訪問日:2024年1月27日(土)
「飛鳥鍋」とは
鶏肉と野菜を、牛乳とだし汁で煮込んだ奈良県の郷土料理「飛鳥鍋(あすかなべ)」。
歴史については農林水産省の公式サイトに以下のように書いてありました。
飛鳥時代に唐から奈良へやってきた使者が練乳に似た乳製品を伝え、孝徳天皇へ献上したところ大変喜ばれ、乳牛が宮中で飼育されるようになった。
飛鳥鍋 奈良県 | うちの郷土料理:農林水産省
これが日本における牛乳飲用のはじまりになったといわれている。
当時は貴族の飲み物だったが、僧侶たちも密かに飲むようになり、そのうち飼っていた鶏の肉を牛乳で煮て、食していたものが「飛鳥鍋」の起源といわれている。
それが時代とともに庶民の間に広がったが、当時の牛乳は高価なものであったため、飼っていたヤギの乳を使っていた。
昭和初期に、明日香の名物料理として地域の産品である牛乳を使った現在の「飛鳥鍋」のかたちが考案された。
日常的に家庭で食べられる他、飲食店や学校給食でも提供されているそうです。
近年は牛乳の代わりに豆乳を入れてアレンジを加えた「大和鍋」という料理も食べられるようになっているとのこと。
めんどや
今回「飛鳥鍋」を食べに訪れたお店は、奈良県高市郡明日香村にあるお店『めんどや』。
正確な創業年はわからないようですが、100年以上は営業しているという老舗で、明日香村では最古の食事処といわれているそうです。
創業者夫婦がたいそう面倒見が良かったことから、村人に「めんどやさん」と呼ばれていたことが店名の由来だそうです。
店頭のショーケースにあったお店の取材記事によると、古代の料理だった飛鳥鍋を甦らせたのがこちらのお店と書いてあり、店頭には「元祖飛鳥鍋」の看板を掲げています。
飛鳥鍋のお店を調べると、こちらのお店が紹介されているのを頻繁に目にします。
アクセス
場所は飛鳥駅から徒歩40分弱と駅からは遠め。
駐車場は店舗向かいと、店舗裏の坂を上ったところにありました。
混雑状況
この日は土曜日、お店には11時に到着。
今回は食べログでネット予約をしてから訪問。
私が滞在していた12時過ぎまでは数組のお客さんのみで空いていましたが、退店直後には一気に団体のお客さんが入っていきました。
メニュー・商品ラインナップ
メニュー写真の一覧はありませんが、飛鳥鍋の他、柿の葉寿司やにゅうめんなど、奈良の名物が楽しめるセットやコースがあって魅力的。
今回はネット予約の時点で『飛鳥鍋』の単品を注文。
2人前からになるので、今回は同行者と2人でシェアしました。
感想
【飛鳥鍋単品2人前】5500円(税込)
具材を入れる前は牛乳そのものという感じの真っ白なスープ。
こちらのスープには牛乳の他様々なだし汁が加えられているそうで、そのレシピはスタッフもわからず、女将だけに受け継がれている秘伝とのこと。
最初に店員さんが具材を鍋に入れて作ってくれるので、一覧の写真はありませんが、覚えている分だけで鶏肉、ブロッコリー、紫ブロッコリー、小松菜、白菜、アスパラ、えのき、しめじ、椎茸、豆腐、ネギ、カボチャなど野菜たっぷり。
最初は真っ白でややトロリとした質感でしたが、煮込んだ後はサラッとした黄金色のだし汁に、牛乳が分離した豆腐のような白いモロモロが混ざった感じになりました。
いざ食べてみると牛乳のクセや臭みは皆無、出汁の旨味と程よい下味が効いていてとても美味しいです。
見た目とのギャップが大きくて、最初は思ったより牛乳感が無いなと思ったのですが、意識して食べると牛乳風味もしっかり感じ、ほんのりとクリーミーな味わい。
野菜も鶏肉も美味しくて、スープもたっぷり飲んでしまう美味しさ。
〆には1玉150円でうどんが追加できるようなので、2玉追加して最後までスープを堪能。
最初コースにするか悩みましたが、鍋とうどんだけでも十分お腹が満ちて満足!
お店のような味を出すのは難しいと思いますが、思った以上に美味しくて家でも作ってみたくなりました、飛鳥鍋!
ご馳走様でした!
公式サイト等
https://www.instagram.com/mendoya_2055
食べログ
めんどや
0744-54-2055
奈良県高市郡明日香村岡40
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