訪問日:2023年12月29日(金)
にしむら珈琲店
兵庫県神戸市中央区の中山手通に本店を構える、神戸を代表する老舗喫茶店として有名な『にしむら珈琲店』。
創業は1948年。
創業者の川瀬喜代子さんが夫婦でテーブルがたった3つの小さな珈琲店が開いたのが始まりだそうで、4年後に現在の中山手本店の場所に移転。
屋号の「にしむら」は離婚した夫の姓だそうですが、川瀬さんは「お客さんに親しまれているから」と変えなかったそうです。
およそ150年前の神戸港開港とともに、いち早く西洋文化を受け入れてきた神戸では、明治時代からコーヒー豆の輸入が始まり、全国でもいち早く提供するお店が登場。
多くのコーヒー焙煎業者が街に根付いたそうで、戦後には街の復興とともにコーヒーに様々な趣向を打ち出した喫茶店が現れたそうです。
まだ戦後の間もない頃、珈琲豆のかわりに大豆の代用コーヒーしかお目にかかれなかった時代に、いち早く開店したのが『にしむら珈琲店』。
酒処・灘の名水「宮水」で淹れるブレンドコーヒーが定番ですが、ブルーマウンテン、キリマンジャロ、モカなど、日本で初めて産地ごとに豆を淹れ分ける「ストレートコーヒー」をメニューにのせたことでも有名。
またストレートコーヒーの他にも、カプチーノ、ウインナコーヒー、コーヒーゼリーなどを日本では先駆的に導入し、業界のパイオニアとして大きな役割を果たしたそうです。
1974年には、フランス料理店を併設した日本初の会員制喫茶店として「北野坂にしむら珈琲店」をオープン。
舞台関係者、演劇・映画界の名優、各界の名士など数多くの著名人が会員に名を連ねたそうで、阪神・淡路大震災以降に一般にも開放されるようになったそうです。
店舗は2024年10月に公式サイトを確認した時点で、中山手本店、北野坂にしむら珈琲店、三宮店、阪急前店、元町店、ハーバーランド店、御影店、芦屋店、梅田店と神戸を中心に9店舗を展開。
関連店舗として「セセシオン・コンディトアアテリエ」、「ブロートバール・セセシオン」、「みかげ館 但馬牛石焼ステーキ」というお店もあり、オンラインショップも展開しています。
以前から何回か支店に行ったことはありますが、今回は『中山手本店』へ初訪問。
『中山手本店』は震災での被害があった際も修復工事を経て営業再開したそうですが、老朽化も鑑みて、当初のイメージ外観を残しつつ、2006年5月に新たに5階建ての建物として新築されたそうです。
アクセス
場所は各線三宮駅から徒歩10分くらいの距離。
駐車場は無いので近隣コインパーキングになりますが、この辺りは基本値段が高めです。
混雑状況
この日は年末の平日金曜日、お店には朝9時前くらいに到着。
この時満席で外待ちが4人。
中待ち席もあるので、合計の待ち客数は10人ちょいという印象。
席に着くまでの待ち時間は15分くらいでした。
メニュー・商品ラインナップ
今回は8時30分~11時30分の限定メニュー「朝食セット」の中から『サラダセット』を注文。
セットドリンクはブレンドコーヒー、アメリカン、カフェ・オ・レ、エスプレッソ、ブレンドティー、ミックスジュースの中から選べたので、『ブレンドコーヒー』を選択。
感想
【サラダセット(ブレンドコーヒー)】900円
写真ではわかりにくいですが、具材の下のフランスパンは2枚重ねになっていて、サンドしながら食べることが出来ます。
パンはサックリモチッとした焼き加減で、ふんわりまろやかな玉子と、ハムレタスのシンプルな組み合わせ。
味付けは優しめで、シンプルながら美味しかったです。
珈琲豆の焙煎にはドイツ・プロバット社の釜を使用し、毎日必要分のみを焙煎。
古くから全国的に名高い銘水「宮水」を酒造会社の井戸より汲み上げて使用し、ブレンドのドリップには指定で制作を依頼したネルを使用。
また昭和39年に初めて登場して以来、トレードマーク的存在の肉厚のコーヒーカップは、有田の窯元で作られているとのこと。
バランスの良い苦味と甘味に、やや酸味が際立つ香り高いコーヒーで美味しかったです。
北ドイツ風の木組みの様式という独特な外観が目を引き、長年神戸のランドマークとして親しまれている『中山手本店』、ようやく来ることが出来て満足!
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://kobe-nishimura.jp/index.html
食べログ
神戸にしむら珈琲店 中山手本店
078-221-1872
兵庫県神戸市中央区中山手通1-26-3
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