訪問日:2025年4月18日(金)
奈良名物わらび餅

現在では全国的に親しまれている和菓子「わらび餅」ですが、特に奈良は「わらび粉」の名産地であったことから、古くより名物として知られているとのこと。
「わらび餅」は東大寺の僧たちが若草山のわらび根を採り、葛(くず)のように処理して食したところ美味だったため、砂糖を混ぜて茶菓子として提供したことが始まりという言い伝えが残っているそうです。
奈良に早春を告げる伝統行事として、毎年1月の第4土曜日に開催される「若草山焼き」があります。
これは昔、若草山の鶯塚古墳から出る幽霊を山を焼くことで追い払えるという迷信があったことから、若草山を通る人々が度々放火をするようになり、東大寺境内や近隣の寺にも火が及び危険が絶えなかったため、若草山に隣接する東大寺、興福寺、奈良奉行所が立ち会って山を焼くようになったことが由来だそうです。
その山焼き後には沢山のわらび(蕨)が生えたそうですが、それを奈良公園の鹿が食べなかったため、わらび粉の名産地になったといわれています。
「わらび餅」は山菜であるわらびの根に含まれるデンプンから作る「わらび粉」に、水と砂糖を加えて加熱しながら混ぜ、冷やし固めたお菓子。
しかし「わらび粉」は製造に手間がかかり、取れる量も原料全体から5%程度と少ないため希少価値が高く、市販の「わらび餅」は芋などから取れるデンプンを使用して作られるのが一般的。
わらびデンプン100%の「本わらび粉」を使った「わらび餅」は高級和菓子店でも食べられるところは限られており、「本わらび粉」で作られたものは黒いつやと粘りの強さが特徴です。
寧楽菓子司 中西与三郎

今回訪れたのは、奈良県奈良市のならまちエリアにあるお店『寧楽菓子司 中西与三郎』。
大正2年(1913年)に餅屋として創業した老舗で、現在ではならまちエリアを代表する有名和菓子店として知られる存在。
上質なわらび粉を使用した「わらび餅」や、餅粉を使用したカステラ、季節の上生菓子など様々なお菓子を販売。
町屋の古民家を改装した店舗には喫茶「六坊庵」が併設されており、注文後に出来立てで作られる「くず餅」や夏季限定の「かき氷」などが人気とのこと。
今回は喫茶「六坊庵」で長く愛される人気メニュー、プレーンと大和茶2種類のわらび餅に、求肥、粒あん、きなこをトッピングした「六坊(ろくぼう)」目当てに訪問。
アクセス
場所は近鉄奈良駅から徒歩10分ちょいの距離。
駐車場は無いので近隣コインパーキングを利用。
混雑状況

この日は平日の金曜日、お店には14時40分頃に訪問。
この時店内は先客2人のみで空いていました。
メニュー・商品ラインアップ



まだ4月なのにこの日は汗ばむくらいの暑さで、心がかき氷に揺らぎましたが、やっぱりわらび餅が食べたいと思い、目当ての「六坊」を注文!
感想


【六坊 お抹茶付き(冷)】1600円(税込)
思ったよりもサイズは小ぶりの印象。
わらび餅はプルンとモッチリした食感で、単体では上品な甘さ。
大和茶の方はほんのりとお茶の風味が広がり、更に深みのある味わい。

ちなみに「大和茶」についてはこちらの記事に詳しくまとめました。
黒蜜はかかっていないので粒あんと絡めていただきましたが、粒あんは風味豊かでしっかり甘めな濃厚タイプ。
冷やし抹茶は苦味も程よく飲みやすくて、スイーツとも相性抜群。

同行者は通常の「わらび餅」を注文したので少しだけシェアしていただきましたが、わらび餅そのものが美味しいので、個人的にはシンプルにきな粉のみで食べる方が好みという結果でした。
次回はまた暑い時期にかき氷を食べたいと思います。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
寧楽菓子司 中西与三郎
0742-22-3048
奈良県奈良市脇戸町23
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