訪問日:2025年5月17日(土)
讃岐うどんとは
香川県を代表する名物として、全国的にも圧倒的な知名度を誇る「うどん」。
1871年までのこの地域の名前であった讃岐国にちなんだ「讃岐うどん」という呼び名で親しまれています。
「讃岐うどん」の歴史は古く、諸説ありますが、通説では奈良時代に弘法大師空海が唐の国からうどん作りに適した小麦と製麺技術を持ち帰り、日本に伝えたことが始まりといわれています。
現在のような長い麺状になったのは江戸時代の頃と考えられており、当時はうどんの原型とされる「はくたく」という団子をつぶしたような形で、空海はこれを弟子の智泉に伝授し、智泉は作ったうどんを滝宮で家族に振る舞ったことから、香川県綾川町滝宮は「讃岐うどん発祥の地」といわれています。
讃岐うどんに限らず「うどん発祥の地」についても諸説あり、この香川県綾川町滝宮説もその一つ、他にも福岡博多説や奈良説などもあります。
讃岐うどんの最古の資料は、元禄年間(1688年〜1704年)に金刀比羅宮の大祭の様子を描いた「金毘羅祭礼図屏風」で、そこには3軒のうどん屋が描かれており、この時代から既に香川がうどんの先進地帯の一つであったことを示しているとのこと。
香川でうどんが広まったのは、小作地が多い上に降水量が少なくて干ばつに悩まされることが多く、米よりも上質の小麦をつくるのに適していた地域であったこと、伊吹島のいりこ、小豆島や引田地域の醤油、坂出市を中心とした塩田の塩など、うどんの原料が豊富に揃っていたことが理由と考えられています。
現在のようなうどん店が誕生したのは昭和40年代以降といわれており、県内で小型の製麺機が開発されたことや、うどんに最適なオーストラリア産小麦が輸入されるようになり、製麺の傍らお客さんに提供するセルフサービス方式のお店が増えていったとのこと。
この頃まではうどんが香川の名物であるという認識はそれほど一般的ではなかったそうですが、昭和45年(1970年)の大阪万博で讃岐うどんを販売したところ、来場客から大人気となり、全国に一躍その名が知れ渡ることに。
さらに1980年代に地元タウン誌で讃岐うどんが特集されたことや、1988年に瀬戸大橋が開通したことにより、県内外から観光客が訪れるようになり、全国的ブームになったといわれています。
お店によっても異なりますが、「讃岐うどん」の特徴といわれているものは以下の通り。
●小麦の風味が豊かで、モチッとした弾力に富んだコシの強い麺。
●出汁には主にいりこ(煮干し)が使われる。
●生姜やネギなどの薬味が多用される。
●かけ、ぶっかけ、醤油、ざる、釜揚げ、釜玉、湯だめ、肉、カレー、しっぽく、打ち込みなど、食べ方のバリエーションが豊富。
●セルフサービス方式のお店が多い。
●朝から昼にかけて営業するお店が多い。
ちなみに「讃岐うどん」という名称を使用すること自体に制限はないそうですが、生めん類において名産、特産、本場、名物等を表示する場合のみ、「生めん類の表示に関する公正競争規約及び公正競争規約施行規則」において以下のように定義されています。
●香川県内で製造されたもの
●手打、手打式(風)のもの
●加水量 – 小麦粉重量に対し40%以上
●食塩 – 小麦粉重量に対し3%以上
●熟成時間 – 2時間以上
●ゆでる場合 – ゆで時間約15分間で十分アルファ化されていること
香川は他にも様々なご当地グルメや郷土料理がありますが、やはりうどんは欠かせないグルメで、旅行で訪れると朝から晩までうどんばかり食べてしまう日も珍しくありません。
同じように見えてお店ごとに味・食感・スタイルが結構違うので、うどん好きの私にとってはどれだけ巡っても飽きが来ずに楽しめます。
饂飩家 五右衛門

今回訪れたのは、香川県高松市の古馬場町にある人気うどん店『饂飩家 五右衛門』。
創業は1980年で、2024年には食べログのうどんKAGAWA百名店に選出されています。
讃岐うどん店は朝から昼まで営業することが多い中、繁華街である高松市では夜営業をしているお店が多いことも特徴。
こちらのお店は一般的な夜営業とも異なり、なんと20時から玉切れまでが営業時間。
人気NO.1メニューは、高松市の夜の名物として知られている「カレーうどん」。
高松市では飲んだ後にも「夜うどん」が定番といわれており、中でも「カレーうどん」を締めに食べることで有名で、テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」でも紹介されたことがあります。
こちらのお店や「手打ちうどん 鶴丸」など、深夜に営業しているカレーうどんの人気店の存在がその理由といわれています。
アクセス
場所は瓦町駅から徒歩7分くらいの距離。
駐車場は近隣コインパーキングを利用。
混雑状況
この日は土曜日、お店には20時10分頃に到着。。
この時店前には15人の行列が出来ていました。
待ち時間は20分ちょいかかった印象。
メニュー・商品ラインアップ

こちらのお店は席に案内してもらい、注文して食後に会計する「一般店」スタイル。
メニューは豊富ですが、お店のInstagramによると、約8割のお客さんが「カレーうどん」を注文するとのこと。
先代の味を引き継いだカツオ出汁ベースの「カレーうどん(和風)」と、2代目店主が考案したデミグラスベースの「黒カレーうどん」があり、1番人気は『黒カレーうどん』だそうです。
今回は『黒カレーうどん』を注文!
感想

【黒カレーうどん】900円(税込)
たっぷりの野菜をミキサーにかけ、風味を生かしつつ秘伝のカレースパイスと合わせ、欧風な味わいの中に和のテイストがあり、スパイシーな辛みの中に野菜の甘みを感じるカレーうどんとのこと。
今回はトッピングなしですが、特にハバネロやチーズのトッピングが人気だそうです。
一般的な辛口くらいスパイシーですが、コクのある甘辛の味わいで、ほんのり和テイストが相まった感じ。
うどんはモチッとした弾力と、歯切れの良さを兼ねたやや細めの形状。
カレーはシャバめの質感ですが、うどんによく絡みとても美味しいです。

麺の完食後もカレーはたっぷり余っていたので、途中でご飯200円(税込)を追加。
結構濃いめの味なのでご飯とも相性抜群、お腹も満ちて大満足でした。
ご馳走様でした!
公式サイト等
https://www.instagram.com/udonya_goemon
食べログ
饂飩家 五右衛門
087-821-2711
香川県高松市古馬場町13-15 AIビル 1F
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