訪問日:2021年5月1日(土)
遠野ジンギスカンとは
岩手県遠野市(とおのし)を代表する名物の一つ『遠野ジンギスカン』。
市内のスーパーなどでも当たり前のように生の羊肉が売られており、焼肉=ジンギスカンというくらい、遠野の人にとってジンギスカンはとても馴染みがある料理だそうです。
ジンギスカンといえば真っ先に北海道が浮かぶイメージですが、遠野市では北海道など国内の他の地域とは無縁で始まった名物とのこと。
遠野ジンギスカンの元祖といわれているお店「あんべ」の公式サイトに、遠野ジンギスカンの歴史について詳しく書いてありました。
遠野では1930年頃から羊肉が「ジンギスカン」という形で食べられていたそうですが、岩手県内でおそらく最初に一般に紹介したのが、あんべの初代安部梅吉さんだそうです。
従軍中に旧満州で羊肉料理を口にする機会があり、帰国後に精肉店兼食堂を開業したものの、羊肉の美味しさを忘れられなかったことから、自ら羊肉を取り寄せて家族で賄い料理として食していたとのこと。
客人に賄いジンギスカンを振る舞ったところ非常に喜ばれたため、その味を広めようと昭和30年頃から店頭にジンギスカンを出し始めたそうです。
当時は冷蔵・冷凍技術が未発達で、輸入羊肉は低品質な冷凍マトン肉が主流だったそうですが、遠野では多くの農家でホームスパン用に羊を飼育しており、新鮮な食材が調達ができたため爆発的にジンギスカンが普及したとのこと。
しかし遠野の綿羊は食べ尽くされてしまったため、その後は輸入肉が中心になったそうです。笑
また遠野ジンギスカンで一番特徴的なのが、あんべの2代目が考案したという、野外で「バケツ」を使って食べる独特のスタイル。
遠野では野外のイベントが盛んに行われたため、七輪や鍋を配達することが多かったそうです。
しかし運搬中に七輪が割れてしまうことがあったため、ブリキのバケツに吸気口の穴を開け、ジンギスカン鍋と組み合わせて使用する「ジンギスカンバケツ」を考案。
市内の精肉店やスーパーでも当たり前のように鍋とバケツの貸し出しが行われているそうです。
お肉をタレに漬けた「味付け」ではなく、焼いたお肉をタレにつけて食べる「後付け」が基本なのも遠野ジンギスカンの特徴。
以前一度「あんべ」を訪れた際、感動するほど美味しかったので、遠野を訪れた際は必ずジンギスカンを食べようと決めました。
遠野食肉センター

今回訪問したのが精肉店直営のジンギスカンの人気店『遠野食肉センター』。
精肉の問屋(加工・卸)や貿易外船との取引を行い、「食肉」の職人として修業を重ねた創業者が、1965年にオープンしたお店だそうです。
本店の他、矢巾店、盛岡木伏店があるようで、今回は本店を訪問。
アクセス
場所は遠野駅から徒歩34分くらいの距離。
遠野バイパス沿いの立地で、駐車場は50台分あるとのこと。
混雑状況
この日は土曜日、お店には17時前に訪問。
この時店内は客入り5~6割くらいで待ち時間無く入店。
メニュー・商品ラインアップ







こちらのお店では、特にオーストラリアやニュージーランドなど、海外産の『生のラム(生後1年未満の仔羊)』にこだわっているそうです。
肉だけでなくホルモン類や、ラムを使ったサイドメニューが豊富なのも嬉しいですね。
感想


今回は『肩ロース 野菜付き』1298円と、『本日の厳選ホルモン3種盛り(150g)』1518円を注文。
価格はいずれも税込表記です。
【食べ方】
①野菜を鉄板の外側に並べて、肉は中央部分で直に焼く。
②片面を約1分弱、肉が縮んできたら裏面を焼く。
➂両面とも赤みが抜けたらお好みで焼き目をつけて完成。野菜はラムの肉汁を絡めながら焼き上げて、自家製タレをつけて食べる。
タレは甘口、中辛、辛口、こども用があり、オススメという中辛を選択。

肩ロースはしっかり焼き目が付くくらい加熱しても、モチッと柔らかくジューシー。
脂も適度であっさりといただけます。
タレはたっぷりのおろし玉ねぎが効いた甘辛濃厚、ほんのりとピリ辛な後味。
ご飯は注文していませんが相性抜群なのが間違いないです。
ホルモン盛りはこの日ハツ(心臓)、レバー(肝臓)、ホルモン(胃)の3種類。
ハツはプリプリで柔らかく、あっさりクセのない味わい。
レバーは少し臭いが強く、パサっとかための食感。
ホルモンはピリ辛の味噌味が効いていて、意外に脂控えめで弾力のある食感。
ホルモンもどれも美味しかったですが、何より肩ロースは絶品。
あんべでも感動しましたが、こちらのお店も素晴らしくて、遠野のジンギスカンはレベルが高いなと改めて思いました。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://tonosyokunikucenter.jp
食べログ
遠野食肉センター レストラン
0198-62-2242
岩手県遠野市松崎町白岩20-13-1
コメント