訪問日:2025年9月10日(水)
柿の葉寿司とは
一口大の酢飯に鯖や鮭などの切り身を合わせ、柿の葉で包んだお寿司「柿の葉寿司」。
全国的には特に奈良県の名物として知られていますが、他にも和歌山県や石川県の加賀地方、鳥取県智頭地方にもあり、作り方や形状、使うネタなど色々違いがあるようです。
和歌山では紀の川流域のかつらぎ町や九度山町など伊都地方の郷土料理として伝わっており、特に九度山町は富有柿、かつらぎ町はたねなし柿の産地として有名。
ちなみに柿の生産量は和歌山県が日本一とのこと。
奈良や和歌山での起源は一説によると、江戸時代に熊野灘で水揚げされた鯖に浜塩(大量の塩を魚の腹に詰め込んで魚が傷むのを遅らせる保存法)をし、2〜3日かけて運ばれたそうですが、着いた頃には塩気が強かったため、薄くそぎ切りにしてご飯と一緒に食べる方法として考案されたのが柿の葉寿司の始まりだそうです。
当初柿の葉寿司は木の寿司桶に入れて重石を置き、酢を使わずに1ヶ月ほど熟成発酵させて作る生なれずしだったそうですが、醸造酢が普及した頃から酢飯が使われるようになったそうです。
柿の葉で包むのは地域に伝わる伝統的な保存技術で、乾燥を防ぎ、柿の葉の香りが鯖の臭みを中和、柿の葉に含まれるタンニンには抗菌作用、防腐作用、タンパク質を凝固させる性質があるために鯖の身が締まるなど、様々な効果があるとか。
海から遠く離れた地域では魚は貴重なタンパク源であり、柿の葉寿司は祭りや慶事に欠かせないハレの日のご馳走として重宝されたそうです。
現在では季節や祭りにかかわらず、一年を通して様々な具材を使って食されており、専門店をはじめ、道の駅や百貨店などでも和歌山の特産品として販売、一部地域では小学校での調理実習を通じて伝承活動も行っているとのこと。
九和楽


今回訪れたのは、和歌山県九度山町にある柿の葉すし専門店『九和楽(くわらく)』。
創業は2002年。
和歌山の柿の葉寿司では、鯖や鮭の他にも「椎茸」が具材の定番という印象ですが、こちらのお店の椎茸の柿の葉寿司は令和元年度に「プレミア和歌山(和歌山県優良県産品)」の奨励賞を受賞した実績を持つとのこと。
テレビや雑誌など様々なメディアにも取り上げられている有名店なので、以前から気になっており今回初訪問。
アクセス
場所は九度山駅から徒歩6分くらいの距離。
駐車場は店舗周辺にありました。
混雑状況
この日は平日の水曜日、お店には9時半頃に訪問。
この時他に先客はおらず私のみでした。
メニュー・商品ラインアップ


鯖以外の鮭、椎茸、鯛の柿の葉寿司は本来前日までに予約が必要ですが、注文よりも多めに作っているそうで、確認してみたところ、この時販売可能とのこと。
元々一番食べたかったのは椎茸ですが、予約のことを知らなかったので、まだ数が残っていて本当に良かったです。
感想


【5個入り 4種詰合せ(鯖2・鮭1・鯛1・椎茸1)】810円(税込)
お店によっては食べ頃は塩気が馴染んでまろやかになる1日後という説明がありますが、こちらのお店では出来立てで食べるのもおすすめとのこと。
実際に出来立てで食べると少し塩気が強めに感じることもありますが、確かにこちらのお店のものは買ってからすぐに食べても、塩味・甘味・酸味のバランスが良くまろやかで、とても美味しいです。

鯖はやや濃いめの味付けで濃厚な旨みがあり、鮭はしっとりとなめらかな舌触りであっさりと上品な味わい。

鯛はプリッと感としっとり感が合わさった食感で、ほんのりと酸味のある後味。
椎茸はプリッとした食感で、濃いめの甘辛味が利いており、とても美味しかったです。
個人的には鯖と椎茸のお寿司が特にお気に入り。
また近くに来た際はお土産に買って帰りたいお気に入りのお店になりました。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
九和楽
0736-54-2600
和歌山県伊都郡九度山町九度山1353
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