訪問日:2023年9月17日(日)
「ほうとう」とは
山梨県の代表的な郷土料理として、全国的な知名度を誇る「ほうとう」。
「ほうとう」は小麦粉を練って幅広に切った麺を、かぼちゃを軸とした野菜・山菜などたっぷりの具材と共に、味噌仕立ての汁で煮こんだものが基本形ですが、生地の形状や味付け、具材などは地域・家庭・お店などによって様々。
「ほうとう」はうどんとは異なり麺を打つ際に塩を混ぜないため、塩分を抜くためにあらかじめ茹でる必要がなく、打粉のついた生麺状態から煮込むため、汁にとろみがついて冷めにくいのが特徴。
お店では1人分ずつ鉄鍋で鍋料理や鍋焼きうどんのようなスタイルで提供されますが、家庭では家族分を大鍋で作り、丼や椀に一食分が盛られ主食として提供されるそうです。
埼玉県の「煮ぼうとう」や群馬の「おっきりこみ」など、山梨の他にも群馬、埼玉、長野などで「ほうとう」に近い料理が食べられているとのこと。
「ほうとう」はとても歴史が古く、文献上は江戸時代以降に多く登場するそうですが、名前の由来や発祥地、時期の定説は無いようで、以下のように諸説あるようでした。
○「ほうとう」は「餺飥(はくたく)」の呼び名で、平安時代から貴族が儀式等で食べていたことが知られている。
○戦国時代の武将、武田信玄が考案した陣中食で、自分の刀で食材を切ったことから「宝刀」と名付けられた。
○製粉は穀物を杵で「たたく」ことから、粉にする作業を「ハタク」と呼び、穀物の粉を「ハタキモノ」と呼称するようになったため、「ほうとう」の語源は「ハタク」あるいは「ハタキモノ」が料理名に転用された。
○空いた手間と時間で「放蕩」することが出来るために、「ほうとう」という名称になった。
山梨県では稲作に適さない山間部では近世に養蚕が普及し、餌となる桑の裏作で麦の栽培が行われるようになり、「ほうとう」などの粉食が発展した歴史があるとのこと。
山梨県が次世代への継承に取り組んでいく郷土食176品目「やまなしの食」のうち、さらに代表的な47品目としてしぼられた「特選やまなしの食」に選定。
2007年に農林水産省が全国各地から選定した「農山漁村の郷土料理百選」には「吉田のうどん」と共に「ほうとう」も選出されています。
山梨県内にはほうとう専門店が数多くあるので、旅行に来た際は「ほうとう」の食べ歩きが定番の楽しみの一つ。
お食事処 大豊
今回訪れたお店が、山梨県南都留郡山中湖村にある創作和食料理店『お食事処 大豊(たいほう)』。
オープンは平成元年という情報が出てきました。
こちらのお店では他にない、鯛出汁を使った「塩ほうとう」というメニューがあり、とても魅力的だったので今回初訪問。
アクセス
場所は山中湖IC、花の都公園などからすぐ近く。
駐車場は店舗前にありました。
混雑状況
この日は日曜日、お店には17時50分頃に到着。
この時満席で外待ちがあり、名簿を確認してみると4組9人待ち。
カウンター席が1席空いたそうなので、10分も経たずにすんなりと入れました。
メニュー・商品ラインナップ
メニューはほうとう以外も種類豊富で、特に「塩ほうとう」や「富士桜鱒寿司」がお店のオススメとのこと。
今回は迷わず目当ての『塩ほうとう』を注文!
調理に時間が掛かるとのことで、注文から提供までの待ち時間は30分ちょいかかりました。
感想
【塩ほうとう】1300円(税込)
サッパリとして塩気も控えめな優しい味わい、味噌味のほうとうばかり食べていたので、最初は薄いというか、少し物足りないと思ったのが正直なところ。
しかし食べ進める内にどんどん出汁の旨味を感じ、味に深みが出てきて、最終的にはとても美味しいと感じるように。
麺は定番の極太平打ち、ツルツルの舌触りにモチッとコシ強めの食感。
具材はゴボウ、人参、大根、椎茸、しめじ、白菜、油揚げ、そしてこんがりと焼き目の付いた手羽先が2本。
ほうとうでは定番のかぼちゃが入っていませんでしたが、黄色に濁ったりかぼちゃの味が濃いからですかね?
野菜たっぷりでヘルシー、手羽先はプリっと柔らかでほんのり香ばしく美味しかったです。
別容器にはお好みで入れる柚子胡椒、これがまたピリッと爽やかで相性抜群。
塩味のほうとうは初めて食べましたが、美味しかったです!
また食べに再訪したいですし、次回は「富士桜鱒寿司」も注文したいと思います。
ご馳走様でした!
公式サイト等
https://www.instagram.com/taiho__yamanakako
食べログ
大豊
0555-62-4650
山梨県南都留郡山中湖村山中865-919
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