訪問日:2025年5月16日(金)
かどや

愛媛県宇和島市に本店を構える、「鯛めし」や「さつまめし」、「じゃこ天」など、様々な宇和島郷土料理を取り揃えた人気店『かどや』。
宇和島の駅前通りにて、1955年5月にわずか5坪だったという「かどや食堂」を開店したのが始まりとのこと。
現在では愛媛県内(特に宇和島市・松山市)を中心に、東京にも店舗を展開。
メインの和風郷土料理店『かどや』に限らず、とんかつ専門店、うどん専門店、カフェレストラン、バンケット&ビュッフェ専門店など、「かどやグループ」として様々な業態のお店があり、一覧は公式サイトに掲載されています。
個人的に愛媛の郷土料理を大好きになるきっかけになったお気に入りのお店で、以前から愛媛に来た際に何度か訪れています。
今回は愛媛県松山市、一番町ロープウェイ街の入口に位置する「いよてつ会館」の地下1階にある『かどや 大街道店』に行ってきました。
こちらは2015年8月にオープンしたそうです。
アクセス
場所は大街道駅からすぐそばにあり、駐車場は近隣コインパーキングになります。
混雑状況
この日は平日の金曜日、お店には18時過ぎに訪問。
この時店内は客入り8割くらいの印象で結構混んでいました。
私が退店した18時半頃には4組の外待ちも出来ていました。
ちなみに満席時は店頭にある機械で番号札を発券するスタイルです。
メニュー・商品ラインアップ










こちらのお店では様々な郷土料理を少しずつ楽しめるセットメニューが充実していますが、今回私が食べたかった「丸ずし」は単品しか見当たらなかったので、今回は「宇和島さつまめし」、「ふくめん」、「丸ずし」の3品を単品で注文!
感想

【宇和島さつまめし】1380円(税込)
さつまめしとは
さつまめしは南予地方を中心とした郷土料理の一つで、アジやタイなどの魚(地域によって様々)の焼いた身をほぐして麦味噌と共にすり鉢で混ぜてだし汁でのばし、短冊切りにしたこんにゃくやネギなどの薬味を入れてご飯にかけて食べる料理。
名前の由来は薩摩国(鹿児島)から伝わった説、出汁がよく馴染むように茶碗によそったご飯を十字に切った見た目が薩摩藩の島津家の家紋のようだからという説、夫が妻を助けて作る意味の「佐妻」など諸説あり、真偽ははっきりしていないとのこと。
昔は麦飯がよく食べられていたそうで、パサパサした麦飯を美味しく食べられるように工夫して誕生した料理といわれています。



こちらでは焼いた鯛の身に麦味噌をすり合わせているそうで、麦ごはんに上からかけていただきます。
お好みで加える薬味はネギとみかんの皮。
麦味噌特有の芳醇な香りに、まろやかな甘めの味付け、鯛と味噌の旨みたっぷりでご飯が進みまくり。
この量でお茶碗2杯分楽しめました。
こちらのお店はどの料理も美味しくて大好きですが、個人的にさつまめしが特にお気に入りです。

【ふくめん】570円(税込)
ふくめんとは
「ふくめん」は白身魚を茹でて骨を取り除き、砂糖や酒で調味したそぼろを糸こんにゃくにまぶして皿に盛り、仕上げにねぎとみかんの皮を飾った料理。
宇和島藩の行事食として伝わったといわれています。
そぼろは食紅を加えてピンクに色付けされるのも特徴で、ピンクのそぼろは春、緑のネギは夏、みかんのオレンジは秋、白のそぼろは冬として四季を表すそうで、祭りや正月など人の集まる宴会料理、結婚披露宴や長寿祝いなどのハレの料理として食べられているそうです。
名前の由来については、宇和島ではこんにゃくを「山ふく」と呼び、それを麺の様に細く切ることから「ふく麺」、こんにゃくが見えなくなるほどそぼろ覆うことから「覆面」、材料を細かく切ることを「ふくめ」ということからなど、諸説あるようです。
そぼろは上品な魚の味わいに甘さ強めの味付け、紅白の見た目がとても綺麗です。
プリプリ食感のこんにゃくに、シャキシャキと香り高いネギ、みかんの皮がとても爽やかで、甘い中にも食感や様々な風味が混ざり、独特な深みのある味わいで美味しいです。

【丸ずし】320円(税込)
丸ずし・いずみやとは
「丸ずし」、「いずみや」は酢飯の代わりに味付けしたおからを使った卯の花寿司のこと。
西日本を中心に日本各地におからを使ったお寿司はありますが、宇和島市などの南予地方では「丸ずし」、新居浜市や松山市などの東予・中予地方では「いずみや」という名前で呼ばれています。
由来については諸説あるようですが、一説では「丸ずし」はかつて米に恵まれなかった南予の庶民が、米の代わりにおからを代用して作ったのが始まりで、調理後の形が丸まっていることから「丸ずし」という名前になったそうです。
「いずみや」という名前は、江戸時代の元禄4年(1691年)に別子銅山を開坑し、地域の発展に寄与した住友家の屋号である「泉屋」が由来といわれています。
住友家では米飯を用いたすしが食されていましたが、庶民は容易に米を食べることはできなかったため、料理の見た目だけでも住友家と同じものを食べようと、田のあぜで栽培していた大豆のおからを米の代わりに食したことが始まりだそうです。
この日は酢締めのイワシを使用しており、おからにも甘酢で味付けをしているとのこと。
しっとりほろっとした食感のおからは素朴な味で、イワシの旨みに程よい酸味と塩味が効いており、醤油なしのそのままで美味しく楽しめました。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://www.kadoya-taimeshi.com
食べログ
郷土料理かどや 大街道店
089-947-4600
愛媛県松山市大街道3-1-1 いよてつ会館ビル B1F
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