訪問日:2021年10月14日(木)
冷やし中華発祥の店 揚子江菜館
夏の麺料理を代表する一つとして、家庭でも外食でもよく食べられている『冷やし中華』。
元々中国の冷やし麺「涼拌麺」をルーツに持つといわれるそうですが、味も作り方も大きく異なるため、一般的には日本発祥の料理とされているそうです。
冷やし中華の歴史については、Wikipediaや宮城県中華飲食生活衛生同業組合のブログなどに詳しく書いてありました。
中国では冷水や氷を使って食品を直接冷やす慣習が無く、団扇や扇風機を使って茹でた麺を冷ましていたため、「涼拌麺」などの中華圏の冷やし麺は日本の冷やし中華や冷麺ほど冷たくなかったそうです。
また、中国では水が悪いことから水を使った料理法は敬遠されていたそうで、日本では「ざるそば」をヒントに、綺麗な水を使って麺を水で洗うという方法が可能だったとのこと。
そして中国では酸味のある冷たい料理を食習慣から腐敗による酸味と捉えるため、酢が利いた日本の冷やし中華のような料理は嫌う傾向があるとか。
冷やし中華発祥の店は諸説あるようで、有力な2説が東京都千代田区神田神保町にある「揚子江菜館」と、宮城県仙台市青葉区錦町にある「龍亭」。

「揚子江菜館」は1906年創業のお店で、冷やし中華は2代目が近所の日本蕎麦屋「神田まつや」のもりそばから着想を得て、様々な細切りの具を彩りよく盛った「五色涼拌麺(五目冷やしそば)」として1933年に考案したそうです。

「龍亭」は1931年創業のお店で、冷やし中華が発売されたのは1937年のことだそうです。
仙台支那料理同業組合(昭和9年に設立された現在の宮城県中華飲食生活衛生同業組合の前身)の会合で、中華料理店共通の問題である夏の売り上げ低下の解決法、多数の観光客が集まる仙台七夕の際に売れる目玉商品の開発について話し合われ、当時の組合長だった龍亭店主を中心に、龍亭が閉店した後に集まってざるそばを元に新メニューの開発を行い、冷やし中華が誕生したとのこと。
当時は現在のものとは異なり、湯がいたキャベツ、塩もみきゅうり、スライスしたニンジン、叉焼、トマトを上に乗せたものだったそうです。

当たり前に食べている大好きな冷やし中華、その発祥のお店と聞くととても気になり、以前「龍亭」に行ってきました。
なので今回は初めて東京の『揚子江菜館』に行ってみることにしました。
アクセス
場所は神保町駅からすぐ近く、駐車場は近隣コインパーキングになります。
混雑状況
この日は平日の木曜日、お店には17時過ぎに訪問。
この時先客は1人のみで空いていました。
メニュー・商品ラインアップ



メニューは多いので写真は一部のみ。
元祖冷やし中華の「五色涼拌麺」、昭和8年から変わらない味の「すぶた」、池波正太郎先生等著名な文化人がこよなく愛する一品で、数々の焼そばコンテストで優勝したメニューという「上海式肉焼きそば」などがオススメとのこと。

人気メニューやこちらのお店ならではのメニューもまとめてあり、初めて来ても何を頼むべきかわかりやすくて良いですね。
今回は冷やし中華目当てなので、迷わず『五色涼拌麺』を注文!
感想

【五色涼拌麺】1540円(税込)
盛りつけは「富士山の四季」をイメージし、チャーシューで春の土、キュウリで夏の緑、タケノコで秋の落ち葉、寒天で冬の雪、錦糸卵で富士山頂にかかる雲を表現しているそうです。
他にもエビやしいたけ、うずらの卵、肉団子、キヌサヤなども乗って具沢山。

麺はシコシコした食感の細麺、タレは酸味と塩味がかなり強く味は濃いめ。
肉類はかためでパサパサした食感。
冷やし中華の元祖として有力な2店、両方に行くことが出来て良かったです。
ご馳走様でした。
公式サイト等
公式サイト
食べログ
揚子江菜館
03-3291-0218
東京都千代田区神田神保町1-11-3
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