訪問日:2025年11月2日(日)
常陸秋そば

“玄(げん)そばの最高峰”という評価を獲得している、茨城県のブランド品種「常陸秋そば(ひたちあきそば)」。
茨城県は朝晩の寒暖差が大きく、水捌けの良い傾斜地が多いことから、江戸時代からそば栽培が盛ん。
年度によって順位は異なりますが、茨城県は常に全国でランキング上位の生産量を誇ります。
「常陸秋そば」は茨城県北地域に位置する旧金砂郷町(現:常陸太田市)赤土地区の在来種がルーツ。
茨城県では昭和53年(1978年)からそばブランド品種の育成に取り組み、選抜育成法により3年余りの歳月をかけて「常陸秋そば」が誕生したそうです。
実が大きく、粒揃いが良く、食した時の芳醇な香りやほんのり甘さを感じる豊かな味わいが特長で、そば職人や全国のそば通からも高い評価を獲得。
県内はもちろん首都圏のそばの名店でも使用されているとのこと。
けんちんそば・つけけんちん
根菜類がよくとれる茨城県では、里芋、大根、ごぼう、こんにゃく、ねぎ、人参などを炒め、味噌と醤油、みりんで味付けをした温かい「けんちん汁」がよく食べられているとのこと。

「けんちんそば」はこの「けんちん汁」にそばを入れて食べるもの。

「つけけんちん」は温かい「けんちん汁」にざるそばを添えて食べるというスタイル。
農作物の収穫の大半が済む11月半ばになると、祭りのためのごちそうの一つとしてよく食べられたそうで、北部地域を中心に、茨城県全域に深く根付いた郷土料理だそうです。
「けんちんそば」は他県でも食べられるそうですが、特に「つけけんちん」は茨城県ならではの食べ方として、農林水産省の公式サイトで茨城県の郷土料理として紹介されています。
江戸時代の後期にはすでに食べられていたそうで、旧暦の新年(現在の節分の時期)にそばを食べる「つけけんちん」の風習は水戸藩から広がったといわれています。
金砂そば

今回訪れたお店は、茨城県常陸太田市久米町の国道293号線沿いにある『そば処 金砂(かなさ)そば』。
お店のオープン日は調べてみてもよくわかりませんでしたが、店名の由来は旧地名である「金砂郷」と思われます。
「金砂郷」はかつてこの地区で砂金が取れたということが名前の由来で、上述の通り国産そば粉の中でも指折りの「常陸秋そば」発祥の地。


こちらのお店は「常陸秋そば」の使用店であり、種まきから収穫、石臼挽きから手打ち、出汁とりから茹でまで、全てを行っているとのこと。
「常陸秋そば」や「けんちんそば」のお店を調べた際に、おすすめとして紹介されているのを何度も目にしたので、以前から行ってみたかったお店。
今回初訪問です。
アクセス
お店の近くに駅は無く、最寄りと思われる常陸太田駅からは徒歩1時間半くらいの距離。
駐車場は店舗前にありました。
混雑状況
この日は日曜日、お店には11時50分頃に訪問。
この時店内は客入り7~8割くらいの印象で、結構混んでいましたが、待ち時間はかからずに済みました。
メニュー・商品ラインアップ





今回目当ての「けんちんそば」や「つけけんちん」は、10月上旬~4月下旬の季節限定メニューのようですが、夏にも季節限定の「夏けんちんそば」というメニューがあるようです。
今回は『つけけんちん』を注文!
感想

【つけけんちん】1400円(税込)

まずは何もつけずにそば単体で食べると、モチッとコシがある食感、風味豊かでほのかな甘味が楽しめます。

けんちん汁はそのままでも飲めるくらい塩気控えめ、つけ汁としては少し優しめの味わい。
こんにゃく、里芋、人参、大根、ごぼうなど根菜類を中心に具材たっぷりでとてもヘルシー。
どれもほろほろと柔らかく中まで味がしみ込んでおり、とても美味しかったです。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
そば処 金砂そば
0294-76-0789
茨城県常陸太田市久米町120-1


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