冷たい肉そば」と「かつ丼」の人気店『といや』。
創業当初は魚を扱う問屋で、昔は問屋のことを「といや」と読んでいたことから、現在の店名は昔の屋号がそのまま残ったものだそうです。
河北町史には、明治21年(1888年)に「といや」が河北町で初めて洋食を出した記録があるといわれており、100年以上の歴史がある老舗。


こちらのお店は「冷たい肉そば」と共に、河北町谷地名物として知られている「カレー風味かつ丼」の元祖としても有名。
「カレー風味かつ丼」は卵でとじる一般的なかつ丼とは異なり、醤油やソースをベースにしたタレにカレー風味を利かせたかつ丼。
こちらのお店以外でも、「冷たい肉そば」の提供店では定番の人気メニューになっている印象。
まだ食べたことがなかったので、今回元祖であるこちらのお店に行ってみることにしました。
ちなみに店舗は今回訪れた本店の他、寒河江市に「といやほなみ分店」もあるそうです。
アクセス
お店の近くに駅は無く、今回は車での訪問。
駐車場は店舗の両隣にあり、合計30台分あるようです。
混雑状況
この日は平日の金曜日、お店には11時10分頃に到着。
まだ開店間もない時間でしたが、既に満席のようで、名簿を確認したところ2組4人待ち。
待ち時間は10分ちょいで入れました。
メニュー・商品ラインアップ



名物の肉そばとかつ丼を両方楽しめる魅力的なメニューがあるので、今回はこちらを注文!
感想

【肉そば(冷)ミニかつ丼】1350円(税込)

「肉そば」はあっさりながら甘さとコクのある旨みが利いた和風味のスープに、麺は太めで歯切れの良さと弾力を兼ねたコシの強い食感。
鶏肉は少しパサついていてかたいですが、特に皮の部分がコリコリで旨みが濃く、とても美味しいです。

かつ丼は揚げたてでサクサクの衣に、少しかためで脂控えめの肉質。
こちらのお店では醤油ベースにカレーを利かせているそうですが、辛さはそんなに強くないものの、カレーのスパイス風味がいいバランスでとても美味しかったです。
かつ丼はミニサイズですが十分楽しめ、肉そばは麺量もボリューム満点で食べ応えのある食感が魅力的、大満足のセットでした!
ご馳走様でした!
公式サイト等
食べログ
といや
0237-72-3720
山形県西村山郡河北町月山堂392-1
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