訪問日:2024年8月30日(木)
だまこ鍋とは

「だまこ鍋」とは、すり鉢でついたご飯を団子にしたものを、鶏ガラベースの汁で鶏肉や野菜と共に煮込んだ、秋田の冬には欠かせないという家庭の郷土料理。

調理法は同じく秋田の郷土料理である「きりたんぽ鍋」に似ていますが、串に刺して表面を焼くきりたんぽとは異なり、「だまこ鍋」は串を使用せず団子型で、基本的には焼かないことが特徴。
「きりたんぽ鍋」についてはこちらの記事に詳しくまとめました。

「だまこ鍋」の発祥地は八郎潟周辺の地域といわれており、山林労働者が弁当の飯を切り株の上に乗せて斧の背で潰したものが起源や、マタギ料理が起源など諸説あり、だまこ鍋がきりたんぽ鍋のルーツになったという説もあるとのこと。
以前は八郎潟で獲れたフナ、ワカサギ、シラウオなどを焼いたものを入れて、味噌で味を付けた「つけご」という食べ方があったそうですが、八郎潟が干拓されて漁獲量が激減したため、現在の鶏を使う形に変化したそうです。
名前の由来については、子どもの遊び道具「お手玉(秋田ではだまこと呼ぶ)」の形に似ているからという説と、あまりにも美味しくて子どもたちが夢中になり「黙って食べる子」=「だまっこ」と呼ばれるようになったという説が有名。
秋田料理 ちゃわん屋


今回訪れたのは、秋田県秋田市、旭川沿いの南北に続く通りに多くのお店が軒を連ねる秋田県内有数の歓楽街「川反(かわばた)」エリアにあるお店『秋田料理 ちゃわん屋』。
新鮮な地魚や比内地鶏料理、旬の郷土料理に、常時30種以上取り揃えた秋田の地酒など、豊富なメニューラインアップが人気の郷土料理店とのこと。
創業年などお店の詳しい情報は調べてみてもよくわかりませんでしたが、「だまこ鍋」の人気店を調べた際によく紹介されているのを目にするので、気になり今回初訪問。
アクセス
場所はJR秋田駅から徒歩17分くらいの距離。
駐車場は近隣コインパーキングを利用。
混雑状況
この日は平日の木曜日、お店には開店時間の17時に訪問。
念のため10日前に電話予約をしておきましたが、この時間はまだお客さんが1組くらいで空いていました。
メニュー・商品ラインアップ



今回は目当ての「だまこ鍋」(こちらのお店ではだまっこ鍋)の他、気になった料理をいくつか注文。
「だまっこ鍋」は同じ価格で「きりたんぽ鍋」とミックスに出来るそうなので、それでお願いしました。
感想

ドリンクは「ウーロン茶」330円(税込)を注文。

お通しは「畑のキャビア」とも呼ばれ、プチプチした食感がクセになる「とんぶり」をトッピングした冷奴で、価格は440円(税込)でした。
とんぶりとは
「とんぶり」はアカザ科ホウキギ属の一年草「ホウキギ」の実を加熱加工したもので、収穫時期は10月から11月。
大きさは直径1〜2mm程度、深緑色の粒状で、味は無味無臭ですがプチプチとした食感を楽しむ食材として使われることが多く、「畑のキャビア」とも呼ばれています。
名前の由来は、ハタハタの卵のぶりこに似た中国の唐伝来のもので「唐ぶりこ」が鈍り「とんぶり」になったという説が有力といわれています。
「ホウキギ」は古くから掃除用の「ほうき」として栽培されていた植物で、別名「コキア」でも知られており、秋には綺麗に紅葉し、観賞用としても親しまれています。

【だまっこ鍋&きりたんぽ鍋 ミックス】1540円(税込)
具材には秋田の地鶏「比内地鶏」を使用しているそうで、結構油が多めに浮いたこってりとした味わい。
「比内地鶏」についてはこちらの記事に詳しくまとめました。


お肉はホロホロの柔らかさで量もたっぷり入りとても贅沢。
だまっこはギュッと握ったおにぎりのような味わいで、きりたんぽは焼き目が付いてほんのり香ばしく、中の空洞からジュワッとつゆが溢れてとても美味しかったです。

【絶品岩ガキ】825円(税込)
天然ものの岩牡蠣で、公式サイトによると6月中頃~8月末までの限定メニューとのこと。
2個乗っていたので驚きましたが、サイズが小さめだったので、サービスでもう1個追加してくれたそうです。
プリッとジューシー、芳醇な磯の香りにクリーミーで濃厚な旨味が楽しめ、サイズが小ぶりでも2個食べられるのは最高でした。

【絶品海藻くろも】550円(税込)
海藻は地方名も多いので、「くろも」が正式名なのかはよくわからないのですが、メニューには「秋田男鹿北浦のみ生息」と書いてありました。
適度に芯があるジャキジャキとした歯応えがある食感で、サッパリとした酸味の効いた味付けが相性抜群、この海藻美味しいです!

【海藻えご】495円(税込)
えごとは
「えご」は「エゴ草」と呼ばれる海藻を煮て溶かして四角く固めた、寒天やゼリーのような食感が特徴の郷土料理。
「いごねり」、「えごねり」、「いご」など様々な呼び名があり、北陸から東北にかけての日本海側を中心に、長野県、福島県など広い地域で食べられているとのこと。
九州のおきゅうとが北前船や漁船の往来によって、博多から能登半島の輪島を経由して佐渡に入り、そこから各地へと伝わったといわれているそうです。
プルプルで舌触りはザラザラ、海藻の風味のような、少し抹茶っぽい風味のようにも感じ、甘くない抹茶寒天のような不思議な味わいでした。
どの料理も美味しかったですが、特にだまこ鍋やきりたんぽ鍋をお手頃価格の小鍋サイズで楽しめるのがお気に入りポイントです。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://akitaryori-tyawanya.com
食べログ
ちゃわん屋
018-864-5202
秋田県秋田市大町4-2-7
コメント