訪問日:2025年11月13日(木)
かごしま黒豚とは

鹿児島名物の代表格として全国的な知名度を誇る「かごしま黒豚」。
「かごしま黒豚」の定義は、肥育後期にさつまいもを10~20%添加した飼料を60日以上給与しており、鹿児島県黒豚生産者協議会の会員が、県内で生産・肥育出荷したバークシャー種(アメリカバークシャーを除く)であること。
「かごしま黒豚」はその名の通り体毛が黒色ですが、四肢、鼻梁、尾端の6箇所に白斑があることから「六白」という呼び名でも知られています。
他の豚と比べて産子数が少なく、発育が遅いため、一般的な豚の1.2倍から1.5倍ほどの肥育期間を経て出荷されるそうですが、筋繊維が細かく歯切れが良いことや、うま味成分のアミノ酸を多く含んでいるなど、他の品種にない利点を多く持っているとのこと。
また肥育後期に甘しょ(さつまいも)を添加した飼料を与えることも特徴で、これにより黒豚の脂肪の質が向上し、うま味、甘味が増すとともに脂肪の融点が高くなり、脂がベトつかずさっぱりとした食味や締まりのある肉質が生まれるそうです。
「かごしま黒豚」のルーツは、今から約400年前に島津18代藩主・家久により琉球から鹿児島に移入されたのが始まりといわれています。
鹿児島の黒豚の名が知られるようになったのは幕末の頃で、外交問題の重鎮・水戸藩主徳川斉昭公に「いかにも珍味、滋味あり、コクあり、何よりも精がつく」と言わしめ、郷土の偉人である西郷隆盛もこよなく愛したといわれています。
明治に入ると在来の黒豚にイギリスから導入したバークシャーと交配することで本格的な品種改良に取り組み、更に味に磨きがかけられたとのこと。
昭和20年代には鹿児島から東京の芝浦へ出荷が行われ、味と品質の良さが評判となったことから、昭和30年代に東京で黒豚ブームが到来。
鹿児島県産の黒豚は高品質な豚肉の代名詞として広く知られるようになったそうですが、昭和30年代半ばに産子数が多く成長が早い白豚が導入されたことで、黒豚出荷頭数は県全体の1.6%まで減少する事態に。
昭和49年に県で黒豚の振興を決定、黒豚の品種改良など生産者や関係者の努力によって頭数や農家数も徐々に回復し、平成2年には生産者を中心とした「鹿児島県黒豚生産者協議会」が設立。
平成11年に「かごしま黒豚」という名称を商標登録。
黒豚のブランドは鹿児島県以外にも埼玉県(彩の国黒豚)、群馬県(とんくろー)、岡山県(おかやま黒豚)、香川県(讃岐黒豚)など各地で生産されていますが、中でも「かごしま黒豚」は別格の扱いで、食肉市場では牛肉並の値段が付けられるそうです。
鹿児島県畜産試験場では全国で唯一バークシャー種の「系統豚」の造成を行っており、昭和57年に系統豚「サツマ」、平成3年に「ニューサツマ」、平成13年に「サツマ2001」、平成27年に「クロサツマ2015」が完成し、常に肉質の向上を目的に改良され続けているとのこと。
鹿児島では「しゃぶしゃぶ」、「とんかつ」などの人気料理や、「豚骨」といった郷土料理など、黒豚を使った様々な料理が楽しめます。
黒豚料理 あぢもり

今回訪れたお店は、鹿児島県鹿児島市の繁華街・天文館にある、「黒豚しゃぶしゃぶ発祥の店」として有名な『黒豚料理 あぢもり』。
先代の食堂をリニューアルする形で昭和53年(1978年)に創業。
創業当時は上述の通り、白豚の導入で黒豚の生産量が激減し、薩摩の宝である黒豚を復活させようと気運が高まり始めていた時期。
創業者の佐藤光也氏は北海道出身ですが、初めて味わった黒豚の美味しさに感動し、当時は高級料理という印象が強かったしゃぶしゃぶで黒豚をPRすることを決めたとのこと。
現在では「鹿児島といえば黒豚、黒豚といえばしゃぶしゃぶ」と名物としての地位を確立しており、こちらは黒豚の美味しさを広めた名店として全国に知られています。
食べログのすき焼き・しゃぶしゃぶ百名店には2024年に選出。
こちらのお店ではしゃぶしゃぶは2人前からになるそうなので、一人旅が基本の私は1人前の小鍋で提供している別のお店ばかり行ってました。
今回の旅行では初の鹿児島旅行という同行者がいたので、念願の初訪問です。
アクセス
場所は天文館通駅から徒歩4分の距離。
駐車場は近隣コインパーキングになります。
混雑状況
この日は平日の木曜日、お店には19時半に訪問。
こちらのお店は基本的に予約推奨で、この日も予約席のみで満席という案内が店頭に掲示されていました。
今回はちょうど2週間前に予約の電話を入れましたが、通話中でなかなか繋がらず、何回も何回もリトライ。
ようやく繋がって無事予約が取れたものの、希望の19時は予約で埋まっており、空いていた19時半になりました。
この日お店に入店してからも電話はひっきりなしに鳴っており、満席で断られているのが大半だったので、本当に大人気ですね。
メニュー・商品ラインアップ


メニュー写真は追加メニューやドリンクの分しかありませんが、公式サイトにもこんな感じで一覧が掲載されています。
予約時にはメニューを決めておく必要があるので、今回は夜のメニューで一番お手頃価格だった『維新コース』を注文!
感想

【維新コース】4400円(税込・サービス料別)
≪内訳≫
特選黒しゃぶ肉、野菜、小鉢、特製手延細うどん、デザート

ドリンクはジンジャーエールと烏龍茶を1杯ずつ注文し、合計会計は2人で10290円でした。
小鉢は「黒豚と野菜の三杯酢和え」、さっぱりシャキシャキ食感で美味しかったです。

こちらのお店のしゃぶしゃぶは、出汁の利いたスープと卵を使って食べる独自のスタイルで、定番のポン酢やゴマだれ、薬味などは無し。



最初は卵を加えず、スープのみでバラ肉のしゃぶしゃぶをいただきます。
黒豚のバラ肉はムチッとした柔らかさと適度な弾力がある食感、脂身の甘さと旨みの強さが段違い。
適度に油はスープに浮きますが、ギトギトせずにあっさりサラッといただけます。


次はスープに卵を割り入れて卵スープを作り、鍋にも野菜を加えて、黒豚のロース肉をいただきます。
和風出汁の旨みが利きつつ、卵はすき焼きっぽい印象も受けるまろやかな味わいで、この食べ方も本当に美味しいです。
ロース肉は少しあっさりしていて、黒豚の旨みがより際立つ感じ。
スープは豚肉の旨みも溶け込んで脂のコクもあり、野菜の美味しさも十分に引き立ててくれます。
巾着は中にお餅が入っていて、油揚げがたっぷりとスープを吸い、肉以外の具材では一番好みでした。


うどんは少し冷や麦のような印象を受ける細めのタイプで、プリプリと歯切れの良い柔らかめの食感。

デザートは黒豚のコラーゲンに、鹿児島産の抹茶、さつまいも、黒糖を使った羊羹とのこと。
一緒に提供された温かいほうじ茶もとても香ばしくて美味しかったです。
この後、余裕があれば鹿児島ラーメンも夜食に食べに行きたいという話もしていたので、コースは一番量が少なめのものを選択しました。
他のコースは肉が大盛りや揚げ物も付いていますが、今回しゃぶしゃぶのみの「維新コース」でも十分お腹が満たされる内訳。
私はまだ余裕があったものの、同行者がしっかり満腹になったようなので何よりと思い、この後のラーメンは不要で大満足でした!
ご馳走様でした!
公式サイト等
公式サイト
食べログ
黒豚料理 あぢもり
099-224-7634
鹿児島県鹿児島市千日町13-21

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