訪問日:2022年7月13日(水)
味噌カレー牛乳ラーメンとは
青森県青森市の個性的なご当地ラーメンとして知られる『味噌カレー牛乳ラーメン』。
『味噌カレー牛乳ラーメン』はその名の通り、味噌ラーメンをベースに、カレー粉、牛乳を加え、バターもトッピングしたラーメン。
未食の人には全く美味しくないゲテモノ系のイメージを抱かれがちですが、実際に食べてみると、味噌のコクにカレーの刺激、牛乳のまろやかさ、バターの風味が絶妙に調和し、意外な美味しさに驚かされます。
歴史については「青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会」のサイトに詳しく書いてありました。
『味噌カレー牛乳ラーメン』誕生したのは、「味の札幌」というお店の松竹店(現・味の札幌大西の前身)。
まだ味噌ラーメンが存在しなかった頃、「味の札幌」の創業者である佐藤清さんは、札幌で共同経営をしていたお店「満龍」で、味噌汁にラーメンの麺を入れたものを常連客に試食で出したそうです。
これは失敗で美味しくなかったものの、昭和30年に「味噌ラーメン」のベースを完成させるキッカケになったとのこと。
味噌ラーメンの起源については諸説があるものの、一般的に知られているのが札幌の「味の三平」というお店で誕生したという説。
当時「満龍」の常連客であり後に「味の札幌大西」の店主となる大西文雄さんによると、味噌汁にラーメンの麺を入れたものを試食で出した際「味の三平」の人間もいて、「味の三平」はこれをヒントに味噌ラーメンという形で完成させたという話もあるようです。
「満龍」で佐藤清さんと共に働いていた「札幌館」店主の小田島敏也さんの話によると、「味の三平」が味噌ラーメンを確立してから佐藤清さんは何度も足を運んで味噌ラーメンの研究を繰り返し、昭和43年に東京出店を決意して独立。
しかし当時の青函連絡船で初めて降り立った内地の青森が楽しくて飲み歩いているうちに、地元銀行の人間と親しくなり、その仲介もあって青森市古川にて「味の札幌」を開業することになり、翌年には「満龍」の常連客で後に「味の札幌大西」の店主となる大西文雄さんも青森に呼んだとのこと。
開業当初は典型的な札幌ラーメンを提供していたそうで、煮干し系・焼き干し系醤油ラーメンが主流の青森ではまだ味噌ラーメンが受け入れられず、スープの油膜をレンゲですくって捨てる人もいたそうですが、改良を行って次第に青森市民からも一定の評価を得られるようになっていったそうです。
昭和40年代中頃になると、味噌、塩、醤油のベースに、カレーか牛乳を組み合わせたものが意外な人気商品となり、当時は特に塩ベースのカレーラーメンが人気だったとか。
昭和50年には「味の札幌」は本店(現存せず)と松竹店(後の味の札幌大西)の2店舗体制で営業していたそうですが、特に松竹店は映画館内のテナントということもあって中高生に大人気なお店だったそうです。
好奇心旺盛な中高生の間で、コーラ、ケチャップ、マヨネーズなど色々な組み合わせでラーメンを食べることが流行り、その中で誕生した最終形態が『味噌カレー牛乳ラーメン』だったそうです。
最初は裏メニューとして提供していたそうですが、昭和53年に正規メニューへと格上げされて看板メニューになり、青森市民に愛され続けるソウルフードへ成長していったそうです。
平成20年7月22日には味噌カレー牛乳ラーメンの発展と普及を目的とした「青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会」が発足。
味の札幌本店は現存せず、創業者の佐藤清さんも亡くなったそうですが、「青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会」の会員店である「札幌館」、「味の札幌大西」、「味の札幌浅利」、「蔵」、「かわら」で『味噌カレー牛乳ラーメン』は提供されています。
以前「味の札幌大西」と「味の札幌浅利」で食べたことがあり、どちらも凄く美味しかったので、今では『味噌カレー牛乳ラーメン』を食べに行くのは私の中で青森に来た際の定番の楽しみの一つ。
札幌館

今回は青森県青森市石江岡部にある、『札幌館』というお店に初訪問。
こちらは「満龍」で佐藤清さんと共に働いていた義弟の小田島敏也さんのお店で、平成元年にオープンしたお店だそうです。
アクセス
場所は新青森駅から徒歩20分くらいの距離。
駐車場は店前にありました。
混雑状況
この日は平日の水曜日、お店には19時半頃に到着。
事前に電話で営業確認をした際、ラストオーダーが19時45分までと聞いたので、結構ギリギリになりました。
この時客入りは4割くらいで、待ち時間無く入店。
メニュー・商品ラインアップ

ラーメンはみそ、塩、正油と色々ありますが、今回はもちろん『みそカレー牛乳ラーメン』を注文!
感想

【みそカレー牛乳ラーメン】980円(税込)
スープを飲むと、最初はカレーの風味が強く、後からしっかり味噌の風味と旨味が広がり、全体を牛乳がまろやかにまとめ、とてもバランスが取れた味わいです。
カレーの辛さも控えめでマイルド、バターがとろけると更にまろやかでコクが増し、相性抜群です。

麺は札幌ラーメン系で定番の黄色い太縮れ麺で、もっちりとした少し柔らかめの食感。
トッピングはモヤシ、メンマ、チャーシューは1枚。
チャーシューは脂控えめであっさりした肉質、もやしはシャキシャキ、メンマはコリコリで量は多めでした。
他のお店ではワカメが乗っていて、これが結構スープに合うので、こちらはトッピングについては寂しかった印象、しかしスープのバランスはとても好みでした!
今回の旅では「かわら」というお店にも行くことが出来たので、「青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会」のお店で未訪問なのは「蔵」だけになり、こちらは次回の青森旅で必ず行ってみたいと思います。
ご馳走様でした!
公式サイト等
食べログ
札幌館
017-782-1765
青森県青森市石江岡部56-3
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