訪問日:2019年5月2日(木)
熊襲亭

昭和41年創業、鹿児島市の繁華街天文館にある、薩摩郷土料理を多種多様な焼酎と共に楽しめるお店『熊襲亭 (くまそてい)』。
店名は大和時代に南九州で勢力を誇った熊襲族が由来だそうです。
こちらのお店は「正調さつま料理」をコンセプトに掲げており、“鹿児島のすばらしい素材を使った鹿児島ならではの料理をコース仕立ての料理で伝えよう”と初代が考案したもの。
さつま揚げ、きびなご、とんこつといった色々な薩摩料理を、少しずつ楽しめるコースを豊富に取り揃えており、県外の観光客にはとても魅力的なお店です。
以前一度利用させていただきましたが、黒豚のしゃぶしゃぶやきびなご刺身、さつま揚げなどが楽しめるコースを注文し、美味しいだけでなく、価格もお手頃で大満足でした。
鹿児島名物が食べられるお店を聞かれた際は、よくこちらのお店をオススメしています。
今回は伝統的な薩摩料理の一つ「酒ずし」を目当てに訪問。
酒ずしとは
「酒ずし」は江戸時代からの歴史があるといわれる郷土料理で、酢を使用せず、酒をまぶしたご飯に、海や山の幸、季節の食材を散らし、半日ほど寝かせて発酵させる、その名の通りお酒を使って作るお寿司。
お酒には清酒ではなく、地酒の「灰持酒(あくもちざけ)」が使われることが特徴。
「灰持酒」は清酒をつくる過程のもろみに灰汁を加えて絞ってつくるもので、この製法によって保存性が高まることから、「灰汁で日持ちをよくした酒」ということで「灰持酒」と呼ばれるようになったとのこと。
鹿児島県は温暖な気候のために、昔は一般的な清酒づくりには適さず、代わりにこの灰持酒の製造が盛んになったそうで、みりんの代わりに使ったり、おとそとしても飲まれているそうです。
誕生の背景には、「島津のお殿様が宴会を開き、残った酒と御飯を一緒にしておいたら翌日発酵し、豊かな芳香を漂わせていた」という説や、「男尊女卑が強い薩摩の国では女性が男性の前でお酒をたしなめなかった為、女性が酒ずしを考案した」など諸説あるとのこと。
現在酒ずしを提供しているお店はかなり少なくなっているそうですが、こちらの熊襲亭では特に力を入れているメニューだそうです。
作るのに時間と手間がかかるため、予約制にしているお店が多い中、熊襲亭は毎日仕込んでいるので、予約無しで食べられるというのも魅力的。
アクセス
場所は天文館通駅が最寄りで徒歩5分ほどの距離。
駐車場は店舗の隣に2台分あります。
また満車で有料駐車場を利用した際は、料金を一部負担してくれるサービスもあるようです。
混雑状況
この日はゴールデンウィークの祝日木曜日、お店には20時前の訪問。
そんなに待ち時間は無くすんなり入れました。
退店時は少し混んでいたので、タイミング良かったです。
メニュー・商品ラインナップ












メニューはとにかくコースが豊富。
お手頃価格から高価格帯まで、内訳によって様々。
夜よりも昼のメニューは特にお得です。
酒ずしの入ったコースもありましたが、既に連食を経てお腹はそこそこ満ちており、締めにこちらのお店に来たので、今回は単品で注文。
感想

【名物 酒ずし】1620円(税込)
大きな桶で大量に作るので、一人前は小さな容器にカットして盛り付けるそうです。
熊襲亭の酒ずしには9種類の具材を使用しており、内訳はタケノコ、ツワブキ、シイタケ、厚焼玉子、イカ、エビ、タイ、ミツバ、木の芽。
具材の持ち味を活かし、全体にまとまりを持たせるため、それぞれの素材を異なる味付けで仕込み、とても手間がかかるそうです。
ご飯はほんのり甘くて芳醇なお酒の風味が広がり、初めて食べる独特で不思議な味わい。
想像以上にお酒が強くて驚きます。
最初は馴染み無さすぎて違和感がありましたが、食べていくうちにどんどんこの味の魅力にハマっていきます。
具材はそれぞれ素材の味が活かされており、とても風味豊か。
特にタイはとろけるような柔らかさに旨味が凝縮されており、絶品でした。
また、タケノコはシャキシャキ食感で良いアクセント。
意外と量が多くてかなり満腹に。
終盤はお酒の風味がより強くなって、普通に酔っ払いそうでした。笑
これお酒が苦手な人は絶対食べられない料理だと思います。笑
美味しかったです、酒ずし。
まだこれが初めての酒ずしなので、他のお店のものも食べ比べてみたいところ。
そして熊襲亭はやっぱり良いお店だと改めて実感しました!
ご馳走様でした!
公式サイト等
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食べログ
熊襲亭
050-5868-9257
鹿児島県鹿児島市東千石町6-10
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