訪問日:2018年3月19日(月)
出雲そばとは
岩手県の「わんこそば」、長野県の「戸隠そば」と並び、「日本三大そば」の一つといわれている島根県の『出雲そば』。
農林水産省のサイトによると、江戸時代初期に松江藩・松平家初代藩主松平直政公が信州松本藩から移ってきた際、そば職人を連れてきたことがきっかけで、出雲地方にそばが広まったといわれています。
「出雲そば」は玄そば(殻のついたそばの実)をそのまま挽き込む「挽きぐるみ」と呼ばれる製粉方法で作られることが特徴で、栄養価と香りが高く、一般的なそばと比べて黒味がかっているそうです。
また食べ方にも特徴があり、冷たい「割子そば」と、温かい「釜揚げそば」がその代表格。
「割子そば」は円柱状の丸い重箱「割子」にそばを入れ、薬味をのせて冷たいつゆをかけて食べるのが特徴。
薬味にはもみじおろしや辛味大根の大根おろしが使われることが多いそうです。
江戸時代に松江の城下町で、そばを四角い重箱に入れて携帯していたことに由来しているそうで、四角い重箱の四隅が洗いにくいことから丸い重箱になったといわれているようです。
「釜揚げそば」は茹でたそばを水洗いせず、鍋や釜から揚げたそばをそば湯ごと器に盛りつけて薬味をのせ、自分でつゆを入れて味を調節して食べるのが特徴。
出雲大社などの神社周辺が発祥といわれていて、旧暦の10月に出雲地方の神社で執り行われる「神在祭」で屋台が並び、温かい釜揚げで新そばが振る舞われていたそうですが、屋台売りのため水洗いの行程が省かれたことが由来のようです。
献上そば 羽根屋 本店

今回訪れたのは島根県出雲市、出雲市駅近くにある『献上そば 羽根屋 本店』。
出雲そばを代表する人気店として有名であり、江戸時代末期創業という、150年もの歴史を誇る老舗のそば屋。

店名の「献上そば」は大正天皇がまだ東宮の御時、明治40年に山陰地方に行啓された際、こちらのお店のそばをお気に召したことから、「献上そば」の名をお許しになられたことが由来。
店舗はこちらの本店の他、出雲文化伝承館の中と、大津町、合計3店舗を展開しているようです。
アクセス
今回訪れた本店は出雲市駅より徒歩7〜8分ほどの距離。

駐車場は周辺にたくさん設けられています。
ただ週末は満車になることも多く、近隣コインパーキング利用が推奨されています。
混雑状況
この日は平日月曜日、夜19時過ぎの到着。
待ち時間はなくすんなり入れましたが、店内には沢山のお客さんがいました。
店内は2階まで席があり、多くのテーブル席のほか座敷席や個室席など、合計80席あるそうです。
メニュー・商品ラインアップ



メニューは出雲を代表する伝統そば、「割子そば」と「釜揚げそば」をメインに、ざるそばや鴨南蛮など一般的なそばやうどんなど、定食やご飯類、一品料理もあります。
また夜限定の予約制で、そばのコース料理などもありました。
せっかく出雲に来たからには割子そばか釜揚げそばを食べたいところ。
今回は割子そばに様々な具材を乗せた、「三色割子そば」を注文!
感想


【三色割子そば】900円(税込)
三色の具材内訳は、山菜、山いも、天かす&大根おろし。
海苔、ネギ、もみじおろし、大根おろしといった薬味類は別皿で提供。
つゆを割子に直接さっとひと回しかけていただきます。
出雲産蕎麦粉を殻のまま挽いた黒っぽいそばで、ツルッとした喉ごしの良さと繊細なコシを兼ねた平打ち形の細麺で、噛む度に広がる香り高いそばの風味がたまらない美味しさ。
醤油の味わいがキリッと効いたつゆも相性抜群。
香ばしいあげ玉、シャキシャキとした食感の良い山菜、トロッとまろやかな山いも、どれも違った味わいで最後まで飽きがこずに楽しめました。
長年愛される伝統の出雲そば、流石の美味しさでした。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
献上そば 羽根屋 本店
0853-21-0058
島根県出雲市今市町549
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