訪問日:2024年10月4日(金)
佐久鯉とは
「佐久鯉」の名前で知られ、古くから鯉の養殖が盛んな長野県佐久市(さくし)。
「佐久鯉」の養殖は天明年間に桜井の呉服屋・臼田丹右衛門が大阪から持ち帰ったのが最初とされ、文政8年(1825年)に岩村田藩主内藤豊後守が大阪からの帰国に際し、「淀鯉」を野沢の豪商・並木七左衛門に与え、養殖を定着させたといわれています。
明治5年(1872年)以降に機械製糸の発展に伴ってさなぎの入手が容易になると、それを飼料として鯉を大量生産できるようになり、養鯉が急速に発展。
昭和初期には全国一の生産量とともに、鯉の博覧会や品評会でも優れた品質で日本一の称号を獲得し、「佐久鯉」の名は全国的に知られるようになったとのこと。
しかし食習慣の変化や農薬の普及などによって佐久市の養鯉は徐々に廃れてしまったそうですが、近年の減農薬栽培の普及と減反調整などにより「佐久鯉」を復活させる取り組みが始まったそうです。
「佐久鯉」は日本産の他地域の鯉に比べて体高が高く成長も良いのが特徴ですが、通常鯉は2年程度で出荷されるのに対し、「佐久鯉」は冷たい流水で飼育されるため成長が遅く、3~4年かけて食用に適する大きさに育ているとのこと。
千曲川の冷たい流水育てた鯉は身が引き締まって臭みがほとんどなく、脂肪が適度に乗った美味しい肉質になるそうです。
「佐久鯉」の食べ方は「あらい」、「鯉こく」、「うま煮」、「塩焼き」など多種多様ですが、特に甘めの煮汁で炊いた「鯉のうま煮」や、味噌で煮た「鯉こく」が定番。
佐久ホテルの篠澤社長の八代前の先祖の篠澤佐五右衛門滋野包道が、延享3年(1746年)の正月6日に伊勢神宮の福島鳥羽大夫神官を邸宅に招き、「鯉こく」を食べさせたことがきっかけで、佐久地域の正月には「鯉こく」は欠かせない料理となり、農林水産省の公式サイトにも「鯉こく」が長野県の郷土料理として紹介されています。
佐久市役所の農政課のページには「佐久鯉リーフレット」が掲載されており、そこで鯉料理店の提供店の一覧を確認できます。
https://www.city.saku.nagano.jp/machizukuri/nogyo/shinai/event/sakugoi.html
魚魚や 中込店

今回訪れたお店が、長野県佐久市中込にあるお店『魚魚や 中込店』。
創業年や他に系列店があるかなど、お店の詳細については調べてみてもよくわかりませんでした。
佐久市役所の農政課のページに掲載されていた「佐久市地産地消推進の店マップ」の情報によると、ハヤの唐揚げ、信州サーモンの刺身・しゃぶしゃぶ、鯉のうま煮、鯉こくなどを初めとする魚料理や、山菜、ハチの子など地元珍味も提供する食事処だそうです。
実は今回、鯉料理を食べに最初は中込駅前の「三河屋食堂」というお店に行くつもりでしたが、残念ながらこの時もう営業終了していて閉まっていました。
『魚魚や 中込店』はすぐ近くで偶然見つけたお店。

店頭に掲示したメニューの中に鯉料理があったので、ここに行くしかないと即入店しました。
アクセス
場所は中込駅から徒歩4分くらいの距離。
駐車場は周辺に中込商店街の駐車場がいくつかあるようです。
混雑状況
この日は平日の金曜日、お店には20時過ぎに訪問。
この時店内は客入り8割くらいでかなり混んでいましたが、予約なしで何とか入れました。
メニュー・商品ラインナップ






今回は鯉料理が目当てなので、『鯉こく定食』を注文!
感想

【鯉こく定食】1300円

ドリンクはウーロン茶300円を注文しました。

お通しは冷奴でしたが、合計会計が1650円だったので、お通しは50円ですかね?

「鯉こく」は輪切りにした鯉を味噌汁で煮た煮込み料理で、鯉こくの「こく」とは「濃漿(こくしょう)」という味噌味で濃く仕立てた汁物であることが由来。
骨が多いので注意ですが、身はパサつかずホロッと柔らかで、まるでブリかと思うほどに脂が乗った濃厚な旨みがあり、臭みも皆無で驚きの美味しさ。
ご飯が進む少し濃いめの味付けも絶妙です。
身以外にもプリュンとした白いものと、濃い緑色みたいな内臓も入っていましたが、旨みにちょっと苦味が相まった感じで、こちらも臭みやクセは控えめで美味しかったです。
最初は目当てのお店が閉まっていてどうしようと思いましたが、結果的に美味しい鯉料理が楽しめて大満足、こちらのお店には圧倒的感謝です!
ご馳走様でした!
公式サイト等
食べログ
魚魚や 中込店
0267-63-4100
長野県佐久市中込2-14-10
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