訪問日:2026年10月28日(水)
りんご王国 青森県

全国のりんご収穫量の約6割を占め、日本一の産地として知られる青森県。
県西部の津軽地方を中心に栽培が盛んで、中でも弘前市、黒石市、平川市、藤崎町など、中南地域が栽培面積の66.1%を占めています。(資料:R7青森県りんご果樹課)
りんごの原産地は、中央アジアのコーカサス山脈と、中国の天山山脈を中心とした山岳地帯と考えられており、各地へ伝わる過程で交雑や改良が重ねられ、現在の多彩な品種につながってきたといわれています。

日本では西洋りんごが普及する以前から、中国から伝わった小粒の「和りんご」が栽培されていたとのこと。
伝来時期には諸説ありますが、平安~鎌倉時代とされ、江戸時代には長野の「高坂りんご」や滋賀の「彦根りんご」などが知られ、食用のほか、お盆のお供え物などにも利用されていたそうです。
明治時代に西洋りんごが本格的に導入されると、次第にこちらが主流となり、和りんごの栽培は衰退しましたが、現在も「高坂りんご」など一部の系統が受け継がれています。
青森りんごの始まりとされるのは、1875年(明治8年)春、内務省勧業寮から配布された西洋りんごの苗木3本が、青森県庁の構内に植えられたこと。
その後も苗木の配布や試験栽培が進められ、1877年(明治10年)には弘前で初めての結実を記録。
栽培の普及には旧弘前藩士の菊池楯衛(きくちたてえ)らが尽力し、苗木の育成や技術の指導が行われました。
明治時代には鉄道の開通によって遠方への輸送条件も整い、販路が拡大。
一方で病害虫の大発生などにも見舞われましたが、袋かけ栽培や防除技術の普及、試験研究の積み重ねによって、現在の大産地へと発展してきたそうです。
青森県は夏でも比較的冷涼で、朝晩の寒暖差があり、りんご栽培に適した気候が特徴。
さらに、枝を整える剪定、実の数を調整する摘果、果実の日当たりをよくする葉つみや玉まわしなど、一年を通じた細かな手入れがおいしさや美しい外観を支えています。

県内では主に約50種類が栽培され、そのうち約40種類が市場に出荷されているとのこと。

主力は「ふじ」で、2025年の品種別栽培面積では約47%を占めており、次いで「つがる」、「王林」、「ジョナゴールド」が多くなっています。(資料:青森県りんご対策協議会)

中でも「ふじ」は青森県藤崎町が発祥の地であり、農林省園芸試験場東北支場で育成された品種。
1939年(昭和14年)に「国光」と「デリシャス」を交配し、長年の選抜や試験栽培を経て、1962年(昭和37年)に命名・登録されました。
シャキシャキした食感と豊富な果汁、甘みと酸味のバランスが魅力です。
ほかにも、酸味が穏やかで甘みを感じやすい「つがる」、芳香と甘みが特徴の「王林」、甘酸っぱく生食にも加工にも向く「ジョナゴールド」、黄色い果皮で香り豊かな「トキ」、アップルパイなどに使われる酸味の強い「紅玉」、大玉で香りのよい「陸奥(むつ)」など、品種によって味わいや用途も様々です。
ちなみに、店頭で見かける「ふじ」と「サンふじ」は同じ品種で、主な違いは栽培方法。
袋をかけて育てる有袋ふじは着色や貯蔵性に優れ、袋をかけずに育てるサンふじは、甘みや香りが強くなる傾向があるそうです。
収穫は主に8~11月にかけて行われ、品種ごとに順番に旬を迎えます。
また、冷蔵設備に加え、果実の呼吸を調整して鮮度を保つ「CA貯蔵」が普及していることも青森りんごの強み。
貯蔵性の高い品種と保存技術を組み合わせることで、翌年の春や夏にも出荷され、一年を通して楽しめるようになっています。
生の果実だけでなく、ジュースやジャム、アップルパイ、りんご飴などのお菓子、りんごの醸造酒であるシードルなど、様々な形で味わえることも魅力です。

中でも「アップルパイ」は大人気で、弘前市では「弘前アップルパイガイドマップ」も作られるなど、食べ比べが観光の楽しみの一つになっています。

また、りんごの収穫時期には、真っ赤な実がたわわに実るりんご畑の絶景も、青森ならではの見どころ。
収穫体験を楽しめる農園もあり、自分の手でもぎ取る楽しさや、採れたての美味しさを通して、りんごの産地ならではの秋を満喫できます。
ふじさきまちのりんごあめ


今回訪れたお店は、青森県藤崎町の国道7号沿い、「ふじさき食彩テラス」の農産物直売所内にある『ふじさきまちのりんごあめ』。
りんご「ふじ」発祥の地で、地元産りんごの美味しさを楽しめるりんご飴専門店です。
オープンは2022年3月26日。

運営は「ふじさき食彩テラス」を手掛ける「株式会社ふじさきファーマーズLABO」で、地元の農産物の販売や、地域の食材を使った商品開発などに取り組んでいます。
なお、施設自体は2018年4月30日にオープンしています。


誕生の背景には、首都圏を中心にりんご飴専門店が人気を集める一方、りんごの本場である青森県では専門店が見当たらなかったことがあるそうです。
そこで、産地ならではの美味しいりんご飴を作りたいと、2021年10月から新たなりんご商品の開発に着手。
地元のりんごの魅力を、新しい食べ方で伝える商品として誕生しました。
確かにりんご王国である青森県でも、調べてみると意外とりんご飴専門店が見当たらず、こちらのお店はとても貴重な存在。
訪問当時に私が調べた結果では、りんご飴自体は他のお店でもいくつか販売されているものの、専門店として見つけることが出来たのはこちらのお店1店舗のみでした。
りんごの本場で作られる専門店のりんご飴をぜひ味わってみたいと思い、今回初訪問です。
アクセス
場所は北常盤駅から徒歩24分くらいの距離。
駐車場は店舗前にありました。
混雑状況
この日は平日の水曜日、お店には13時50分頃に訪問。
この時待ち列はなく、すんなりと購入できました。
メニュー・商品ラインナップ

メニューは「まるごと」と「カップ」の2種類で、すぐに食べる場合は「カップ」がおすすめとのこと。
こちらは果汁で飴が溶けやすいので、30分以内に食べる必要があります。
「まるごと」で持ち帰る場合も、食べる際は丸かじりより、食べやすい大きさにカットすることが推奨されています。
今回は購入後すぐに食べるので「カップ」を購入しました。
「ふじ」発祥の地なので、基本的に「ふじ」を使っていると思ったのですが、季節によっておいしい品種を厳選しているそうで、この日は「トキ」という品種が使われていました。
感想

【カップ(トキ)】600円(税込)

トキ
青森県五所川原市の土岐傳四郎氏が育成した、黄色いりんご「トキ」。
1985年から育成が始まり、長年の試験や特性調査を経て、2004年(平成16年)11月8日に登録された品種で、名前は育成者の「土岐」に由来します。
親品種は、母親に当たる「王林」と父親に当たる「ふじ」。
登録当初は「王林」と「紅月」の交配とされていましたが、その後の遺伝子型の調査から、現在は「王林」×「ふじ」として紹介されています。
果実は300~400gほど、丸みのある形と黄色い果皮が特徴で、日に当たった部分がほんのり赤く色づくこともあります。
果肉は緻密で、シャキシャキとした歯ざわりと豊富な果汁が魅力。
甘みが強く、穏やかな酸味が味を引き締め、王林譲りの華やかな香りも楽しめます。
青森県での収穫時期は9月下旬~10月上旬頃。
秋に旬を迎える中生種で、香りやみずみずしさ、食感の良さをそのまま味わえる生食に向いた品種です。

飴はカリッとパリパリで、りんごはシャキシャキとしたしっかり食感。
飴に負けない甘さと香りがしっかりとありつつ、程良い酸味が相まってさっぱりとした後味。
個人的には「ふじ」の赤いりんご飴が食べたいと思っていたのですが、多分「トキ」は今回初めて食べる品種で、その美味しさを知れたのは良かったです!
お店がある場所は弘前市から青森市に移動する際にいつも通る場所なので、これからもりんご飴やお土産購入目当てに寄りたいと思います。
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
https://www.fujisaki-shokusai.com
食べログ
ふじさきまちのりんごあめ
0172-65-3660
青森県南津軽郡藤崎町大字榊字和田65-8 ふじさき食彩テラス

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