訪問日:2023年12月1日(金)
太平燕とは
主に熊本市内の中華料理店や、家庭で定番の一品になっているというご当地グルメ「太平燕(たいぴーえん)」。
春雨をメインに、炒めた野菜や豚肉、エビ、たけのこ、かまぼこ、椎茸などを入れた具沢山の中華風春雨スープで、その上にはゆで卵を揚げた「⻁⽪蛋(ふーひーたん)」が乗っているのが特徴。
ツルッとのどごしの良い中国産の「緑豆春雨」を使うことが多いそうで、鶏ガラの透明感のあるスープや、豚骨を合わせた白湯スープ、塩味、醤油味など、家庭や店によって材料や味に違いがあるとのこと。
発祥のお店については「中華園」、「会楽園」、「紅蘭亭」、また⻑崎中華街で誕生したなど諸説あり、ハッキリとわかっていないそうです。
中国福建省福州の家庭で盆や正月、その他の祝い事など特別な日に食べるスープ料理がルーツとされていて、明治時代後期に福建省から長崎、熊本にわたってきた華僑が伝えたといわれています。
高級食材の燕の巣の代わりに表面にしわが出た様が燕の巣のイメージということで揚げたゆで卵の「⻁⽪蛋」を使い、フカヒレの代わりに春雨を使うなど、創作が加えられたという説があるそうです。
しかし「紅蘭亭」の公式サイトによると、熊本地局のKKTが福建省ロケを敢行した際は、現地の市街地に「太平燕」と書かれた看板があったものの、肉だけで皮もつくる「燕皮」という肉団子のスープだったそうで、現地にある「太平燕」は熊本のものとは似て非なるものだったとのこと。
とても手間がかかり、現地の人でも故郷を旅立つ時などにしか食べれないお祝い特別料理だったそうで、「太平燕」はどうやら九州に渡った華僑達が名前だけを拝借したのでは、と書いてあり、結局正確なルーツや歴史はよくわからない感じでした。
日本では各地の中華料理店などで提供しているお店が一部ある他、熊本を拠点に日本各地に店舗を持つ「味千ラーメン」のメニューにあることを除けば、基本的に熊本県中部のみで提供されている料理だそうです。
紅蘭亭

今回訪れたのが、上述の「太平燕」発祥のお店の一つといわれている、熊本県熊本市にある『紅蘭亭(こうらんてい)』。
1934年に創業した老舗中華料理店で、メディアで数多く取り上げられ、「太平燕」の提供店を調べるとまず間違いなく真っ先に紹介される代表格。
2021年には食べログの中国料理百名店にも選出されています。
2024年8月に公式サイトを確認した時点で、店舗は「紅蘭亭 下通本店」と「上通パビリオン紅蘭亭」(休業中)があり、オンラインショップも展開。
また熊本初の洋菓子専門店として誕生した「スイス」もグループ会社になっているとのこと。
今回は熊本地震の影響で2020年5月に4年ぶりに再オープンした『紅蘭亭 下通本店』へ行ってきました。
混雑状況

この日は平日の金曜日、お店には19時20分頃に訪問。
この時2階席に案内していただきましたが、客入りは2~3割くらいだった印象。
メニュー・商品ラインナップ








メニューは公式サイトに一覧が掲載されています。
今回は目当ての『太平燕』を単品で注文!
感想

【太平燕】1080円(税込)
スープは鶏ガラと豚骨の共出しで、春雨は緑豆100%、塩は世界でも数少ない天日干しの福建天然塩を使用。
白濁したスープに野菜や魚介の具材がたっぷり入り、もちろんに太平燕には欠かせない「⻁⽪蛋」もトッピング。

見た目はちゃんぽんのようですが、麺は綺麗に透き通った春雨。
ほんのりコクがあり旨味もしっかり効いていますが、ちゃんぽんのようなイメージとは裏腹に、とても優しくてあっさりとした味わい。
春雨はツルッとシコシコで歯切れの良さと弾力を兼ねた触感。
野菜はしんなりシャキシャキで、写真ではわかりにくいですがエビ、イカ、豚肉など色々入っていました。
あっさりヘルシーで美味しかったです。
「太平燕」はまだこちらのお店でしか食べたことがないので、次回は何軒か食べ歩きを楽しみたいと思います。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
紅蘭亭 下通本店
096-352-7177
熊本県熊本市中央区安政町5-26 2~6F
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