訪問日:2025年4月25日(金)
三輪素麺とは
奈良県桜井市を代表する名物「三輪素麺(みわそうめん)」。
そうめんが有名な地域は播州(兵庫)、小豆島(香川)、島原(長崎)、半田(徳島)など日本各地にありますが、発祥の地は奈良県桜井市が有力な説といわれています。
三輪にある日本最古の神社「大神(おおみわ)神社」には、今からおよそ1200年余り前、大神神社の第12代宮司の次男穀主朝臣が三輪の里に小麦の種を撒き、実った小麦で初めてそうめんを作り、飢饉に苦しむ人々を救ったという伝説があるとのこと。
今でも大神神社祭神は素麺の守護神とされており、その年の三輪素麺の卸値を占う祭典「卜定祭(ぼくじょうさい)」が大神神社で営まれています。
そうめんは奈良時代に唐から伝来した唐菓子の一つ「索餅(さくべい)」が原形といわれており、これは小麦粉をこねて細長くし、縄のようによじったもの。
鎌倉時代になると中国から碾臼が入ったことから製粉技術が向上し、油を使って麺を伸ばす製法が取り入れられ、現在のような細くて長い形状になり、室町時代の頃にはほぼ製法が完成して「素麺(そうめん)」という呼び名に変わっていったとのこと。
江戸時代になると大神神社の門前町だった三輪はお伊勢参りの宿場として栄えるようになり、「三輪素麺」は訪れた人々を魅了し、当時の各地の名産品を紹介した書物「日本山海名物図会」において「三輪素麺は日本一」と絶賛されているそうです。
桜井市では長年伝統的な製法が受け継がれてきた地域ブランドである「三輪素麺」の普及などを目的とした「桜井市三輪素麺の普及の促進に関する条例」を制定。
平成28年3月29日には「三輪素麺」のブランド力向上のため、その地域ならではの自然的、人文的、社会的な要因の中で育まれてきた品質、社会的評価等の特性を有する産品の名称を、地域の知的財産として保護する国の制度「地理的表示保護制度(GI)」にも登録されています。
桜井市にはそうめん料理の人気店が数多くあり、夏は「冷やしそうめん」、冬は「にゅうめん」として年間を通してそうめんを食べる食文化が根付いているとのこと。
「にゅうめん」はそうめんを温かい出汁で食べる料理で「煮麺」が訛った呼び名と考えられており、こちらも奈良県発祥といわれています。
またパスタ風や焼きそば風などそうめんを使ったアレンジレシピも考案され、様々な料理で食べられています。
てのべ たかだや

今回訪れたお店は、奈良県桜井市大字芝にあるそうめん専門店『てのべ たかだや』。
こちらは昭和8年(1933年)の創業以来、手延そうめん一筋に製造・販売を続けてきた「株式会社マル勝髙田商店」が運営するお店。
こちらのお店は素麺発祥の地である三輪から新時代の素麺を「新しい食べるシーンを生み出すこと」をコンセプトに、四季を通じてもっとカジュアルに素麺を食べてもらいたいという想いから、2020年にオープンしたお店だそうです。
定番メニューだけでなく様々な創作そうめん料理を取り揃えた魅力的なメニューラインアップに惹かれ、今回初訪問です。
アクセス
場所は三輪駅から徒歩17分くらいの距離。
駐車場も店舗周辺にありました。
混雑状況
この日は平日の金曜日、お店には13時過ぎに訪問。
この時店内にはお客さんも結構多かったですが、空席はあり待ち時間無くすんなり入店。
メニュー・商品ラインアップ



今回は温かい「にゅうめん」が食べたいと思い、少し変わり種のお出汁「海老塩金つゆ」で食べるにゅうめん『温(おぼろ)』を注文。
麺は定番麺の「つるり」と、通常のそうめんの1/2の細さに延ばした「さらり」から選べるので、『つるり』を選択。
感想


【温(おぼろ) つるり】693円(税込)
「海老塩金つゆ」はいりこと干しエビの出汁に梅酢を加えて、さっぱりと仕上げた上品な味わいの塩つゆ。
「つるり」はエキストラバージンオリーブオイルを使用して一年以上熟成させた「古物(ひねもの)」の手延べ素麺。
提供時に全部飲めるつゆに仕上げてありますという説明がありましたが、確かに一般的なうどん・そばなどのかけつゆに比べると、かなり優しめの味付け。
正直最初は薄くてボヤッとした味に感じたのですが、徐々に慣れてくるとどんどん美味しさが増し、魚介出汁と昆布、七味の風味が利いた深みのある味わいに。
麺はつるりとシコシコ食感で喉越し抜群。
具材は昆布がたっぷり入っていて、ゆずの皮も苦味や酸味がなく爽やかな味わいを楽しめました。
そうめんだけでなくいなり寿司も個性的でとても美味しそうだったので、次回は未食のメニューと共にいなり寿司も注文したいと思います。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://www.tenobetakadaya.com
食べログ
てのべ たかだや
0120-38-3876
奈良県桜井市大字芝374-1
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