訪問日:2025年10月31日(金)
干瓢(かんぴょう)とは
栃木県が生産量日本一(全国生産の9割以上、ほぼ100%)を誇る「干瓢(かんぴょう)」。
「干瓢」は栃木で通称「ふくべ」と呼ばれている、「ユウガオ」の果肉を薄く細長く剥いて乾燥させた食品のこと。
甘じょっぱく煮た干瓢はお寿司などでもお馴染みですね。
「ユウガオ」は「ヒョウタン」と同一種であり、苦味(ククルビタシン類)の少ない品種が食用として選別されたものが「ユウガオ」です。
「ユウガオ」の原産地はヒョウタンと同じく熱帯アジアやアフリカといわれており、縄文時代の貝塚跡からヒョウタン皮が出土していることから、古くから日本でも栽培されていたといわれていますが、具体的な伝来時期については定かではないとのこと。
日本で「干瓢」が作られるようになったのは15~16世紀頃という説があり、発祥の地と考えられているのは産地として古くから有名な大坂の木津村で、江戸時代に水路を経て近江国水口に伝わり特産品になったとのこと。
栃木県に干瓢が伝わったのは、1712年に水口城主鳥居忠英公が、幕府の命により下野壬生城主に国替えになり、旧領地の木津からユウガオの種を取り寄せて、地元壬生の農家に栽培させ生産にあたらせたのが始まり。
その後栽培地域は上三川町、小山市、下野市、宇都宮市、真岡市、鹿沼市など、栃木県の南東部に広がり一大産地を形成。
栃木県では保水性・透水性・通気性に優れた黒色の火山灰土(黒ボク土)が広く分布していたことや、生産期の7〜8月に雷雨により地表が冷やされるなど、暑さに弱く多量の水が必要なユウガオ栽培に適した気候・土壌条件が揃っていたことも発展の理由だそうです。
栃木県には干瓢を使った様々な郷土料理が根付いており、農林水産省の公式サイトでは「干瓢の卵とじ」、「干瓢のごま酢あえ」、「いなりずし」、「五目飯」、「かんぴょうのり巻き寿司」などが紹介されています。
いなりすし俵

今回訪れたお店は、栃木県佐野市の赤坂町にあるテイクアウト専門のお寿司屋さん『いなりすし俵』。
お店の公式サイトなどは見当たらず、正確な情報は調べてみてもよくわかりませんでした。
ネットの情報では、店主の方は佐野駅近くにある、明治10年(1877年)創業のいなり寿司の老舗「ふみきりすし」出身で、1998~2000年頃?に独立されたという情報が出てきました。
一般的に「いなり寿司」は干瓢が必ず使われるわけではありませんが、栃木県では酢飯を詰めた油揚げの中央に味付けをした干瓢を巻き、俵に見立ててある形が特徴。
個人的にいなり寿司が大好きということもあって、栃木ならではのいなり寿司やかんぴょう巻きが食べたいと思い、こちらのお店に行ってみることにしました。
アクセス
場所は佐野市駅から徒歩21分くらいの距離。

駐車場は店舗の少し南にありました。
混雑状況
この日は平日の金曜日、お店には11時40分頃に訪問。
この時先客は無しで私のみでした。
メニュー・商品ラインアップ

こちらのお店はテイクアウト専門で、イートインスペースは見当たらず。
今回はいなり寿司やかんぴょう巻きなど、色々なお寿司が楽しめる手頃なサイズの盛り合わせを注文!
感想



【盛り合わせ③】600円(税込)
本来の内訳はいなり2、押しすし1、太巻き1、細巻き(かんぴょう)3、かっぱ巻2、玉子焼き1のようですが、この日は玉子焼きが伊達巻になるそうで、それに合わせて内訳が微妙に変わっていました。
いなり寿司は濃い茶色の見た目ほど塩気は強くなくて、甘さが強く濃厚な味わいでジューシー。
酢飯の程良い酸味とのバランスが良く美味しいです。
干瓢はプニプニとした柔らかな食感で、味付けは優しくほんのり甘辛でコクのある味わい。
太巻きと伊達巻は干瓢の他に甘いでんぶ?の存在感が大きくて、卵は素朴でまろやかな味わい。
お手頃価格で十分なボリューム、そして干瓢の美味しさもしっかり堪能できる栃木ならではのお寿司で、大満足でした!
ご馳走様でした!
公式サイト等
食べログ
いなりすし俵
0283-22-7877
栃木県佐野市赤坂町952-19

コメント