訪問日:2024年9月1日(日)
ババヘラアイスとは
秋田県のご当地スイーツとして知られている「ババヘラアイス」。
「ババヘラアイス」はシャリシャリとしたシャーベット状のピンク色(イチゴ味)と黄色(バナナ味)のアイスを、バラの花のような盛り付けで提供されることが特徴。

また固定の店舗ではなく、幹線道路沿いやイベント会場、お祭り、道の駅などで、カラフルなパラソルを差しながら露店販売されるのが基本スタイル。
降雪期を除いた春から秋にかけて販売されるそうですが、一般には夏場に出店されることが多く、秋田の夏の風物詩となっています。
売り子さんの大半が農業や家事の合間を縫って働く中高年の女性たちのため、「ババ」(秋田の方言でおばあさんに親しみを込めた呼び名)が「ヘラ」を使ってアイスを盛り付けることが名前の由来だそうです。
誕生して間もない頃は地域によって呼び方も様々だったそうで、盛り付けも昔はシンプルな形だったそうですが、売り子さんたちのお客さんを喜ばせたい、美味しく食べてもらいたいというおもてなしの心で現在の形になったといわれています。
またイチゴ×バナナが定番ではありますが、お店によってはメロン、ぶどう、ソーダなど様々なフレーバーが販売されています。
その歴史については以下のように諸説あるようでした。
先代児玉正吉が考案してアイスキャンディーを自転車の荷台に乗せて売りに歩いたのが始まりです。アイスは丸い缶に入れて、赤(ピンク)色(イチゴ味)、黄色(バナナ味)の2色を作り、そのアイスと同じ色のパラソルを立てて、県内の国道や県道沿いで販売しておりました。現在はお祭りやイベント会場などで売り子さん(おばあちゃん)がアイスクリームを盛るという販売形態で秋田の夏の風物詩となっています。売り子さん(おばあちゃん)がヘラでアイスを盛ることから名付けられ、児玉冷菓のババヘラアイスとして、販売しております。
https://www.kodamareika.com/
児玉冷菓公式サイトより
地元農家のおかあさんたちが、体の空いた時間にアイスを売り歩いたのが始まり。看板になっているパラソルは、二代目(現会長)が炎天下で働くお年寄りへの思いやりから、 現在のスタイルとなっています。
https://babahera.net/
進藤冷菓公式サイトより
1948年(昭和23年)に児玉冷菓創業者の児玉正吉が、冷凍機を導入してアイスキャンデー屋を開業し、「悪くなる前に売り切る術に長けている」魚屋に委託して行商を始めたのが起源とされる。現在でもババヘラ販売業者が八郎潟周辺に集中しているのは、八郎潟で漁獲した魚の販路に乗っていた名残とされている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%90%E3%83%98%E3%83%A9
Wikipediaより
また商標関係についても色々あったようで、商標審決データベースにはババヘラアイスの歴史について詳しくまとめてあり、以下のように書いてありました。
「ババヘラ」あるいは「ババヘラアイス」の誕生の地は、現在の男鹿市角関崎(旧若美町、2005年に男鹿市と合併)と考えられており、このアイスが生まれたのは、第二次世界大戦後の厳しい食糧事情とインフレのさなか、菓子職人であった児玉冷菓(男鹿市角関崎宇百日木30)の創業者が昭和23年に旧若美町(潟西村)の角関崎においてアイスキャンディーの製造・販売を始めたのが契機である。
https://shohyo.shinketsu.jp/decision/tm/view/ViewDecision.do?number=1233438
その後、児玉冷菓が進藤冷菓(男鹿市角間崎宇下屋長根12-1)・杉重冷菓(男鹿市五里合神谷宇鮫の口122)にアイスを卸し、共に販売を始めたのが現在のババヘラアイスに至る道程の第一歩であった。そして、少し遅れて千釜冷菓(男鹿市船越字根木1-105)、若美冷菓(男鹿市払戸)、三浦商店(潟上市飯田川町)が設立された。
この南秋田地区で製造された最初のアイスキャンディーは、長方形のアイスキャンディー、ダルマの形をしたダルマキャンディー等であり、自転車の荷台にアイスボックスを乗せて売っていたものである。
また、ババヘラアイス誕生の地である旧若美町潟西村の人々は、米作を中心とする単作農家でありながら小作農家が多く、水田所有面積が狭いこと、毎年のように八郎潟の洪水被害や病害虫被害に見舞われたこと等の厳しい環境のなかで、女性の出かせぎが少なく家庭を守る主婦が多く残されたことが、このアイスの販売を拡大させる体制を確立させたのと考えられている。
そして、昭和29年頃になるとアイスをコーンの容器に入れて販売するようになり、現在のババヘラアイスの形に近づくことになる。
その後、秋田県内各地の運動会やお祭りなどの種々の催し物に出向いて販売するようになったが、催し物会場に業者が多すぎて店を出せなくなり、モータリゼーションが加速された昭和39年ごろから、その会場の外にある道路で販売を始めたのが発端といわれている。
そして、当初は、「交通安全アイス」などと掲示されていたが、昭和50年ごろに、当時の高校生の間から生じた呼び方という説、秋田県内を案内していた観光バスのバスガイドが、乗客の質問にとっさに答えたのがはじまりという説など多数があり、どれが正しい説なのか定かではないが、1970年代に「秋田県内の路上で年配女性がヘラを用いて盛りつけるアイスクリーム」のことを「ババヘラ」または「ババヘラアイス」と命名され、1980年ごろには一般に「ババヘラ」または「ババヘラアイス」と呼ばれるようになった。
商標審決データベースより
見た目も個性的ですが、味も昔懐かしい独特な感じがして大好きなので、秋田に行った際は必ず食べたくなる「ババヘラアイス」。
お店の公式サイトを見てもどこで販売しているのかわからず、今回は秋田旅行中に偶然見かけた「千釜冷菓」、「児玉冷菓」、「進藤冷菓」、3店のババヘラアイスを食べることが出来ました。
千釜冷菓

こちらは公式サイトに出店マップも掲載されていましたが、書いてある内容が2007年だったり情報が古く、更新されてない印象を受けます。
創業年などお店の詳細もよくわかりませんでした。


今回は巨大なまはげ像がある、男鹿総合観光案内所の前で発見。
こちらのお店では「ババヘラ」の文字は見当たらず、単に「アイス」と書いているだけでした。

【アイス】250円(税込)
サラリとなめらかな舌触り、バナナとイチゴ両方の味がバランスよくしっかり主張し、特にイチゴシロップみたいな風味が効いたイチゴ味が好みで美味しかったです。
児玉冷菓

昭和23年に創業したお店で、ババヘラアイスの元祖ともいわれています。

今回は「道の駅おが なまはげの里オガーレ」で購入。

【児玉冷菓のババヘラアイス】250円(税込)
サラッと柔らかな食感でサッパリとした甘さ、特に黄色のバナナ風味が前面に出た味わいでした。
進藤冷菓

創業は1953年だそうです。
創業者は元々農業を営んでいたそうですが、当時高級品だったバナナとイチゴを地域の子ども達に手軽に味わってもらう方法として、ババヘラアイスの販売を開始したそうです。



今回は「道の駅おが なまはげの里オガーレ」で「ババヘラアイス」と、「ポートタワーセリオン」がある「道の駅あきた港」限定販売の「ババヘラソフト」も購入!

【ババヘラアイス】250円(税込)
こちらはイチゴの方が前面に出た味わいで香り高くフルーティ、バナナはあっさりしていて、よりなめらかでねっとりした質感でした。

【ババヘラソフト】350円(税込)
こちらはサッパリしたババヘラアイスとは異なりしっかり甘めの濃厚仕様。
イチゴとバナナのミックスソフトで、これはこれでまた美味しかったです。
今回食べ比べたババヘラアイスの中では、個人的に「千釜冷菓」が優勝でした!

ババヘラアイスは露店販売だけでなく、こんな感じの商品も色々なお店で販売していて、オンラインショップでも購入可能。
「ポートタワーセリオン」からの眺めも綺麗でした。
ご馳走様でした!
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